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これはねこですよろしくおねがいします ~SCP-040-JP 製作ログ その③~

前回までのあらすじ

パチンコに移植されれば大体のホラー作品、怖さ薄れる仮説。

STEP5:製作物のニオイを抑えよう

イベント前日の、カントー行きの飛行機の中で「そういえば『ねこ』を作っていなかった」事実に気が付いてしまいました。嘘です。ねこが出来ていない事実から目を逸らしていただけです。ワンチャン「そう!ねこが見えないんです!このたび無力化されたんで展示してるんですよ~ お判りいただけました?」という小芝居ムーブをかまして乗り切る案もありましたが、「元記事の執筆者がイベント主催なのだし原作に忠実に行くべき」という脳内決議を受け、ホテルについてから大急ぎで「ねこ」を作ります。

出来ました。(画像はイベント後の自宅にて撮影)

材料としては
●習字用半紙
●でんぷんのり
●DIY向け針金10m
●インスタントコーヒー
●筆ペン
●DIY向け万能ハケ
を近所の100均一で調達し、針金で原型を作って、上にでんぷんのりでこれでもかと半紙を貼り続けるシンプルなものです。短時間で完成させる場合はこれでもかとドライヤーの温風を当て続ける作業を追加してください。
私はちょうど平成が終わって令和が始まったころにドライヤーを握って意識を失いかけたので、完全乾燥はできずに生乾きの状態で会場に持っていきました。強度的に不安が残るので、乾かした方がベターです。鞄もしっとりするので精神衛生的にもよろしくありません。

また、「はりこ」タイプの紙製品作成においては、「木工用ボンド」を水で溶いたものを使う作成法も一般的ですが、酢酸臭(酸っぱいようなボンドっぽいあのにおい)が出てしまうので、あえてデンプンのりを使いました。
強度を出すのであれば、ボンドの方がしっかりしているのでケースバイケースだと思います。

と、製作物の臭気ケアも行ったつもりだったのですが

どうやら「茶色いよごれ」用に使ったインスタントコーヒーのにおいなどが奇跡的に混ざって「カビ臭のようなもの」が漂っていたそうです。
においケア、大敗北。
しかし、廃屋からカビ臭が漂うのはリアリティに寄与するので、まぁ悪くはないかもしれません。たぶん一番の原因は生乾きのねこです。よろしくおねがいします。

(実は両面に顔が付いていました。当日展示していたのはこっちの面です。よろしくおねがいします)

STEP6:ライセンス表示は事前に準備しよう

イベント当日となりました。今まで作ってきたパーツを組み合わせて
展示スペースへ配置します。隣のイスの上に置かれているのは「説明書き」で、
●これはSCP-040-JPです。よろしくお願いします。
●中を覗き込んで撮影してみよう!
●SNS投稿歓迎!
という旨の文章を報告書体で記載してあります。第1回参加の時の「撮影OK?」とか「SNS大丈夫ですか?」の質問が多かったことを受けてのモノです。
ただ、分かりづらさが上昇しただけかも知れないので今後は普通の文体を使うべきかもしれません。

で、前回は「朝飯を買ったコンビニでもらった段ボールに書いたライセンス」だったのが「家から持参してきた白ボードにその場で説明書きと一緒に書いたライセンス」となりました。前日になぜ書いてこなかったのか。


さらに言うと、不備に不備が重なって巡回3回目でやっとチェックをいただきました。(まだ書けてない・まだ書けてない・記述が足りてない)
5年前から知ってる記述ルールなのですが、パっと書けるモノではないので
前日に用意しましょう。

他の展示ブースの方は、ちゃんと事前にライセンス表記を印刷されるなどして用意されていました。

STEP7:オブジェクトの脱走に気を付けよう

当日展示していた小屋の内部です。遮光していて暗いので肉眼で見ると「なにかいるな」というレベルで、カメラを用いてフラッシュ撮影をするとこのように「ねこがいる」写真が撮れるというものでした。

小屋は床に被せておいていただけだったので、徐々に井戸とのぞき窓の位置取りがずれて「ねこ」が見えない位置までずれることがあったようです。
もし当日撮影したけど「ねこ」が居なかった方は申し訳ありません。
ミーム対抗策が正常に働いてしまっていたようです。

今回はあまり展示物のそばに居てなかったのですが、果たして井戸の中を撮影された方はどれほどいらっしゃったのか、そして「ねこがいる」事実に気づかれた方がどれ程いらっしゃるのか。今となっては知ることも難しいですが、この展示でニンマリ笑っていただくなどしていただけたのであれば幸いです。

STEP8:帰るまでが収容違反インシデントです

イベント時刻が終了したら、展示も撤収を行います。
イベント会場に宅急便(今回はクロネコでしたよろしくおねがいします)の集荷が来てくださるので、伝票を書いて発払いで送ります。
今回は再利用の予定もないので、その場で小屋を解体して送り返しました。
しかし思った以上に頑丈で時間を食ったので、現場解体はお勧めできません。切りくずなども出るので、現場復帰に時間がかかるのも良くないですね。

また、アフターイベントとして会場撤収後に「じゃんけん大会」が行われていました。展示物を出してらっしゃる方もチラホラいらっしゃったので、サイズが持ち帰りやすければ、このようなイベントに「景品」として提供するのもいいかもしれません。
(SCP-030-JP、何としても手に入れたかったのですが残念…)

小屋の残骸です。無事家に到着したのを確認し、今回の収容違反インシデントの展示参加は終了です。お疲れさまでした。

最後に

前回(第1回)参加した時は「人が来るの!?マジで!?過疎の村のユニークな奇祭くらいの規模なのに!?」とハラハラしていたのも今は昔で、今回の収容違反インシデントもたくさんの方にご来場いただけたとのことです。
すごい時代になりましたね。

展示参加も皆勤賞なサークルさんから、新しく参加されたサークルさん、本職の陶芸家の方(!?)の参加などもあり、とても賑わっていたと思います。

ブースに居た時に「今回規模がコンパクトになったねー」というような声も聞こえましたが、今回からブース規模の1区画が明確に定められたのと、前回は即売会スペースと別れていたのもあって、配置の規模感がコンパクトに見えたのかもしれないかなーと思います。参加サークル数としては前回とそんなに変わっていないと思われます。

また、ステージ参加という新しい参加形態も解禁され、こちらも大変盛り上がっていました。マイクとプロジェクターが使えるとのことでしたので、次回も同じ区分でプロジェクターが使えるのであればパワポ芸映像作品上映など、夢が広がりますね。スライドなら現地に郵送したりする手間もないので裸一貫で乗り込めますし。

次の開催は未定とのことなので、次への参加を検討されている方は是非アイデアを練りつつ、気長に待ちましょう。

最後に、当日体験していただいた方、写真を撮ってくださった方、収容違反インシデント運営スタッフの皆様、ブースにお越しくださった方(ほとんどその場にいなかったのでお会いできなかったかもしれません)。ありがとうございました。
次回開催時もぜひ、よろしくお願いいたします。

この記事内の文章と写真は、クリエイティブコモンズ
 表示-継承3.0ライセンスに従い公開します。
SCP-040-JP「ねこですよろしくおねがいします」(著者:Ikr_4185)
http://ja.scp-wiki.net/scp-040-jp
リンク先のライセンスに尽きましては、
リンク先のライセンス条項を
ご確認下さい。


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