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カラーとモノクロ 5

油彩、水彩、アクリル、日本画、ペン画など、同じ絵画的要素の絵を描く人々はなんとなく集まります。油彩は油彩のグループ、水彩は水彩のグループ。もともと絵画教室の仲間や卒業生がサークルを作ることが多いです。

もちろん、同じサークルの中にいろいろな画材で描かれた作品があって、仲良くやっているところもある。画材にこだわらずにひとりの人がいろいろな様式の作品を生み出すこともある。それは自由でいいと思います。

サークルの中で、人柄の好き嫌いがあるのは仕方がないことです。仲良くできないで、追い出される人や追い出す側の人も出てきます。傷つけ合うことをやめられないのが人間です。
サークルの内側でさえそれなのですから、外の人に対してはどんな感じでしょう。

たとえば市の芸術祭や、公募展などに出品すると同じ「絵画」「美術」というジャンルに数えられます。
そのときは、仲が良かろうと悪かろうと、同じ会場に展示するわけです。

一般の愛好家は、好きなように見て回ります。感嘆したり、楽しんで帰ります。
しかし内側にいて、絵画的な見識が高い自分たちを気取っていると、嫌いな人の作品をけなしたり、見ることもしません。

私はそれはどうかなあ、と思います。
まあ、個人の自由だけれども。
嫌いな人の作品からは学ぶことはないのでしょうか?
どんな作品からも学ぶことはあると思っています。ほんの小さなことでも。なぜなら相手は自分ではないので、自分と同じものを描いても、同じにはならないからです。

横道にそれますが、たまに外を見ていると、近所の奥さんが窓磨きをしていたり、庭の手入れをされているのが目に入り、「自分も頑張ろう」と思うことがあります。

普段は窓磨きなんかやらないんですけれど、お向かいさんがやっているのを見ると、自分もやらなければ、なんて気づきになったりします。

隣の方が家のまわりを清掃しているのを見ると、自分の家の周囲も散らかしておいてはいけないな、なんて。枯れ葉やゴミをそのままにしておくと、風で飛んでいって、せっかく掃除した隣の玄関先へ、なんてことになったら申し訳ないような・・・・・・。

そういう、近しい他人がしていることを見て、気づきを得て自分も動くということがある、と思うんです。

同じように、芸術の世界なども、他者の作品を鑑賞すると、気づきがあったり学びがあったりすると思うんです。
心が動かされて描きたくなったり、自分も頑張ろうと思ったり、しないのかな?それもまた個人の考え方だし、自由だけれども・・・・・・ね。


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