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マンション管理組合の役員報酬

管理組合の実質的な活動は、理事会によって運営される。理事会は、理事長、副理事長、理事、監事などの役員で構成される。理事会の役員の選出方法は、それぞれのマンションの「管理規約」に定められている。立候補した組合員が継続して理事長を務めるといった場合もあるが、一般的には1年また2年ごとに輪番制で役員が選出されることが多い。

つまり、誰しもが一定の周期ごとに役員になる機会が訪れるわけだ。

私の場合、入居15年目に役員の順番がきた。

管理組合の理事会役員の成り手不足問題

この管理組合の理事会役員の成り手不足が問題になっている。成り手不足の要因はいくつか考えられる。

まず、「マンションの維持管理への関心が低い人の増加」。月に1回程度開催される理事会の出席が「面倒だから」などと役員の就任を拒む人が増えている。

 次に、「組合員の高齢化」。とくに、築年数の経ったマンションの居住者の高齢化が進んでいる。順番が回ってきても高齢で通院などもあり、実質的に理事会運営に参加するのが「難しいから」と辞退をする人が増えている。

 さらに、「賃貸化による組合員の外部居住の増加」も課題になっている。役員の就任については、マンションの「管理規約」で、「組合員でかつ内部居住している人」と定めている場合が多い。内部居住していないとマンションの課題を共有することが難しく、遠方からたびたび理事会に参加することが実質的に難しい場合があるからだ。賃貸化した外部居住者が役員の輪番からはずれると、内部居住者に頻繁に役員就任が回ってくることになり、不平等だという問題も起こっている。

役員の成り手不足解消策

役員の成り手不足を解消する手立てとして、(1)外部専門家の役員選任(2)役員報酬などが挙げられる。管理規約を改定して、マンション管理士などの専門家に委託して、役員に選任することも可能だ。また、一般的に理事会の役員就任は無報酬となっているが、管理規約を改定して、役員報酬を設定することも可能にしている。最近では、役員に就任しない人に一定の金銭的負担を求める事例も出てきている。

「管理組合の役員報酬・防火管理者報酬の実態について」のレポートによると、役員報酬制度がある管理組合は9.4%。1割近くの管理組合が役員報酬制度を導入していることになる。導入している管理組合の傾向として、築年数が経過したマンションほど導入事例が多くなるという。組合員の高齢化や賃貸化などが影響していることがうかがえる。

ちなみに私のマンションの管理組合では役員報酬制度は導入していないので、まったくの無報酬。

ただ、出席率が悪い理事については、翌年再度理事をしてもらう等の制度があるため高い出席率となっている。

役員報酬について

役員報酬については、「各役員一律」で支給する場合と、固定報酬の事例と会議などへの参加の都度支給する場合で金額が違い以下のとおり。

●固定報酬の年額の平均額:12,130円(月額平均1,011円)
●参加の都度支給する場合の平均額: 1回当たり2,929円

この金額なら役員を引き受けたいというほどの金額ではないだろう。基本的には不平等感の緩和だったり、成り手不足のなかで役員に就任することへの謝礼だったりというレベルの金額設定と思われる。

ただ、副業を認めていない会社の場合報酬を受け取ると副業とみなされ禁止されるケースがでてくる。

わたしも民生委員の引き受け手がいないので会社に問い合わせたところ、簿謝でも報酬を伴うので副業禁止に抵触するとの判断があった。

報酬を支払うことで逆に辞退を増やすことにならないかと危惧する。

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