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福島原発汚染水の放出と海塩と農業

2023年8月24日に海洋放出を強行した日本政府。

科学的に問題ないという一方的な理由付けにより、反対する国民の意見を聞かず、また中国など海外でも批判が高まる中、強行した日本政府を民主主義だと思いますか?

今後は日本の国土を保ってきた海水が汚染され、漁業に影響が出ることはもちろんですが、農業に携わる身として海塩が手に入らなくなることも憂いています。

日本人のDNAに深く関わってきた海塩。

ミネラルが豊富であり、農作物にも深い関りが昔からあったようです。

病気になった作物は農薬で治療するものと思っていたところ、塩で病気を治療したり、予防することもあるらしい。塩の肥料効果と治療効果についてアメリカ塩協会のホームページに掲載されている内容を紹介しよう。

1.植物栽培への海水と塩の利用

(1)農業への利用の歴史

「日本農業全書」によると、海に囲まれた日本では江戸時代から身近にある資源として海水や海藻が農業に使われています。例えば、以下のような事例が記録されています(参考文献1)。

①寒中に海水を汲み取ってムギ畑の肥料にすると良い。満潮の時にくんで桶に入れ、これに風呂の残り湯を混ぜる。
これを下肥に混ぜて使うとムギの細根が十分に広がる(16 間,百姓伝記,静岡・愛知)。

②ナスが青枯れするようなときは、塩汁や海水などをかけるとよい(41 巻続物粉,高知)。

③ミカンの木の根元に海水をかけるとよい。ミカンの根に下肥を施し、5月の頃には枯れたイネの苗を置き、寒中 には海水をかける(16 巻百姓伝記,静岡・愛知)。

④ナシ栽培用の下肥、いわし肥、にしん肥の肥料などをつくるときは、塩を加える(46巻,梨栄造育秘艦,新潟)。

⑤サツマイモを作る土地がやせていたら、海岸に打ち上げられた海藻を冬のうちに拾っておいて腐らせ、それを根元にひとつまみずつ置いて植えれば芋が良く出来る(33 巻,砂畠菜伝記,福岡)。

⑥山間の畑に植えたサツマイモには磯の付近に生えている海藻を取ってきて、乾燥してウネ間に入れると効く (29巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。

⑦ムギの肥料には水肥の中に海水を2割ばかり入れると良く、すべての肥料はたべものの塩味程度に塩分を加えたほうが良い(29 巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。

⑧海藻はすべての作物に効く。良く干して雨にあたらないように貯えておき、作物に施します (23 巻,農稼録,愛知)。

https://www.saltscience.or.jp/symposium.html