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【詩】潜る

潜っている どこへ?

濃く深いブルー 見上げれば・・・いびつな光 

ここは海の底? 

いや・・・ここには何もない

何かを探していた気がする 何を・・・?

探れ 探れ 
潜れ 潜れ

もっと深く

やがて 真っ暗で何も見えなくなった頃

遠くに小さな ・・・光?

近づいてくる 

転々と 無数の光の ・・・あれは泡? 

中には顔のようなものが

それらの顔を 私は知っている

私の顔も 泡の中にあった
がんじがらめの私が見える

夢?  幻?
あれは私の ・・・記憶? 恐怖?


ああわかった

現在いまも私を縛る 記憶 

あの日の感覚が蘇る

なすすべも無く立ち尽くした・・・


けれど 私はもうあの時の私ではない

どうすればいいか 今は知っている

泡の一つにそっと触れて告げる

さようなら 事実は変えられないけれど
ありがとう あの時は必要だった
ごめんね どうすればいいかわからなくて

でも私は変われる この先も
だから ありがとう さようなら


触れた泡は 綺麗な色になって上ってゆく

ゆっくりゆっくり 水面まで
上ってはじけて消えるだろう

消えるごとに 底に優しい光が降る


塗り替えろ 塗り替えろ 

何度でも いくつでも 

真っ黒に塗りつぶすしかできなかった過去の私も一緒に

塗り替えろ 塗り替えろ 

どう塗り替えるかは 私が決める 

誰でもない 私が 決める





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