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柄合わせ

無地や細かい柄、上下左右のない柄のものでは必要ないのですが、チェック柄や大きい柄、一枚の絵になっているような柄の洋服では、柄が続くように複数のパーツを縫い合わせなければなりません。例えばチェック柄では本体の横の線が脇の縫目で合い、さらに袖の柄の線とも合うようします。また、縦の線も服の中央でチェックの間隔がつながるようします。このような柄合わせが必要な場合、裁断と縫製に大変気を使うことになります。

柄合わせの必要のある布を何枚も重ねて裁断するときのことを考えてみましょう。このときは柄がずれないように重ねるところがポイントです。裁断台の上の高い位置の二ヶ所から垂直にレーザー光線をあてて、柄を合わせるポイントを外さないように、一枚ずつ重ねていきます。こうして重ねた布を垂直に裁断機で切ると完全に同じ柄のパーツがすれ無くできることになります。

こうして出来たパーツを柄を合わせながら縫っていきます。家庭の洋裁では待ち針を打って柄をずれないように重ねるのが普通ですが、工場の生産ではスピードが求められるため、この方法は使えません。そこで、手で加減をして、柄合わせをしながら縫います。技術は求められますが、生産性を保ちながら良い仕上がりとすることが出来ます。

柄合わせは裁断の際にも縫製の際にも手間がかかります。それでも柄合わせをするのは、全体を見た時にスッキリさせるというデザイナーの意図を活かしたいからです。手間と時間を掛ける値打ちはあると考えています。

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