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相互循環の目的②

前回は相互循環の目的:受ける側の視点についてお話しました。
今回は同様のテーマで、施術側の視点です。

前回からの繰り返しにもなりますが、相互循環の目的、テーマは
「元々持っている本来の状態、能力を引き出すこと」です。

これは施術で相手の能力を引き出すということだけではなく、施術する側も含めてお互いに引き出され合う状態になる事を表しています。受ける側が楽になり、施術者が一方的に疲れるのではなく、施術者も相手と一緒に、元々持っている本来の状態や能力が引き出され合う世界があります。

相互循環は受ける側だけではなく、ぜひ施術側を体感して欲しい世界
です。

施術側として、共にシンカできる世界

NBWの体感ワークの中で「肩こりをほぐすには、自分の手も同質の硬さをつくる必要がある」という内容を序盤にお伝えします。自分と相手の間で何かを共有するときには、同じ質感や世界観を共有するというポイントがあります。

これは“対極の存在をつくる“ということにもつながります。良くなる為には、現状良くない部分が必要ですし、良くしようと関わるならば、良くして欲しい存在が必要になります。

私の今までの関わり方は、全てこのパターンの中にありました。でも相互循環を知って、お互いに役割が必要ない世界を知ることができました。

自分、相手、その間、その違い

相互循環で相手の心地よさを感じる時は、自分の心地よさを感じられていることが前提になります。

自分も相手も心地いい状態だから、2人の関係性の中で「動きたいところ」が感じられます。そしてここから動きたい方向へと進んでいきます。

さらに受け手の自然な身体の働きが引き出されているときには、施術をしていながら、同じ状況になっています。

その一方で、同じ空間である感覚を共有する中とき、それは必ずしも同じ方向性を感じる必要はありません。「共有はできても同じじゃなくていい」この距離感も大切なポイントだと感じます。お互い共通する部分と、違う部分があるからこそ、個として存在する意味もあり、尊重し合える関わり方があると感じます。

よくしてもらう・よくしてあげるの限界

どちらか一方の価値観で相手を変えようとしたり、どちらか一方が疲れてしまう関係性、振り返ってみると思い当たることばかりです。どちらもどこかで必ず無理が来ます。

自然の世界は共にお互いの本来の自然な在り方、生き方、能力で循環しています。何かの存在が負担になることも、頑張ることもなく、それぞれが一番生きやすい形を続けることで、大きな循環、持続的な豊かさを育み続けていると感じます。

ツールはなんでもいい

現在こういった世界観を体感し、自分にとって大切なことを表現するために相互循環やNBWのコンテンツを選択していますが、理由は、今の自分にとって一番違和感や無理なくフィットして、楽しいと感じるからです。

だから、一人一人にとってどんなツールが適切かは違うと思います。相互循環じゃなくても、何を用いても、この自然の摂理に沿った世界観は体感できます。結局は自分が目の前の事をどう捉え、どう在り、どう関わるかだけだと感じます。

私たちは、それぞれにとっての「これ!」を選ぶための、基本的な捉え方、在り方、関わり方、身体との信頼関係、全ての人が元々持っている自然な身体の働きを、一緒に思い出すきっかけを共有しているのかなと感じます。

次回はちょっとライトに。
「本当にやりたいこと」についてお話しします。

豊田玲子(遊びたい、身体大好き)
理学療法士 パーソナルトレーナー
2012 IFBB World Chanpionship Body Fitness 日本代表

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