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労務管理に関わるプレイヤーとモチベーションから見えてくる労務管理SaaSの着眼点

この記事は労務 Advent Calendar 2019の3日目の記事です。

4日目はLoco Partnersの岩男さんの「労務担当になって2ヶ月。私が感じた労務の魅力」です。

GozalのCPOをやらせていただいています豊福です。この記事では日頃労務管理サービスを開発している僕の目線から、労務の各プレイヤーとそのモチベーションを整理して、摩擦の解消と幸せな労務に向かう切り口としたいと思います。

労務管理は関係者が多く課題解決が困難

どのBtoBにも言えることかもしれませんが、労務管理は関係者が多く、めんどくさい調整を避けた課題解決に陥りがちで、点での解決策に落ち着きがちです。

例えば、社員のモチベーションを上げたり経営をドライブする意図で手当の支給を企画した場合、不利益変更に当たらないかどうかを精査したり、煩雑で属人的な運用にならないかを(理想的には)考慮する必要がありますが、給与計算の期日に追われたり、めんどくさい調整が発生する場合に表計算ソフトや社労士にアウトソーシングするなどで乗り切ったりすることがあるみたいです。

なぜそういうことが起こりうるかと言うと、それぞれの関係者における施策に対するモチベーションが異なるからです。これは企業という有機体を生存させるために、各々のメンバーに割り当てられたミッションなので完全にフィットさせることは難しいです。人間は、どこか怪我をしていても前を向かなければなりません。完全に病が治るまで待っていたら確実に淘汰されてしまいます。

なので、大事なのは関係者の整理とリレーションを把握して、お互いが気持ちのよい落とし所を見つけることです。

労務管理に関わるプレイヤー達

社内に限定すると、以下の画像のようなプレイヤーが存在しそうです。ただし、プレイヤー同士の線引や役割分担は企業により様々です。

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経営者と労務担当者

経営者のモチベーションは利潤です。会社を育てて社員を養っていかなければなりません(表現が適切かどうかはわかりません)。。。

なので、より利潤があがるための施策を考案、実行していきます。それが彼らに課せられた最大であり最終のミッションなのです。労務における運用などはあまり考慮されていません(もちろんそれを考慮される経営者の方も一部いらっしゃるでしょう)。それをどうやって実現するか、もしくは施策の調整を行うかは労務担当者の腕の見せ所です。

一方で労務担当者は毎月の勤怠集計、給与計算などに追われており、施策の精査・調整を行う時間を十分に確保できることは稀です。結果社労士にアウトソースしたり、人力ゴリ押しで乗り切ることが多いようです。

ここに一つ、ソフトウェアの力を用いて解消すべき課題が一つあることがわかります。ただしどのツボを押せばいいかは未だ明確では有りません。経営者で労務を課題と捉えている方、労務の方で経営者ともっとうまくコラボレーションしたいという方がいらっしゃれば是非お話を聞かせてください(コーヒーでもごちそうします☕️)

人事担当者と労務担当者

人事担当者は事業をドライブさせるために必要な人材を採用していきます。人材を採用するためには魅力的な人事制度や福利厚生(手当だったり)が必要です。

なので人事にとっては「働き方」と「福利厚生」を充実させることが大きなモチベーションとなっています。

しかし、人事制度は社員の勤怠や給与計算に、福利厚生は給与計算に大いに影響してきます。というか、人に関わるほとんどの社内の施策は勤怠・給与に影響してくると言っても過言ではありません。

労務担当者は「迫りくる期日までに勤怠給与計算を効率よく回していく」という使命があるので、できる限り管理しやすい働き方や福利厚生を求めています。

このように、人事と労務のモチベーションが逆のモチベーションになってしまうことがあります。

ここで大事なのもやはりソフトウェアによる労務管理の効率化であると言えます。労務管理という重要な足回りの柔軟性が高いということは、採用施策の幅を広げることに繋がり、引いては会社の利潤につながるということができそうです。労務には事業をドライブさせるための可能性が秘められています。

管理職(マネージャー)と労務担当者

部署ごとのマネージャーには、そこで働く社員の成果を最大化するために、モチベーションが下がっていないか注視したり、働きすぎていないかに気をつけるという役割があります。

しかし一方で本業は事業成果を伸ばすこと。できれば事業成果にコミットする時間を増やしたいはずです。なので勤怠管理に使う時間は最小限にしたいはず。

しかし労務担当者はやはり「迫りくる期日までに勤怠給与計算を効率よく回していく」という使命があるので、できれば現場のマネージャーに協力してもらってより精度の高い勤怠入力を求めたいというモチベーションがあります。

なのでここでは、省エネで精度の高い勤怠データを入力・確認する必要があります。この部分が労務管理ツールの導入ハードルも下がりそうです。

更に未来的な話をすると、労務管理ツールで社員のモチベーションやパフォーマンスが見えると部署ごとのマネージャーは勤怠管理の枠組みを超えて利便性を感じてくれるのではないかと思いました。

労務管理ツールの導入は現場のマネージャーとそこで働く社員にも影響が及ぶことなので、労務管理者の視点だけで導入をすることはむずかしいです(大きな裁量があれば別かもしれない)。現場のマネージャーが納得しうるだけの体験が求められます。

社員と労務担当者

現場で働く社員は、とにかく自分が達成すべきミッション、成果のために時間を費やします。それ以外に使う時間は極力減らしたいはずです。他のことに時間を使うくらいなら早く帰宅したいはず笑。

なのでここでも省エネをかなり意識することになります。

厚生労働省が労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインによると、客観的な記録を基礎とすることと記してあります。なので、社員には勤怠を意識しなくてよい仕組みが理想的です。そうすることで、労務管理ツールの導入時に社員を必要以上に考慮する必要がなくなると思われます。

ただし、技術的な課題があって、それは「客観的な記録」をいかにして給与計算に使える形に落とし込んでいくかというところです。正直これを実現できている勤怠管理SaaSはありません(あったら教えて下さい!)。Gozalでアプローチしたい課題の一つがここにあります。

上記の関係整理から見えてくる有効な着眼点案

・労務管理ツールを使うことで経営を改善するインサイトを得られる
・多様な働き方をサポートできるようにして採用活動につながっていく
・社員のモチベーションやパフォーマンスが見える
・マネージャー目線で「やらなければいけないこと」を積極的にやりたいことへ昇華させる
・客観的な記録をもとにしたアクティビティトラッキングが自動で行われている

他にもたくさんの切り口がありそうです。労務管理は未だ樹海みたいなもので、今後どんどんテクノロジーが投入されて働き方や運用方法などクリエイティブな部分が増えてくると思います。そのたびに新たな解決策が浮かび上がってきて、変化に富む業界になるに違いありません。弊社そしてGozalではそれをサポートし、個人だけではなく会社の個性もどんどん出せていけるような事ができるツールに育てていきたいです。

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