メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第342号「精滑脱屬虚」(内景篇・精)2

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆

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  第342号

    ○ 「精滑脱屬虚」(内景篇・精)

         ◆ 原文
      ◆ 断句
      ◆ 読み下し
      ◆ 現代語訳
      ◆ 解説

      ◆ 編集後記

           

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 こんにちは。前号までの「夢泄亦屬鬱」の続き、「精滑脱屬虚」に移ります。
 

 ◆原文◆(原本の文字組みのままを再現・ただし原本は縦組み
      ・ページ数は底本の影印本のページ数)

 (「精滑脱屬虚」p84 上段・内景篇・精)

                                                               靈樞曰恐
           懼而不解則傷精精傷則骨〓痿厥精時自下又(〓やまいだれ夋)
   曰精脱者耳聾

 ▼断句▼(原文に句読点を挿入、改行は任意)

  靈樞曰、恐懼而不解則傷精、精傷則骨〓(やまいだれ夋)痿厥、

  精時自下。又曰、精脱者耳聾。

 ●語法・語釈●(主要な、または難解な語句の用法・意味)

 ▲訓読▲(読み下し)

  靈樞(れいすう)に曰(いは)く、

  恐懼(きょうく)して解(と)けざるときは
 
  則(すなは)ち精(せい)を傷(やぶ)る、

  精(せい)傷(やぶ)るときは則(すなは)ち

  骨(ほね)〓(やまいだれ夋)(いた)Iみて、

  痿厥(いけつ)し精(せい)時(とき)に

  自(をのづか)ら下(くだ)る。

  又(また)曰(いは)く、

  精(せい)脱(だつ)する者(もの)は

  耳聾(みみし)ふ。

 ■現代語訳■

  
  霊枢に説くには、

  恐れが解けない時には精を損傷し、

  精が損傷すれば骨が痛だるくなり、

  筋肉は衰えて冷え、精がしばしば流出してしまう。

  また説くには、精が漏れる者は耳聾する。

 ★ 解説 ★

 「精滑脱屬虚」の次の段です。

 霊枢からこの項目に合う文をふたつ引いています。

 ここに骨や耳への影響が説かれていますが、これは基礎理論を押さえていれば理解できる、反対に押さえていないとなぜここで骨やら耳やらに症状が及ぶのかの機序がわかりません。

 訳は便宜的なもので、やはり原文の語句からご検討いただきたいところです。

 また、ネットの発達で引用元、霊枢のどの章に登場するのかなど調査も容易ですので、ご興味おありの方は引用元に辿っての考究をお願いしたいと思います。

 ◆ 編集後記

 「精滑脱屬虚」の続きです。文が短めですが、次が長いので一段でお届けしました。次号は次の段を読みます。
                      (2019.11.17.第342号)
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