見出し画像

鳥とは

哲学的な100の質問』のつづき。
なんのこっちゃと言う方は、一番最初のこちらの記事をごらんください。

003.鳥とは?

わたしにとってはハムであり、ピーコであり、チムであり、チップであり、シロであり、クロであり、チロであり、チビであり、ビチであり、ピーチであり…あっ、やばい名前忘れたやついるな…ともかくわたしが小学二年生から大学二年生までの間飼っていたセキセイインコのこと。
もしくは、小学生の時窓に突然激突してそのまま死んでいったツグミ。
あるいは、幼稚園の時に用水路の石の隙間から飛び出したシジュウカラ。
それから、友達が巣から落ちたのを助け木の実などをを上げて飛び立つまで育てあげたスズメ。

鳥について知っていること。
耳がある。頭にいきなり穴があいている。ヒナの状態だとよく見える。
鳥の間にもいじめがある。夜中にズドーンと音がして見に行ったら、一番気の弱いピーチが突っつかれて下に落とされていた。結構そういうことがよくあり、ふたつ籠を分けていたのだが、こいつとこいつを一緒に入れないほうがいいな…などがあった。
不思議な相性がある。そんなピーチは最も気が強く、物理的にも強く、年も一番上であるハムが唯一心を許した相手で、二羽はなぜかとても仲良かった。
ハムは有精卵を生むことができなくて、中から赤ちゃんが生まれない卵をずっと温めている時期があった。
きっかけはわたしのクリスマスプレゼントとしてやってきたインコだったが、普段の世話をしていたのは父で、インコたちは父が通るときだけは美しく鳴き、わたしが通るときは濁った鳴き声をしていた。明らかに区別する。
インコはずっとしゃべってた。ずーっとおしゃべりしていて、「雪ですけど」って電話で名乗る前からわかるぐらいに、後ろで鳥の鳴き声がずーっとBGMのように聞こえ続けていた。
インコはてこてこと歩くけど、スズメはぴょんぴょんと跳ねるように移動する。鳥の種類によって移動の仕方がちがう。
水浴びが好き。水浴びしているときの鳥の可愛さは異常。ずっと見ていられる。
可愛いからと言ってずっと手の中で抱っこしていてはいけない。鳥の温度は高いのだが、人の手の中にいることでどんどん体温が奪われる。
たまに貝殻の入った白い物体をあげて、カルシウムを摂取するようにしていた。鳥もカルシウムが必要。
死ぬと固くなってしまう。朝起きたらいきなり下に落ちていることがあった。ピーチが死んだとき、ハムはずっと毛づくろいをしていた。
雛にはふやかした粟のようなものに何らかの栄養がある粉みたいなのを混ぜてあげていた記憶。産まれたばかりの時は、母鳥が口の中から食べたものを戻してあげていた。母鳥は警戒心が強くて、どんなに慣れていても、雛を見ようとすると、羽を広げてさっっと隠す。雛や卵をあたためるときにしゃがみこんだ母鳥のお腹の毛はすごく膨らんでいて、とても可愛い。あたたかそう。幸福の匂いがする。
カーテンレールによく飛んでいき、そこで糞をする。カーテンはよく糞にまみれる。
懐いているインコは手を差し出すと甘噛みしてくれる。そのときの舌の感触が幸福そのもの。
いつまでも懐かないインコに噛まれた時は手に穴が空きそう。穴あけパンチみたい。
うちにいたインコは一羽もしゃべるようにならなかった。たぶん、一羽飼いじゃないと結構難しい気がする。何せめっちゃ鳥同士でしゃべってるので…。
羽と爪はたまに切ってあげる必要がある。あと必要があればくちばしの先も。
鏡のおもちゃを入れると、すごく愛し気に話しかけ鏡にくちばしをカツカツやる。
すごく気安く近親相姦する。叔父と姪とか、兄妹とかでめちゃめちゃくっついてしまい、子も生まれた。でもみんなどこかが欠けたりはしていなかった。みんな元気だった。ある日突然くっついてる。そういう仲良さじゃなかったやん!?!?みたいに思っててもくっついてる。
父さんに恋をしているようなインコはいた。ビチ。
一羽だけまったく毛色の違うほんとうに真っ白なインコがいた。チロ。
ペットショップで買ってきて、2週間で死んでしまったインコがいた。チップ。大人しそうだなあと思ってたけど、きっと弱ってたんだろう。
服をくちばしと足を使って上手にのぼって、肩にのってくる。
怒ってると、そのまま首の後ろを噛まれたりして、すごく痛い。
ハムが逃げたとき、小学校のいじめっこ大将的な男の子が一緒に探してくれて、見つけてくれた。
セキセイインコの場合、オスかメスかは鼻の色でわかる。オスは青色、メスは茶色だ。でも、よくわからない白い色の鼻の子がいたり、途中で青っぽかったのが茶色っぽくなったりして、「どっち?どっちなの?」と思ったまま、最後までよくわからなかったやつがいた。
犬好き、猫好き、のように鳥好きはマジョリティじゃなかったので、わたしはインコの雑誌が買える本屋をやたら探しまくって、好きなイラストレーターさんのグッズを買うために初めての通販とかしたりした記憶がある。ちなみに今はインコも文鳥グッズも山ほどある。いい時代だ。
死んでしまった後、時期は違えど、全員おんなじ丘に埋めた。いつか骨を掘り返してしまうんじゃないかと、だいぶ怖かった。
わたしは特に黄色のインコ、ハムが好きだった。調べたら、オーストラリアンパイドグリーンという種類で、それだけでわたしの夢に『いつかオーストラリアに行くこと』が追加された。ちなみにまだ行ったことない。
そもそもわたしがずっと飼いたかったのは猫だった。でも団地暮らしだったから、インコになった。(ほんとうはカブトムシを所望していたが)でも、猫でもなくカブトムシでもなくインコの雛が2羽来てくれたあの日、わたしが欲しかったのはこの子たちだとすごくおもったのを覚えている。12月19日。大人の事情でだいぶ早いクリスマスプレゼントだった。

画像1

今度はとても個人的な思い出の羅列になってしまった。ひさびさにハムが描けてよかったです。黄色に黄緑がとても鮮やかな、うつくしい子だったんすわ…そして、気がめちゃめちゃ、めちゃめーちゃ強かったんすわ…。

いつもありがとうございます。サポート頂いたお金は、創作の肥やしになるものに大切に使わせていただきます。細々とがんばります。