外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(その3)

外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(その3)

外山恒一

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 「その2」から続く〉
 〈全体の構成は「もくじ」参照〉

 2016年12月3日におこなわれ、紙版『人民の敵』第27号に掲載された対談である。
 第3部は原稿用紙換算23枚分、うち冒頭6枚分は無料でも読めます。ただし料金設定(原稿用紙1枚分10円)はその6枚分も含みます。

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 もはや“野党の「しばき隊」化”が起きている

藤村 小池百合子が当選したわけだけど、リベラル派は鳥越俊太郎を担いでたよね。そもそも“保守分裂”の選挙だったでしょ。保守派が増田寛也って人と小池百合子とに分裂した。ということは……。

外山 ちゃんとやればリベラル派が勝てる選挙だったはずだよなあ。

藤村 うん。だけどじゃあリベラル派、野党側は誰を候補に立てるかってことで、例によって宇都宮(健児)さんが名乗りを上げてたけど、それでは勝てないだろうってことで鳥越を担いで、宇都宮さんには立候補を断念させた。で、いざ鳥越さんが出てみると、佐藤(悟志)さんが「バージンは“病気”なの?」ってプラカードで抗議してたように、過去のセクハラ発言やスキャンダルを次々に暴かれて、まあ原因はそれだけではないだろうけど、とにかく大負けしちゃったわけだよ。

外山 小池、増田、鳥越って順だったよね。たしか小池の半分も得票できなかったでしょ、鳥越さん。

藤村 “保守分裂”なのにリベラルはボロ負けしたという情けない結果だったんだけど、あの都知事選の期間中には“加担の論理”を本当にたくさん見た。例えば、「宇都宮健児はちゃんと鳥越を応援しろ」という声がリベラル派から上がってたんだ。なんて傲慢な連中なんだろうと思うよ。てめえらで圧力かけて引きずり下ろしといて……宇都宮さん自身が「圧力があった」って云ってるし、むしろ引き下がってくれただけでリベラル派は感謝すべきで、宇都宮さんが積極的に鳥越を応援しなくても仕方ないじゃん。保守が分裂して、野党は鳥越を統一候補にすることができて、当初は「これは勝てる」って雰囲気だったのが、ヤバそうになったら「宇都宮はなぜちゃんと応援しないんだ」って、勝手すぎるでしょ。
 さらに選挙が終わってから、宇都宮さんが『橋下×羽鳥の番組』(テレビ朝日)っていう、要するに橋下徹がやってる番組に出演したら(8月8日)、「ネトウヨ番組と結託した」とかゴミみたいな批判をする奴がいっぱいいた。云うまでもなく、仮に橋下の番組が“ネトウヨ番組”だったとしても、宇都宮さんがそこで自分の信念を曲げてネトウヨにおもねるような振る舞いをしない限りは、何ら批判されるべきことではないよね。宇都宮さんは『正論』(10月号)にも登場して、やっぱり非難囂々。

外山 うーん……。

藤村 べつに『正論』に書こうが『WiLL』に書こうが、どうだっていいじゃないか(笑)。もちろん媚びるような書き方をしてれば話は別だけど、ただ登場しただけで非難される筋合いはない。

外山 鳥越批判をガンガンやったとしても何も問題もないよね。鳥越を支持するリベラルも鳥越を支持しないリベラルも存在して当然で、それぞれの主張を公にする権利も当然あるし、媒体が何であるかも関係ないという、その程度のことも分からなくなってるのか。

藤村 「しばき隊」だけじゃないんだ。鳥越を熱心に応援してたリベラル派のかなりの部分がそういう低レベルな“宇都宮批判”をやってた。つまりもはや“野党の「しばき隊」化”が起きてる(笑)。“「しばき隊」化”であり、“反知性主義”化。こないだの都知事選というのは、日本のリベラル、あるいは日本の左派が“行くとこまで行っちゃった”ことを示した選挙だったと思う。


 佐藤悟志こそが最も筋の通ったリベラル派

外山 そもそもあんな有利な状況でボロ負けするんだから終わってるよ。

藤村 鳥越のスキャンダルで、大学の講師か何かやってた時に、合宿で女子学生を自分の部屋に連れ込んで淫らなことをしようとした、というのがあって、そんなの普通に考えてセクハラ、アカハラでしょ。鳥越は記者会見も何もせずに、ただ「でっち上げだ」って云うばっかりで……もしそれが事実だとしたら、“反差別”の「しばき隊」は原理原則からいって絶対に鳥越を応援できないはずだよね。もちろん選挙期間中にそういうスキャンダルが噴出するのは、そりゃ政治的背景があるに決まってるけど、どうであれリベラル派は、本当にそういう事実があったのか鳥越に問いたださなきゃいけないし、事実なら当然、あるいは曖昧な回答をするようであれば批判しなきゃいけない。もしかしたら、保守系メディアにそういう情報を流した元女子学生はネトウヨみたいな子かもしれないけど、ネトウヨなら人権を蹂躙してセクハラでも何でもやっていい、って話にはならん。
 少なくともリベラルならそう考えなきゃダメだろう。保守派なら別にいいけどさ。「それくらいは男の甲斐性たい!」みたいなことを云う保守派はきっと熊本(藤村氏の出身地)あたりにはたくさんいる(笑)。しかしリベラルはこういう問題を曖昧にしちゃいかんよ。なのに鳥越を支持したリベラル派は、リベラルの原則さえ踏み外して、それこそ“加担の論理”で、「鳥越を批判するのは小池や増田を利する行為だ」と云って鳥越批判を封殺してた。

外山 佐藤悟志が一番立派なリベラルじゃないか(笑)。

藤村 あれは立派だった。

外山 ちゃんと鳥越のセクハラを糾弾してたもんね。プラカードを持って鳥越の街頭演説に押しかけて、リベラル派に排除されたっていう……さすが“人権ファシスト”を標榜するだけのことはある(笑)。

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外山恒一
革命家。マルクス主義、アナキズムを経て03年よりファシスト。福岡市在住。九州ファシスト党〈我々団〉総統。サイト「外山恒一と我々団」(link: http://bit.ly/1wp0Ggi)