【詩】祈る

祈る

ある人は　子どもの健やかな成長を

ある人は　夢が叶う未来を

ある人は　家族の安全を

ある人は　友人の幸せを

ある人は　年老いた父母の健康を

ある人は　最愛の人の冥福を

いくつも　いくつも

尽きない　数々の祈り

どんな言葉で祈ろうとも

人の優しさが　祈りという形をとるのなら

祈りは伝わってゆく　広がってゆく

大海うみも越えてゆく

祈る人は

自身が光り輝き

周囲へも　美しい光を放つ

柔らかな色彩　温かい光

そして光は　光を呼ぶ

次第に光は　増えてゆく

光は光と溶け合い　広がり　膨らんでゆく

大気が清浄になる

人が精妙になる　

やがて光は　地表を覆うだろう

そうしてゆっくり　空へと昇ってゆく

ゆっくり　ゆっくり

やがて　この惑星ほしを　包むほどに　

成層圏までも届くほどに

ああ　それを宇宙から見られたなら

どんなに美しい光景だろうか･･･