私の幸せとは

#001  半年後、結婚式があるのに...

今日は私が楽しみにしていたドレス選びの日。
彼が来るのを待っているけど、
いっこうに来ない...
電話も通じない...1時間は待っている...と、
電話が鳴った。
彼の母親からだ。
「もしもし、エリカ...」
彼の母親は電話が繋がると、
すぐにしゃべり始めた。
「タクヤが交通事故して
救急車で病院に運ばれたって...意識がないみたい...
死んじゃったってことかな...」
いつも悲劇は突然で...
私はどうすることも出来ず、
悲しみに打ちのめされるだけ...
命は取留めましたが、
昨日の彼はもういない...

#002  ただならぬ空気

タクヤの両親よりも、早く病院に着いた。
受付でタクヤの状態を聞いたが、今は怪我の処置をしているので、詳細についてはタクヤの両親が来てから、担当医師が説明します。とのことだった。

私は何の証明書もない、ただの婚約者というわけで...

タクヤの両親が病院に到着し、タクヤの両親だけ、担当医師から説明を受けていた。
タクヤの状態も見たはず...

タクヤの母親は、目と鼻を真っ赤にさせながら、
「一先ず、大丈夫そう」
と笑った。それだけしかなかった。

私はそれが怖かった...

タクヤの両親は家には帰らない。

私もタクヤの状態が気になって帰れない。

次の日、私の両親が来て、タクヤの両親と話をしている。

私はまだ、かやのそと...

タクヤをずっと待っている...



#創作大賞2022

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