読書感想文

大学生の頃に書いてた読書感想文。
下書きでおねんねしてたね


私は昔から、自分が読書感想文を書くのも、他人の書いた読書感想文を読むのもどちらも好きだった。私の通っていた高校では、コンクールに出されたり先生に選ばれたりするような出来の良い読書感想文はまとめて冊子になって配布されるのだけど、毎年その時期を待ち遠しく感じていた。

それなのに大学生になってからは、めっきり読書感想文に触れる機会がなくなった。

それは考えてみれば当たり前なことだけど、読書感想文ラバーな私からしてみると、「大人になるってこういうことなのかなぁ…」なんて感傷に浸ってしまうほどに、その事実が悲しかったりするのである。

なので、ちょっと久しぶりに書いてみようと思う。多分、中・高生の頃に書いていたようなものとは違ってしまうんだろうけど、その時々の自分を等身大に映すというのも読書感想文の醍醐味のひとつであると信じているので、思うがままに書いてみる。

めちゃくちゃ前置きが長くなったけど、
角田光代『くまちゃん』を読んで。

私は、人間関係の中でも、恋愛というのは異質なものだなと折にふれて思うことがある。だって時間に区切りをつけて、付き合い始めたり別れたりするなんて絶対おかしい。家族は生まれたときから家族だし、友達は気づいたらもう友達なのに。

そしてやっかいなことに、区切りをつけて別れるというのは、想像以上の痛みを伴うのである。勘違いでなければ、この痛みの鋭度は年々増しているような気がする。子供の頃に言いがちな「もう今日から絶交ね!」なんて可愛いものだ。もう可愛すぎてまるごと抱きしめてあげたい。

どうして大人になると、人は他人に執着してしまうのだろうか。この執着こそが痛みの原因なのだと私は思う。よく分からないけど、「愛着」が「執着」に変わるタイミングが人生の中にはあるんだろうかとも考える。大切にしていたくまのぬいぐるみを親に捨てられて泣きじゃくっていた少女が、大切な人に大切にされずに静かに泣いてしまうような女性に変わるタイミングがあるのかもしれない。それは多分季節が夏から秋に変わるみたいに少しずつ、でも確実に変わっていくんだろうと思う。

最近は図らずして恋愛小説ばかり読んでいるけど、少々、胃もたれがしてきた感がある。今後はもう少し違うジャンルも読んでいきたいな。

最後に余談だけど、最近、角田光代の「太陽と毒ぐも」も読んだ。これも恋愛短編集。個人的な感覚だと、こちらの方がライトですらすら読める。どこか困った癖だったり性格、信念をもつ恋人にまつわる話がいくつかあるんだけど、そのどれもが極端すぎて「それはないだろう!!!」ってツッコミたくなる。でも多分本質はそういうことなんじゃなくて、お互いの価値観や性格をどこまで許せるか、何を自分は許せないか、その境界線は案外簡単に崩れてしまうものなのだということ。完全完璧なカップルなんていない。恋は盲目なんて言うけど、そんなぬるいこと言ってんじゃねえ!!!って叫びたくなった。それはちょっと嘘。あ、あと、最後の話の男も女もどっちもウザすぎて(口悪くてウケる)、思わず本閉じちゃうくらいだった。こんな経験初めてだったよ。ちなみにこんなに感想つらつら書いたけど「くまちゃん」の方が面白かったです。

以上。

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