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連勤日記 63日目 武蔵嵐山

大阪から埼玉に引っ越してきた。東京の近くならどこでもよかった。無職での賃貸契約が意外と面倒なため寮付のアルバイトを頼り、埼玉県比企郡武蔵嵐山町にたどり着いた。今ここは派遣会社の寮でレオパレスだ。

武蔵嵐山町は(むさしらんざんまち)と読む。関西から来た私は当然(むさしあらしやまちょう)と読んだ。西隣は小川町(おがわまち)東隣は滑川町(とこがわまち)でなんとなく法則性というか地域性を感じる。

ここは自然豊かな場所だ。まだ体が動くうちに日本一の大都会を経験しようとして逆に田舎に移住する結果となった。寮の部屋は1階で国道沿いのためさぞうるさいと思ったが夜中は車が通らないため静かで怖いくらいに暗い。

5月の半ばに生まれて初めてホトトギスを聞いた。清少納言が愛した鳥。昼間はうるさいほど鶯がなき散らしているが夜は寝静まる。午前4時に決まってなくホトトギスがいてかわいいと思っていたのだが姿は見えなかった。

連勤生活をやめて就職する時はこの寮を離れる時だ。武蔵嵐山はベッドタウンでもあり企業誘致もしているため、この街に住み、働くことも可能ではあるが当初の目的通りもっと東京に近い場所を今は夢見ている。

ここで転職と転居どっちが先か問題に突き当たる。正社員への転職は必ず難航し先に転居してその近くで見つかる保証はない。逆に就活中に雇ってもらえるなら引っ越しますは選考時のネックになりかねない。どうしたものか。


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