芸歴2年、3000円のチケット


学生時代に某ケーキチェーン店でバイトリーダーを務めていたお陰か、その歳の割にはしっかりしているねと褒められる事が多いです。

なので有難くも、
26~27歳ぐらいかと思っていました!芸歴もっと長いと思ってました。と言われる事がとても増えた。

謎のベテラン感が漂ってしまう事に、
良くも悪くも私自身の実力と知名度が全く追いつかない。イキっているだけの初心者なんです。


私は実は、アイドルになってから思ったより日が浅い。

長いのはきっと、「アイドルを夢見ていた時期」。
物心ついた頃からアイドルになりたくて、
本気でアイドルになるぞ!!と思ったのは12歳。


私は昨年、
「アイカツに出会ってアイドルになった私は、アイカツに出会った事を後悔していた」

という1作目のnoteを出しました。
(プチバズりありがとうございました)

そのnoteにも書いてある通り、
私はアイドル歴は短いが、
アイドルを想い続けて、
アイドルを研究していた期間がめちゃくちゃ長い。
オーディションに落ち続けてきた年月が長い。

なので、
アイドルを想い続けてきた期間が長いが故に、
この短期間で想いが爆発していると考えていただいた方が早いと思います。

2023年7月末からソロ活動を始めて、
今月で約半年。
この半年で、全て初めて1から
ワンマンライブ、主催対バン、オリジナル曲を出してカラオケにも出したと思うと、
爆発の仕方も末恐ろしいですが、いつも見守って下さりありがとうございます。
無事、免疫力が下がり今コロナウイルスとインフルエンザのダブル感染の中、このnoteを書いています。


私のステージデビューは2021年の秋。
私は普段ここから2年としていますが、

親密に言うと、契約して事務所に入り
ちゃんとしたグループデビューを大々的に果たしたのは2022年4月下旬。

そこから数えると2年にも満たず1年9ヶ月。

今が23歳なので、
21歳の時のデビューとすると、
少々遅咲きなので、

「それよりも前があるんじゃないか」
「前世を隠したいから言わないだけじゃないか」と言われる事が最近あったり、思われていたりするのですが、

1作目のnoteにある通り、「無い」のです。
もっと正確に言うと、
「何度もデビューし損ねている」。


まず私は、親から芸能活動を大反対されていて、
懲りも無く親に無断でオーディションに応募し続けて落ちてを繰り返し
(未成年者は親の承諾が無いとオーディションを受けられません!真似しないでください)

ようやく「勝手にしなさい」と呆れられたのが
19歳の秋。

そこから、
とあるオーディションサイトを見て応募して
人生で初めてオーディションに合格したのが
19歳の冬。
人生で初めて受かったのがこのオーディション。
「私もやっとアイドルに…!」と思った矢先、

デビューライブは中止、
活動の目処が一切立たなくなり、
活動自粛に追いやられ、未来が見えなくなった。

2020年4月、
コロナウイルスの大流行でした。

初めて踏み入れた地下アイドルの世界で、

どうしてライブが開催できないのか、
コロナ禍で地下アイドルのグループが軒並み解散とか、
経営困難がどうとか、
当時は大人たちの言ってる事が1つも理解できなかった。

世界的パンデミックに理解が追いつかず、
ただ「私はまたアイドルになれなかった」という
虚しさだけ残った。

運営側から「暫くはデビューの目処が立たないので、とりあえず配信していてください」と指示を受け、

あまりにもアイドルになりたかった私は、
頑張ればデビューできると信じて、配信をし続けて、倒れて杖生活になり、

馬鹿な事にそのまま1度フェードアウトしてしまった。

というか、するしか無かった。

デビューの目処が立たない、一体どうしたら良いのか。
考える能力も、スキルも今より無かった。

私は何も持っていなかった。
芸歴無し、トークスキル無し、
何をしようにも、やり方が分からない。

家から出られず、大学も閉鎖。

当時の何も持っていない私が出来た事は、

辛うじて営業しているケーキ屋アルバイトへの出勤と、配信活動で歌い続けることだけ。

20歳の誕生日は、小さな配信活動の中で、
視聴者に見守られて迎えた。


そうして、

「何をしたら良いか分からない」
「何も出来ない」
「何も持っていない」という、

虚しくも無駄な期間が暫く続いた。

私のXのアカウントが2020年11月から存在するのはそういう事だ。

2021年、若干動きが取れるようになって来ていたと思う。

様々なアイドル事務所の話を聞いて回ったり、オーディションも受けた。受かったりもした。
しかし、今思うと何処もコロナの影響を受け、上手く回っていないように感じた。

素人の育成に使う時間やお金や余裕は無い時期。
急な対処に追われている時期。

当たり前だと思った。まだ歌もダンスも苦手だった。ダンスは特に苦手で、何も実らなかった。


マスクや除菌の感染症対策をすればイベント開催は大丈夫、という時期になると、
撮影会というものに初めて出てみた。
配信アプリも増やしてみた。
YouTubeチャンネルも始めてみた。

それでも、
19歳まで親に反対され続けて、
コロナ禍で1年以上無駄にしてしまって、

21歳になっても、「地下アイドル」でも
デビューができない。

自分より若い人が増え続ける。

私が何も出来ないうちに、
私より何個も年下の子が同じスタートラインに立とうとしている。
同じオーディションに応募している。

どうしたら良いのだろうか、
私はどうしたらアイドルになれるのだろうか。

今思うとどうしようもないご時世だったが、
当時の私は死ぬほど焦っていた。

「でも何とかアイドルとしてステージに立ちたい!!」と思った。

ふとその時、
「このご時世でどこにも立てないなら、
自分で作って立っちゃえばいいんだ」
と思いついた。

「ステージ 演者 募集」で検索し、
ダメ元でソロアイドルとしてエントリー。

2021年9月、池袋のライブハウスで
初のステージデビューを果たした。


当時の写真です。自作衣装なので衣装代は2000円ぐらい。スマイレージさんみたいな衣装を着てみたくてこうなりました。
当時のライブ写真を撮っていてくださった方に感謝です。

今思えばこれが私のセルフプロデュースの始まりかもしれない。

この時点で皆さんが違和感を覚えたかもしれないので自分でも書きますが、
「こんなにオーディションに落ちまくっててコロナ禍もデビュー困難になって、
何度もデビューし損ねてステージに立てなくて、
そこでアイドルを諦めるんじゃなくて、
最終的に自分で無理矢理立っちゃうんだ…」
という自分の「アイドル」への諦めの悪さに、
自分でこれを書いていて引いてしまっています。
そのぐらいアイドルが好きなんだねってことにしてください。


自分で勝手にダメ元でエントリーして、
ラッキーなことにステージに立たせて貰えた。

まともにダンスレッスンも受けた事が無い、
まずステージに1人で立った事なんて無い。
今当時の動画などを見返すと、
とても見れた物じゃない。

でも「アイドル」を名乗ってステージに立ったのはこれが初めてで、
ステージで歌うのが夢だった私は、
「やっと叶えたな」と感動でいっぱいだった記憶と、
あんなに緊張していたのに、
出番が終わって「楽しかった〜!!」と思いながらご機嫌で捌けた記憶が強く残っています。


1つ前のnoteで

「自分が商品である、という自覚を持った人は、
その瞬間からアイドルであって良い、特別であっていい、
アイドルを名乗る資格があると考えている」と書きました。


私はグループでデビューする前の
このソロ期間に、
当時同じライブに出演されていた大先輩から話していただいたこの言葉を、ずっと頭に置いている。

「このライブのチケットはドリンク代を入れて3000円で、
今日客席にいたお客さんは、3000円も払って私たちのライブを見に来てくれている。
これって凄いことなんだよ。
3000円あったら、もっと良いアイドルの対バンライブが見れるかもしれないのに、
私たちを選んで観に来てくれている。」


当時、この言葉に物凄く衝撃を受けた。

考えた事が無かった。
お金の有難みは分かっていたけど、
同じ金額でもっと有名なアイドルさんのライブが見れるなんて。

その時初めて、
「私は3000円という価値を付けられている」
という自覚を持った。

この言葉から改めて、
「演者として認識されているって、こういう事なんだ。
私はチケット代3000円を払って頂いているアイドルなんだ。」
と、
自分が何者であるか、
自分はここで何をするべきなのか考えられるようになり、自覚を持つことができた。


だから私は2022年では無く、
私はその2021年9月から芸歴を数えるようにしてみています。


ここまで書いていて、
改めて地下アイドルカルチャーは凄いと言う事と、

やっぱり何が正解か分からないなと思ってしまった。

グループに入ったらアイドルなのか?
事務所に入ったらアイドルなのか?
3000円で見れるあの公演に出演されていた先輩方の歌声とパフォーマンスは、今でも耳に残るほど綺麗で、今でも鮮明に思い出せる。

あんなに歌が上手くて可愛くても、パワフルでも?
お金を払う価値がある!と感じても?


契約書にサインしていなくても、
正式に契約をしていなくても、
「じゃあ2週間後からアイドルを始めてください。それまで自主練しててください。」と、
面接から数週間でステージに立たせる事務所も多く存在する。

デビュー出来なかった期間、
面接やレッスンに参加して実らなかった期間にはそういう物も見てきた。

誰でもステージに立てる時代になってしまった。
誰でも運営ができる時代になってしまった。

だから良くも悪くも「自分もやってみようかな」と思えてしまって、
そういう人たちが面白いものを作り上げては消して、また作り上げていくのだと思う。

こんなにも簡単に、
「今日からあなたはアイドルです」
が出来てしまうならば、

何がアイドルなのか、自分の中で考えていなければならないと思う。

私でも自分で曲をリリースできてしまうのだ。
私でもJOYSOUNDから配信できてしまうのだ。
私でも世界から支持を受けて、
チャートインできてしまう。

これが「私でもできる」と分かってしまったら、

どこからがアイドルの線引きになるんだろう。

だから私は、
「自覚をする」ことで、

「私はアイドルです」と名乗る。

じゃないと、
誰がアイドルか分からなくなってしまう。

応援している人も、
何を推しているのか分からなくなってしまう。

そんな時代だからこそ、
誰がアイドルなのか分からない今、

考える事を辞めたくなくて、
どうしたら「あなたのアイドル」で
居続けられるか考えています。

あなたが私を「アイドル」として崇めてくれている以上、私はその「アイドル」で居なければいけないから。
そこに価値が発生して、「3000円のチケット」と同じで

「今日も推しがいるから頑張らなきゃ」
「今度推しのライブがあるから生きる」
「今日の夜の推しの配信まで頑張ろう」になるから、

「推し」になる というのは、
そういうことで。

あなたの支えでありたくて、
あなたに愛されたくて、
その愛を何百倍にして返したい、
歌が大好きな私というアイドルは、

どうしたらあなたと相思相愛でいれるかなぁ、
あなたの自慢の推しになれるかなぁ、と思いながら、
これを書いてみています。

一先ず、このコロナとインフルで上がった熱を
そのまま音符にしてみようかなぁと思います。


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