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冲方丁 実作集

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ここでは実作例として、過去に発表した作品のうち、書籍等に掲載されていないものを主に公開します。ルビなどの表現については検討中のため、しばしば修正を加えるかもしれませんが、どうかご…
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#マイクラ

マイクラ紀行小説 あの小さいやつ

 彼はとうとう全てを掘り終えると、半日ほどかけて山の高台に戻り、自分がなしとげたものを見渡した。壁に囲まれた四角い穴であり、階段であり、井戸であるものだった。夜になっていたが、昼のように輝いていた。  光が多すぎるな。彼は口に出して言った。暗いほうが綺麗だ。やっぱり壁の中は暗いままのほうがよかった。  だがいたるところに光がなければならないことはわかっていた。それがルールだった。彼自身が決めたルール。本当にそうなのか、ときどきわからなくなるが、守ることに意味があると信じること