瞳湖のよしなし事 #1 1
「予感」という言葉は、意外によく耳にする言葉だと思う。
漫画でも ”悪い予感がする” なんて出てくる。
脳科学や精神医学、スピリチュアリズムとか、それぞれの分野によって意味やメカニズムは違うんじゃないかとも思う。
それほどに、とらえどころのないものなんじゃないかな。
少なくとも現時点では。
でもこれは「瞳湖のよしなし事」だから、自由にとりとめなく書いていきたい(笑)
***
予感と言うときは、大きく分けて2つあると思う。
「良い予感」と「嫌な予感」。
私が感じるのは、たいてい「嫌な予感」の方。
例えば、石油ファンヒーターに灯油を入れた思い出から。
直前に『あ、こぼれる』と、ふと浮かんだ。
言葉ではなく、画像が浮かぶこともあった。
そういう時は、本当にそうなる。
『あ~あ、やると思ったんだぁ (>_<) 』とか、『直前すぎ! もう少し早く浮かべば防げたかもしれないのに・・・』と思ったものだ。
また、初対面の人に対して『何か嫌な感じがする』ということもあった。
これは滅多に感じないけれど、感じたときは、後で『やっぱり』と思う事態になった。
現実になったのは数年後のことだし、私個人に起こった問題でもない。
それなのにどうして、ふと浮かんだり感じたりすることがあるんだろう?
反面、「良い予感」がして『今日は良いことがあると思ったんだ、ちゃんと当たった♪』なんて感じた記憶はないなぁ。
『今日は良い天気だな』、『空の青がすっごく良い感じ!』ならたくさんあるけれど、そもそもこれは「予感」じゃない。
私の感じる予感は、おそらくは防衛本能に根差すものではないかな?
ああ、それで思い出した。大事な思い出があった。
数十年前、私は書店で面白そうな本はないかとグルッと店内を巡るのが好きだった。目当ての本を買うために行くのではなくて。
タイトルだけをスーッと見て、面白そうだなと思えば帯を見る。「あ、ちがうな」と棚に戻す本も多い。
「面白そう」と思う本は更に目次を見たり、ぱらぱらとめくってみる。
そうやって本を選ぶのが好きだった。
が、あるとき買ったその本は、買ったことで満足したのか本棚に収めてそれきりになり、あっという間に数年経ってしまった。ほんの少しの罪悪感も一緒に収めたまま。
それが突如必要になった。ストレスが溜まり、外出などはとても億劫になって、会社と家の往復以外では、最低限の用事だけ済ませて帰る日々。
なんとかしなければ、何か手立ては・・・と思ったとき。
『そうだ! あの本がある!』急いで読みながら思った。
ああ、これは今読むべき本だったんだ。買ったとき読んでいたらきっとこんなに真剣に読まなかった。本当に必要な時にすぐ読めるように、本棚に収めたんだ。この本も待っていてくれたんだな・・・
「予感」のメカニズムはわからないけれど、それでもいいかなと個人的には思う。「嫌な予感」だから不吉とか、当たる・当たらないで一喜一憂するのではなくて。
大事なとき、大事なことの助けになってくれるかもしれない、ちょっと不思議な自分専属のサポーターとして、向き合えたらいいなぁって思う。
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