メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん―古典から東洋医学を学ぶ―』創刊号バックナンバー ご挨拶

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  東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん―古典から東洋医学を学ぶ― ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆      

  ○ ご挨拶

 こんにちは。これから東洋医学の古典『東医宝鑑(とういほうかん)』を
 詳細に読み解いていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 (短っ!(笑) 後が長いのでご挨拶は簡単に…)

  ● メルマガ発行の経緯・趣旨

 今回は初めですので、本文を読む前に、簡単にこのメルマガの趣旨や目的などを書いてみたいと思います。まずはマガジン発行に至った経緯と主旨です。 
 最近、韓国ドラマやコスメなどの影響もあってか『東医宝鑑』の名前を方々で目にすることが増えてきました。

 刊行後に日本に渡って以来、日本でも非常に珍重されてきた著ですが、現在ではその名前のみが独り歩きして、そこに何が書かれているのか、また反対に、何が書かれていないのか、実際にお読みになられてご存知の方は案外少ないのではないでしょうか。また、直接読んでみたいプロの方でも、原文の取りつきにくさに難儀をしている方が多いのが現状ではないかと思います。

 現在までに、私が知る限りで東医宝鑑の現代語訳書が一点発行されていますが、内容の省略が多くあり「完訳」とは言えず、また記述内容を検討しますと、誤りが少なからずあるようです。そこで浅学ながら私が全体の翻訳を志し、さらにこのメルマガの配信を企画するに至りました。

 実は既に翻訳を掲載するサイトを立ち上げましたが、日々の忙しさに紛れ、なかなか思うように翻訳とアップロードが進まないでしまっています。
 アップロードしてもご覧いただけているかわかりにくいホームページやブログに対して、メールマガジンは配信した瞬間にお届けしお読みいただけ、
 また内容の変更ができないという緊張感があり、さらにある程度自分で決めた配信頻度での締め切り効果も自演することができ、それら緊張感の中に自分を追いこむことができます。

 そして一番の大きな理由は、断片的なお届けでもお役に立ちたい、という点に鑑みての配信です。

 東医宝鑑は全体が大部なもので、翻訳に生活時間の大半を注いで進行させたとしても、完成、出版までに十年単位の時間が必要です。それまでご所望の方にお待ちいただくよりは、断片的にでも直接お届けしていくことで、執筆すればした分だけ、即座にお役立ていただくことができます。言わば翻訳
 執筆の過程を大公開してしまおうという、太っ腹の(?)企画になります。

 東洋医学に関しては、ある程度学習が進んだら古典に直接参入して自身と自身の力を磨くことが重要になって来、それが人間としても臨床としても潜在的な底力を養う王道のひとつと思いますが、一見日々の生活や臨床に直接、即座に役に立つように思えない気長な作業を継続するのは難しく、お忙しい方には、なかなかそこまでの時間を捻出しにくいのではと思います。そこで、この分野に携わる方へ、古医書の読解演習から臨床までのお力添えになるようにという気持ちも込めて、このようなメルマガの配信を企画いたしました。

 また、体裁としては原文から掲載するかなり固いマガジンになりますが、本文の翻訳に加えて、東医宝鑑やそれにまつわる周辺の話、東洋医学の話、また人気の韓国ドラマなどについても随時コラムを掲載していく所存ですので、本格的に原文を読まなくても、翻訳部分だけ、またコラムだけでも気軽にお読みいただけるような内容にしたく、

 全体で、臨床に携わる方、古医書の読解を学びたいプロの方から、興味が持てる内容での漢文読解情報として、またちょっと東洋医学についてかじってみたい方、また韓国では今でも新しい薬品やコスメを開発する際に、東医宝鑑を典拠にすることがありますので、韓国コスメの新開発を目論む方(?)などまで、幅広くお読みいただける内容を目指したいと思います。

  ○ 解説の流れ・方針について

 毎号の解説は、任意の部分でまず「原文」を掲載し、それを意味で分けて句読点をつけた「断句」作業後の文、さらに日本人には日本独自の「訓読」
の方法がなじみ深いと思いますのでその読み下し、そして文章の句法と語彙を解説する「句法・語釈」、さらに「現代語訳」と、「原文」「断句」「訓読」「句法・語釈」「現代語訳」の5つに分けて掲載します。書籍として発行されている医書では、紙面の都合でここまで詳細に掲載するものは少ないと思います。

 原文の読み方に関しては、東医宝鑑は朝鮮半島で編纂された書ですが、大半はそれまでに中国で刊行された医書を、独自の分類によって列挙した体裁になっています。

 朝鮮半島で編纂された書ですので、編纂当時の朝鮮半島でなされた読み方や音で読む方法を採用するのが最良とは思いますが、このように著作の大本は中国の医書である点に鑑み、大本の中国文を中国の書として読む方法での読解を中心に、また私たち日本人が中国文を読む際に馴染みの深い、いわゆる漢文としての読み方も交えながら読む、という方式で読み進めていきたいと思います。

 発音としては、日本語での読みを主体に、現在の中国語での発音も視野に入れてご紹介したいと思います。メルマガではハングルの表記がしにくいですが、場合によっては現在の韓国での発音も、ローマ字転写かカタカナ表記にて記載することも検討しています。

 韓国や北朝鮮では現在ハングルが主流で、東医宝鑑を原文からしっかりと読める方は専門の韓医学の医師でも数多くないと思います。また本家の中国では漢字が簡体字になってしまい、また文法も古医書の編纂時とはだいぶ離れて、現在では特別な訓練をしないとやはり医書を読むのは難しいようですので、日本人は漢字と読法の点でも東医宝鑑をはじめ、古医書を読む下地としてはかなり有利な立場にいるのですね。解説もそれを活かしたものにしたいと考えています。

 前置きで長くなりましたので、今回は本文解説に立ち入らずに、次号から早速本文を読んでいくことにします。

 なお、配信の頻度は「不定期」にしてありますが、全体の完成を望むとあまりのんびりしていられませんので、できるだけ多め、配信できる時に随時お届けをしたいと思います。配信する内容部分の選択は、本文の順序に拘わらず、読みやすいところ、また読んで面白いようなところを優先的に取り上げつつ、最終的には完訳を目指したいと考えています。

 それでは、今後の展開をお楽しみに、どうぞこのマガジンをご愛顧いただけますよう、よろしくお願い致します。

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