日本の病、無気力症候群とその特効薬
こんにちは、アートナビゲーターのすえPです。今日は、日本人が抱える深刻な問題、無気力症候群とその特効薬についてお話しします。
無気力とは何か？
無気力とは、何に対しても興味や関心がなく、やる気や目標がない状態です。無気力になると、人生に意味や価値を見出せなくなります。他のネガティブな気持ちと違って、私たちに何かを変えたり、成長したり、学んだりするきっかけを与えてくれません。無気力は、エネルギーを奪っていきます。
無気力は、最も悪い気持ちの一つです。なぜなら、無気力は、私たちの人間性を否定してしまうからです。私たちは、感情を持つ生き物です。喜びや幸せ、感謝や愛などのポジティブな気持ちも、悲しみや怒り、妬みや執着などのネガティブな気持ちも、私たちにとって大切なものです。それぞれに意味や価値があります。
悲しみは、失ったものに対する思いやりを表します。怒りは、不正や不平等に対する正義感を表します。妬みは、自分の欠けた部分に対する向上心を表します。執着は、自分の大切なものに対する愛情を表します。これらの気持ちは、私たちに何かを変えたり、成長したり、学んだりするきっかけを与えてくれます。
しかし、無気力は、私たちに何も与えてくれません。無気力は、私たちの感情を消してしまいます。無気力は、私たちを人間でなくしてしまいます。
無気力症候群のチェックリスト
無気力症候群とは、無気力が慢性化した状態です。程度の差はあれど、無気力症候群になると、人生に対する希望や夢がなくなります。
無気力症候群は、誰にでも起こりうる病気です。しかし、自分が無気力症候群になっていることに気づかない人も多いです。無気力症候群になっているかどうか、以下の質問に答えてみてください。
このうち、3つ以上に当てはまる場合は、無気力症候群の可能性が高いです。無気力症候群は、放っておくと重症化してしまいます。早めに対策を取ることが大切です。
日本人はなぜ無気力になりやすいのか？
残念ながら、日本人は世界で最も無気力な国民の一つです。国連世界幸福度ランキングでは、日本は156カ国中121位です。日本人の自殺率は、OECD加盟国の中で最も高く、日本人の生活満足度は、OECD加盟国の中で最も低いのが現状です。これらのデータは、日本人が無気力に陥っていることを示しています。無気力は、子供や学生、主婦や会社員、シニアや全世代に広がっています。
では、日本人の無気力の原因は何でしょうか？
私は、コストパフォーマンスや合理性を追求する教育や社会が大きな要因だと考えています。日本の教育や社会は、結果や合理性を重視しています。利益にならないことや無駄なことはしないという姿勢が、子供たちの好きなことに触れる経験を奪っているのです。
ところが、奪われた経験の中には、人にとって必要不可欠なことがたくさんあります。
それは、
自分の情熱を見つけることです。
情熱とは、目に見えないものですが、人の心を動かすエネルギーとなります。情熱を持っている人は、才能を持っているに等しく、自分のやりたいことや好きなことに没頭できます。情熱を持っていない人は、才能を持っていないのです。
自分のやりたいことや好きなことが見つからないまま、他人の期待や社会の流れに流されていきます。このように、教育や社会の失敗が、日本人の情熱を奪い、代わりに無気力症候群を生み出してしまったのです。
無気力にならないための対策と特効薬
では、無気力にならないための対策は何でしょうか？
私は、結果や合理性を抜きにして、ひたすら頑張る人を見たり、応援したりすることが大切だと思っています。子供には、そういう頑張っている人のことを見たり、本で読んだりする経験が必要です。大谷翔平やヘレンケラー、ボランティアに従事する人を目の当たりにしながら成長することが大事です。
逆に、どれだけ頑張っても打算的に行動する人には感動しないことも、知ってもらう事も大切だと思っています。
例えば、結果が求められるスポーツを見る時でも、勝敗のみに注目するのは良くありません。結果に関係なく、陰の努力や、ひたむきな姿にこそ目を向けるべきなのです。スポーツだけではありません。芸術家は、自分の夢や目標に向かって、汗や涙を流して、努力や練習を重ねています。彼らは、結果や合理性を求めるのではなく、自分の情熱をただただぶつけているのです。
私たちは、そんな彼らの姿を作品に重ねては感動し、自分と重ね合わせては、小さな情熱の炎を心に灯すのです。
一方、打算的に行動する人は、自分の利益や名声を求めて、他人や社会に媚びたり、ごまかしたりします。彼らは自分より弱い人や、立場の難しい人を見つけては、SNSを通じて匿名で攻撃を繰り返し、自分のポジションを保つことに情熱を注いでしまう人たちです。否、これは情熱ではありません、情熱とは才能の異名です。情熱の燃やし方を子供の頃から経験しないまま成長してしまった彼らにSNSという麻薬が無気力症候群に拍車をかける状態、これを私はトランス型無気力症候群と名付けました。
トランス型無気力症候群になってはいけません。トランス型無気力症候群になってしまっては手遅れなのです。彼らは、自分の感情や価値観を失ってしまい、他人や社会に対する敵意や嫉妬を増幅させてしまいます。彼らは、自分の人生に対する責任や選択を放棄してしまい、他人や社会に対する依存や逃避を強めてしまいます。
絵を見ることが無気力症候群の特効薬になる理由
では、無気力にならないための特効薬は何でしょうか？
私は、絵を見ることをおすすめします。
絵から音はなりませんし、光ることも動くことも香りもありません。そこに画家の苦悩する姿もありません。ただ静かに壁に掛かっているだけなのです。
ところがどうでしょうか。
絵の前に立って、心を静かに、ゆっくり、時間を過ごしてみてください。そんな時間を非効率だと、ばっさり捨てさっていないでしょうか。
不要で不急なことにこそ、心を豊かにする秘宝が隠されているのです。
絵を見ることが無気力症候群の特効薬になる理由は、以下の通りなのですが、絵を見る体験を重ねる事が何より大事です。一応補足としてご案内します。
・
絵を見ることは、自分の感性や想像力を刺激します。絵には、画家の思いやメッセージが込められています。それを自分なりに解釈したり、感じたりすることで、自分の感情や価値観を発見したり、表現したりすることができます。絵を見ることは、自分の人間性を肯定することです。
・
絵を見ることは、他人の視点や感情に触れることです。絵には、画家の人生や背景が反映されています。それを知ったり、想像したりすることで、他人の立場や状況を理解したり、共感したりすることができます。絵を見ることは、他人の人間性を尊敬することです。
絵を見ることは、社会や歴史に学ぶことです。絵には、画家の時代や文化が影響されています。それを調べたり、比較したりすることで、社会の変化や歴史の流れを知ったり、学んだりすることができます。絵を見ることは、社会の人間性を敬うことです。
全てを言葉と言う記号で捉えるな。漫然と物事を見てやしないか。
自分のダメなところを受け入れる。どうしようも無い気質を乗り越えた先に個性は光る。
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