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冲方丁のマイクラ紀行

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息抜きに欠かせないマイクラ。子どもらから色々と教わり、こつこつ作り続けているワールドをご紹介します。
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2020年6月の記事一覧

マイクラ紀行小説 あの小さいやつ

 彼はとうとう全てを掘り終えると、半日ほどかけて山の高台に戻り、自分がなしとげたものを見渡した。壁に囲まれた四角い穴であり、階段であり、井戸であるものだった。夜になっていたが、昼のように輝いていた。  光が多すぎるな。彼は口に出して言った。暗いほうが綺麗だ。やっぱり壁の中は暗いままのほうがよかった。  だがいたるところに光がなければならないことはわかっていた。それがルールだった。彼自身が決めたルール。本当にそうなのか、ときどきわからなくなるが、守ることに意味があると信じること

マイクラ紀行3 階段井戸②

絶望的に終わらなかったマインにしてクラフトも、ついにゴールを迎えんとしています。 やったー、形が整いました。 掘ったなあ、積んだなあ、と、感慨が溢れかえります。 正面の壁はのちほど装飾するとして、モンスターがわきまくるため、ひとまず岩盤の上にシーランタンを並べてみたら意外に綺麗。 おお、美しい…。これが祝福。 最後まで見えないふりをしていた黒曜石をしっかり消します。しかし堅い! ヴェルシールド並か!(だが壊せる) 掘ったブロックを運んできたらオッドアイのニャンコに癒さ

マイクラ紀行2 階段井戸①

砂漠をゆくゴーレムたち。仲間が倒れようとも歩みを止めぬその雄姿よ。 増えまくった村のゴーレムが自発的にお出かけし、近所の砂漠をいつの間にか安全地帯にしてくれたのを良いことに、ではここで何か大きなものを作ろうではないか、と思ったのが運の尽き。 しょっぱなからですが、難事業トップ3に入る「階段井戸」の顛末をお届けいたします。 階段井戸とは、インドやパキスタンなどに実在する巨大な井戸のこと。クリストファー・ノーランの『ダークナイト ライジング』では奈落と呼ばれる監獄として扱われて