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ザ・フォーミュラ〜科学が解き明かした「成功の普遍的法則」 (1/X)

しばらく前にファームの卒業が確定しました。いま思えば無駄に長引いていた感もあるファーム在籍からほぼほぼ完璧に近い転職が出来て、この要因はなんだろうなとずっと思っていたのですがいまでは「単なる運」だと思っています。外部要因でパッと決まってしまったからです。

ぼくは運みたいなものは信じていませんが、自分が複雑ネットワークの中のどこに位置しているかということは意識しており、その位置が諸々の結果に大きく影響すると思っていますし今回の転職もそうでした。

そういった肌感覚に非常に合致した名著が出ていまし。後述しますが、この本は読む人に科学的エビデンスをもって勇気を与えることが出来る本で、ぼくはこういう本が非常に好きです。

ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」
https://amzn.to/3ph4A2w


こちらの記事も要約として良質です。

ネットワーク科学のイノヴェイターがたどり着いた「成功の法則」:アルバート=ラズロ・バラバシに訊く
https://wired.jp/2019/07/20/albert-laszlo-barabasi/

面倒という方には、この一文だけでも覚えて欲しいです。多くの方に勇気を与える研究結果の様に思います。

成功は「運」の要素も強いため、人間はアウトプットし続けている限り、年齢に関係なく社会に大きなインパクトを出せる可能性がある。
引用:アルバート=ラズロ・バラバシ. ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」

ぼくはあんまりビジネス書は読みませんし、世界クラスの評価がついたものか、とんでもなく売れたか、個人的に好きな方・テーマのものについてしかおさえてませんが、この本はいいです。主に下記の理由です。

1. 世界最高クラスのネットワークの大家が成功について科学的な方法論の構築を行っている
Barabásiについては、複雑ネットワーク領域ではもはや不動の大家ということでいいかと思います。

2. インサイトに新規性があり、それは「世間の常識」と異なっている
ここが非常に重要です。世間の常識 = 自分の行動様式とも言いかえられますが、それが間違っているから皆あんまりうまくいかなくて苦労するんですね。やたらと「頑張れ」と連呼される世の中ですが、実態としては「大抵の方は頑張っていて、それでもうまくいかないのに困っている」という方が正しいでしょう

3. 「運」というみんなが知っていて、かつ(恐らくは)有効活用出来ていない概念について科学的なアプローチを解説している
「運」は誰しもが知っている概念ですし、コントロールしたい概念なのですが、科学的なアプローチを持たない領域の様に思います。ぼくは占いは信じませんが、「運みたいなもの」という怪しげなものの存在はやっぱり感じます
本書を読んでいると本当に面白いインサイトがどんどん出てくるので、目が醒める思いで読み勧められます。

1. 成功する為に重要な要素
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あなたが成功するために重要なのは、あなたとあなたのパフォーマンスではない。重要なのは社会であり、社会があなたのパフォーマンスをどう捉えるかである。簡単に言えば、あなたが成功するうえで重要なのはあなたではなく、社会なのだ
引用:アルバート=ラズロ・バラバシ. ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」
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2. 成功の定義
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しかしながら、「成功」はまったく違うカテゴリーに属する。成功は集団的な評価であって、あなたのパフォーマンスに対する人びとの反応を指す。もしあなたが自分の成功の度合いを測定したければ、あるいは最終的にどんな報酬を受け取れるかを知りたければ、自分のパフォーマンスだけを見ていてはいけない。自分が属する社会について研究し、その社会があなたの貢献にどう反応するかを見極めなければならない。
引用:アルバート=ラズロ・バラバシ. ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」
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3. 成功を促すもの
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パフォーマンスが成功を促す。パフォーマンスが測定できない時には、ネットワークが成功を促す
引用:アルバート=ラズロ・バラバシ. ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」
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4. 将来の成功を決める要素
このインサイトも本当に面白いです
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ダニエルの将来の成功を決めるのは、「パフォーマンス」と「野心」との組み合わせだったのである。ところが、ふたりの経済学者が最も意外な結論に行き着いたのは、アイビーリーグの大学に落ちた学生について調べていた時だった。SATの点数やGPAなど、その学生のあらゆるパフォーマンス基準を調べたところ、卒業一〇年後の年収を決める重要な要素は、その学生が通った大学の名前ではなかった。長期にわたる成功を決める唯一の要因は、たとえ合格しなかったにしろ、その生徒が出願した最難関大学にあった。もっと具体的に説明しよう。ある生徒がハーバード大学に願書を出したが落ちて、ノースイースタン大学に入学したとする。その学生の将来の成功は、SATの点数や高校時代の成績が同レベルにあった、ハーバード大学の学生の成功に何ら劣らなかったのである。言い換えれば、あなたの子どもの成功を決めるのは、「パフォーマンス」と「野心」――自分がどこに属していると自分で思うか――なのだ。
引用:アルバート=ラズロ・バラバシ. ザ・フォーミュラ~科学が解き明かした「成功の普遍的法則」
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長くなったのでまた続きを書きます。

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