デキモノに翻弄された数日間
ここ数日Twitterで騒ぎ散らかしていたので皆さん知っていると思いますが、たった数日で病院のお世話になる羽目になった私の体験を綴りたいと思います。
ある日の入浴中、鼠径部にちょっと大きめのニキビが出来ているのに気付きました。
でもこの時は、「あ、またニキビ出来てる」くらいにしか思ってませんでした。
というのも、昔から体質的にも体系的にもとにかくデキモノが出来やすかったから、今回も(しばらくしたら治るだろう)程度にしか思ってなかったのです。
翌日、更に大きくなっているニキビ。
(うわぁ、凄いでかくなってきたなぁ…自然に治まる前に潰れちゃうかもなぁ…痕残るの嫌だなぁ)
と、ここまでは時々起こっていたので、特にそれ以上何も思わず普通に日常生活を送っていました。
この時点では特に痛みも痒みもないし、普通にしてても違和感も感じませんでした。
が、翌日、変わる日常。
(あれ?痛くね?てか、デカくね…?!)
あからさまに痛い。昨日の更に倍くらいデカイ。起き上がったり、座ったり、お腹で圧迫される体勢になるとズキズキ痛い。
こんな事は初めてで、この時頭によぎった単語【粉瘤(ふんりゅう)】
簡単に言うと、ニキビのような吹き出物だけど、中に袋状の嚢胞が出来てしまって、その中に膿やら老廃物やらが溜まってめちゃくちゃに痛くなる症状。潰れてその場は治まっても、嚢胞は自然治癒しないから再発させない為に病院で切開して嚢胞を除去する必要があるのだ。
病院+切開 =痛い
絶対病院行きたくない。
でも痛いし、なんなら具合も悪い。痛みのせいか頭痛までするし、食欲も湧かない。
さすがに佐藤くんに言わないわけにいかず、症状を打ち明けると
「病院行った方が良くない…?え?大丈夫?何か大きい病気だったらどうするの?!」
ごもっともである、ごもっとも過ぎるのである、
でも病院怖いのである。
とにかく明日まで様子見る。ダメなら仕事帰りに病院に行くという事にした。
その日は頭痛と患部の痛みと倦怠感でほぼベッドから動けず
あまり食欲も湧かなかったのでゼリーとかを食べた。
一日様子を見るも、夜になってもやっぱり痛い、というかどんどん痛みが増している。トイレの為に座ったり立ったりする度に「イテテテテ…」と声を出す始末。
「なんか薬買ってこようか?」という佐藤くんの優しさに甘え、薬を買いに行ってもらうも、やはり状態的に病院に行った方がいいと言う薬剤師さん。せめてもとバファリンと、赤ちゃん用の皮膚炎塗り薬を購入してきてくれた。
(頼むから治まれ)と半ば脅迫する勢いで塗り薬を患部に塗りたくり、バファリンを飲んだ。なんだか少し痛みが和らいだような気がした…。
翌日
患部に触れないレベルで痛い。撫でるだけで痛い、なんなら何もしてなくても痛い。あからさまに腫れ上がっていた。
「あー、これあかん、痛すぎる、無理、とりあえず仕事頑張って様子見を…」
何度でも言う。
病院+切開=絶対痛いのである。
寝返りすらまともに打てないレベルの痛みに達していたが、
とりあえず仕事に穴を開けるわけにいかないので仕事へ行くことに。車の揺れが私を殺しにかかってきていたが、耐えた。とにかく耐えた。頼むからもういっそ破裂してくれとも思いつつ不安でいっぱいの胸と膿でいっぱいの鼠径部を抱えて現場へ。
現場に到着し、車から降りる時、圧迫していた患部が解放された途端ズキンズキン痛み、「ぐふぅ…いてぇ…」と呻いて立ち尽くした。
仕事の準備は佐藤くんが全部やってくれた。
座るのももちろんのことだが、しゃがむ、脚立に登るのも当たり前のように痛いので、とにかく仕事中はずっとバファリンを飲みつつヒーヒーしながらの作業に。
奇跡的に早く終われる現場に当たったため「まだこの時間ならギリギリ開いている病院あるかもしれない。どうする?」という佐藤くんの問いに、まだ粘ろうとする愚かな私。
病院+切開=なのである。
改めて症状をGoogle先生に聞いてみるとやっぱり粉瘤の可用性大。
そして見つける1文
中で破裂し、そのまま放置した場合壊死する
「病院へ、連れて行ってくれ。」
そして家の近くの病院へ。
この時もはや普通に歩く事も出来ず、ちまちま歩きながら「痛い…痛い…」と呟くヤバい人間になっていた。
問診票を記入し、1時間ほど待ち、診察室へ。
優しそうなおじ様が、
「どの辺に出来た?ちょっと見せてくれる?」
と聞いてきた。
当たり前だよな。そりゃあ、見せるよな。
私は入室5秒で即羞恥を晒す事に。
たおる「2日前くらいから、痛いんです…あの、すいません…ここ…なんですけど、」
ゆっくりズボンをズラしていく(痛くてキビキビ動けないだけ)
先生「ちょっと恥ずかしいとこに出来ちゃったんだねぇ」
たおる「はい、自分じゃまともに触れなくて、どんな感じになってますか?」
先生「あー、凄いねこれ、痛いねぇこれは。破裂しそうだもう。」
たおる「うわぁ…すいません」
大丈夫。病院での会話です。普通の会話です。
「時間的に今から手術出来ないから、別日にしましょう。いつ来れますか?」
え?手術…?やっぱ手術なの?
なんかこう、医療の進歩とかでめっちゃ治る塗り薬とかあるんじゃないかなって期待したよ?
塗った瞬間あれ?痛くない!!翌朝には痛みが全然無い!凄い!みたいな。
「仕事休めないので、明明後日で…」
というわけですぐに手術の日程も決まってしまいました。
その日は軟膏と飲み薬を頂いて帰宅。
とにかく、痛いだろうけど更に菌が入ったりしないよう患部をよく洗うようにとの事。
やっとの思いで帰宅し、シャワーを浴びるも、身体を伝って流れてくる石鹸も染みる。当然触ると痛い。けど洗わないといけないので
ヒーヒーフーフーしながらそーーっとそーーっと洗う。
その時気が付いたけど、どうやら腫れすぎて薄皮が剥けてしまっているよう。(これは染みるわけだわ…)と思いながらなんとか洗って、軟膏塗って、就寝。
翌朝、また痛みと共に目が覚める。
布団をかけ直そうと布団を持ち上げた瞬間
くっっっっっっせぇ!!!!!
え?!?!何これ?!くっっっっさ!!!!!!
見るとズボンに染みが。
とにかくとてつもない悪臭がする。
そう。破裂したのである。
横に寝ていた佐藤くんも私の渾身のくっっっっさ!!!で目が覚めて
「うわぁ!!拭いて!!拭いて!!大丈夫?!」
とティッシュをクリネックスのCMくらいわっさわっさ出しながら大慌て。
多分大さじ3杯くらいは膿出たんじゃないかな…?体感。
とてつもない悪臭と破裂したというのにちっとも痛みが楽にならない患部でもはやイライラしながらトイレに行ってティッシュで拭い、落ち着いたところで病院に電話をかけることに。
とにかく患部をよく洗い、膿を絞り出せ、軟膏を塗れとのことで、今度は絞り出す事に。トイレにこもって痛い痛い言いながら膿をなんとか絞る…。
この後仕事だというのに、身体からずっと膿の臭いがして不快感が半端ではない。先程着てた服からも凄まじい膿の臭い。すぐ洗濯した…。
何とか、濡れタオルで患部を拭いて、軟膏を塗り、ガーゼを当てて、服も着替えたのに、仕事に向かう車中はずっと膿の臭いがしていた…。
膿って凄いんだね…
仕事中も定期的にガーゼを交換して、清潔を保ってたけど、今度は破裂した事で傷になったところが刺すようなズキズキ感に変わっていた。
それでも、膿が出た事で腫れがだいぶ収まり、多少動きやすくなったのは救いだった…。
そして、なんとか迎えた手術の日。
私はずっと「手術嫌。手術嫌ぁ…嫌だァ…」と呻いていた。
佐藤くんに付き添ってもらいながらなんとか受付を済ませ、待合室に。
しかし、その日は激混み。
全然席が空いてない。
どうしようかなぁと途方に暮れていると
「たおるさーん」と看護師さんが声を掛けてきた。
「席座れなくてごめんなさいね💦今日物凄く混んでて、予約の時間も凄く押しちゃってるんです💦良かったら付き添いの方も大丈夫なので、手術室でお待ち頂いても大丈夫ですか?」
ん?手術室で?
聞き間違いかな?と思いつつ「はい!大丈夫です!」と答えるコミュ障たおる。
おずおずついて行くと紛うことなき手術室。
「今椅子用意しますねー!」
とニコニコしながら椅子を持ってきた。
え、何?なんの拷問?
普通、こう、呼ばれたあとドキドキしながら入室して、うわぁ…これが手術室かぁ…とか思ったりしながら、あれよあれよと手術へ
みたいな流れじゃないの?
お前これからここで捌かれるからよろ✋みたいな感じで目の前に処刑台置かれた気分だよこっちは。
こじんまりした部屋に器具洗う場所、薬やらガーゼやらが詰まった棚、真ん中にドンと鎮座するベッド、ベッドの上には照明。
紛うことなき手術室です。枕カバーが、ディズニーツムツムの柄でした。可愛いとか思う余裕も無かったけど。
「エアコンとか好きに弄っちゃっていいですからね!なんかあったらナースコール押して下さい!」
と部屋を出ていく看護師さん。
「たおるちゃん大丈夫?wwwごめんwwww本当に可哀想なのにwww何この拷問www」
と秒で気温を23℃に設定しながら笑う佐藤くん
「えwww待って無理なんだけど?wwwなにこれwwwこんなことある?www」と笑えてくる私。
なかなかゆっくり見ることのない手術室をぐるぐる見回していると、看護師さんが戻ってきて、
「たおるさん、もう少ししたら先生見えると思うんで、ベッド寝て準備しちゃいましょう!」
「あの、僕、始まる前に退室した方が良いですよね?」
「ここに居てもらっても大丈夫ですよー!励ましてあげて下さい!」
あ、何、しかも見られんの?
見られながら手術なの?
私は佐藤くんに見守られながらベッドに横になりました。
佐藤くんと私の位置はこんな感じ
恥ずかしいわ!!!!!!!
しかし、そうも言ってられず、私はズボンとパンツを少し下ろし、
佐藤くんに鼠径部を見せつける形でセット。
足に毛布を掛けられ、シートをセットされたり色々準備をされる。
「私、痛いの本当に無理なんです…麻酔、痛いですよねぇ…?」
と恐る恐る聞くと
「麻酔ねぇー!痛いんですよねぇー!でも大丈夫大丈夫!リラックスですよ!力入っちゃうとね、筋肉が締まっちゃって余計痛いんで!でも難しいですよねー!w」
私は知っている。大して痛くない時は「そんなに痛くないよ」って言ってくれる事を。言ってくれない時は痛い事を。
終わった。何もかも。思ったより痛くないかもよ!なんて佐藤くんに励まされた事も、確かにそうかも!医療の進歩ってすごいし!って言い聞かせてた私の気持ちが崩れ去って言った。
痛いんだ。今日の。
「もう少し待ってて下さいね!」
そう言って看護師さんが去り、私達は残された。
静まり返る手術室。
鼠径部を見せつけたまま震える私。
改めて状況の異様さに「なんだよこれ、新手の風俗やん…」とひとしきり笑ったあと
別室からは子供のギャン泣きする声が響いてきて
「ふざけんなよ…私だって泣きたいよ。泣くぞこら。」と感情の振り幅がだいぶ大振りになったところで先生がやってきた。
「破裂しちゃったかー、ちょっと見せてねー。」
「先生、あの、痛いの本当に怖いんです…」
「ははは…痛いの怖いかー。頑張ろうね。じゃあ見ますねー。これ痛いかなー?」
ぐい(佐藤君いわく患部にピンセット突っ込んだらしい)
目の前の医者を殴り飛ばしたくなるくらい痛かったが、たおるちゃんは大人なので泣き声になりながら
「い、痛いですぅー!」
とヒンヒン喚くことしか出来なかった。
というかいきなり過ぎませんか?もっとこう優しく出来ませんか?
「痛いかーじゃ麻酔しようか。」
プス
「うわぁ…痛いぃ…」(そんな痛くないけどすぐ痛い言わないとマジで痛い思いするからなぁ)
ほら、見てごらん?ここが傷口。とか呑気に佐藤くんに見せる医者。
グリグサーーー
「いったい!!痛い痛い!!痛いですぅぅ!!!」(何してんだそれ!痛えバカ〇すぞ!!何でもっと痛くすんだよこいつ!!)
(ここで佐藤くんがそっと手を握ってくれましたが、怖過ぎて捻り潰す勢いで掴んでました。)
「痛いか。麻酔もう一本」
プス
「どうかな?痛い」
「あぅ…い、痛い…かも」(痛くないけどもう痛いって言いたかった)
グリグッグーー
「いやぁ!!痛いー!痛いーー!痛いですぅぅぅぅーー!」(プスのあとのそれなんなんだよ!!痛えなこの野郎!やめてください!!死んでしまいます!!!)
「頑張ってねー、もう少しだよー。」
グイーー!グリグググ!グッグーーージュゴゴゴゴゴッ$€々€<%・・*<・:♪€3×÷×(膿を吸い出す音)
「痛いーー!痛いーーー!うわぁぁー!痛い無理ぃぃー!痛いですーー!痛いですーーーー!!」(来世人に産まれると思うなよこの野郎!!!)
グリグリグリ!(ガーゼを突っ込まれたらしい)
「痛ぁい…うぅ…痛いぃぃ…ううう…」
「はい、終わりです!頑張ったね!」
「たおるさん頑張りましたねー!」
「終わりですかぁ…?ありがとうございましたぁ…うう、痛かったぁ…」
(礼儀は大事)
耐えていたつもりだったが
びしょびしょに泣き腫らしていたのだった。
佐藤「なんかもう…凄かった…血だらけだった…」
佐藤くんは放心していた。
こうして、無事手術を終え、薬を処方してもらったわけだが、今回の事は何が原因かというと、どうやら毛穴に雑菌が入ってしまった事が原因らしい。心配していた嚢胞は形成されてなかったので、切る手術まではしなくて済んだが、膿を出し切るために患部をピンセットで広げたよう。
塗り薬と抗生物質と痛み止めであとは何も無ければこのままもう来なくて平気だよ!と言われホッとしました。
現在2ミリ程度の穴が開いていて、そこにガーゼを詰め込んだので、夜お風呂に入る時に抜けとの事。
どんだけ詰め込んだんだよ!!!!
みんなもこれからの季節、毛穴への雑菌は気を付けようというお話でした。
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