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間違えた方向性とタイムマネジメント~大橋六段戦~

モバイル中継で配信のあった対局でした。

先手で相掛かりに進み、先攻してペースを握りました。
ただ、調子がいいと思っていたところから、やや形勢に自信が持てなくなって迎えた図。
先手▲が私です。


ここで▲4四角成が普通の手ですが、△4三金とされて飛車と馬の両取りになってどう指すか。
実戦は先に▲2四飛と飛車を切り飛ばし、△同歩▲4四角成△4三金▲同馬と突進しましたが、攻めが届きませんでした。

ではどうするべきだったか。
単に▲4四角成として△4三金の図がポイントでした。


飛車を切らないことで別の選択肢ができる

ここで▲2五歩が局後の検討でソフトに指摘された一手。
△同香▲同飛△同銀に▲4五馬と逃げておきます。


飛車を渡して馬を逃げるのが最善だった

飛車を取られてからギアを落とすのは指しにくい順ですが、▲6三馬と▲4四香の両睨みなので後手の受けが容易ではないのです。
また渡したのが飛車だけ(実戦は角も渡した)なので、後手からの反撃が厳しくないのもポイントです。

・飛車を取った後手の銀が攻めに働かないか
・▲2五歩に△4四金と馬を取られて攻めが続くかどうか
この2つの懸念をクリアする必要がありますが、落ち着いて考えれば指せた順でした。

夕食休憩まであと20分程度だったので、どうせなら休憩に入れて考えれば良かったのですが、残り時間が少なかったので決断が出来ず後悔が残ります。

今期の竜王戦から時間の計測方法が変わり、同じ5時間でも使える時間が少なくなりました。
そこへの対応がうまくいかずタイムマネジメントに失敗したのも要因です。
手の選択、時間の使い方、どちらも実力が足りなかった一戦でした。



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