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コトラーのマーケティング4.0 - スマートフォン時代の究極法則 (1/)

久しぶりにマーケティングの良著を見つけました。コトラーのマーケティング4.0です。

コトラーのマーケティング4.0
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マーケティング3.0はソーシャルメディアを雑に扱っていたのでとても人様に勧められる出来ではなかったように思うのですが、4.0は良いです。ちなみにそもそも本書の解説でその旨が言及されています。

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『マーケティング3・0』のインパクトは大きかったものの、人々が全面的に満足していたわけではない。それは、ソーシャル・メディア時代への対応という点においてである。確かに、ソーシャル・メディアの普及によるマーケティングの変化に言及してはいるものの、マーケターが留意すべき枠組みや指針についてはほとんど触れておらず、ソーシャル・メディアに対するマネジメント上の示唆という点において物足りなさがあった。つまり、ソーシャル・メディア時代を前提としたマーケティング書であるにもかかわらず、従来型のマーケティングと比べて何がどのように変化していて、ソーシャル・メディアを用いて何をすべきかについて明示されていなかったのである。
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マーケティング4.oとは
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マーケティング4.0は、企業と顧客のオンライン交流とオフライン交流を統合し、ブランド構築におけるスタイルと内容を融合させ、最終的にマシン・ツー・マシンの接続性を人間と人間の触れ合いで補完することで、顧客エンゲージメントを強化するマーケティング・アプローチである。このアプローチは、マーケティングの主な概念を定義し直してきたデジタル経済にマーケターが移行する助けになる。マーケティング4・0において、デジタル・マーケティングと伝統的マーケティングは、顧客の推奨を勝ち取ることを最終目標として共存しなければならない
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最近Digital marketingってなんだったんだろうと思ってしまうことが多いです。プロジェクトで偶に代理店・施策評価に立ち会ったりしますけれど、事業に貢献する気がまったくしないのです。結局儲かるのはプラットフォーマーだけだなーとか思わざるを得ません。一周回って最高品質のクリエイティブがユーザーに刺さった時だけ、うまくいくんじゃないのとか思ったりします。AbemaTVは新しいメディアの星なのかもしれませんが、クライアントが広告出稿した時のビジネス貢献性の面から考えると別に大したことないなという評価にならざるを得ません。マーケティングの最高の成功例ってやっぱりUSJが思いついてしまいますし、ここで取られている手法は別にDigital centricというわけでもないですね。

あるいは日本史上最高峰のマーケティング実録 - 森岡毅さんの著作 (1/)
http://touya-fujitani.blogspot.com/2018/08/1_19.html?q=%E3%81%BE

デジタルネイチャーじゃないですけれど、Digitalが普通になりすぎて少なくとも短期的には昔の様な爆発力ってないんだなあ思うことが多いです。いまはもうサブスクリプションサービスをつくる方がまだ爆発力がありそうですね。

じゃあもうデジタルマーケティングが必要なくなったかというと、まったく逆で必要不可欠なものになったというのが妥当なところだと思います。コンサルティングの現場でもオペレーションのプロジェクトなんかを筆頭に「当たり前のことを、ちゃんと(もしくは高品質で)やることにより価値を出す」というのはあるあるですね。そんな状況になった中でいまのDigital marketingを精緻にやっていく上で必読の書というのが本書の位置づけの様に思います。

内容が「極めて普通」です。良く言えば「手堅い」です。じゃあ、この丁寧さですべてのデジタルマーケティングが行われているかというとちょっと疑問です。

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出典:コトラーのマーケティング4.0

極めて真っ当な内容を体系的にまとめている」というのがこの本の価値のように思うのですが、そういう本ってよく考えたらあまりないですね。今後何回かにわけて内容を掘り下げていきたいと思います。



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