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反粒子とは:お話物理:場の量子論

前回は,スピノル場のラグランジアン構築の話をした.スピノル場だけのラグランジアンは運動項は作れるが,質量項は作れない.それはスピノル場のもつカイラリティが原因だった.

カイラリティを持った場は,粒子として伝搬する時に向きがある.それはもちろん,進行方向に対してスピンの向きがあるのだから当然だ.

カイラリティは右手左手があるが,以降は左手に限って話を進める.右手の話にしたければ,左を右に読み替えればいい.

粒子の伝搬方向に対してスピンの向きが同じ(左手)の時,ファインマンダイヤグラムの粒子を表す線に,スピンの向きを添える.

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ここで注意したいのは,矢印の向きはスピンの向きであって,粒子の進行方向ではない.粒子を表す線は時間と空間の四次元の中のありとあらゆる経路を代表して書くわけだから,時間の進行方向に対して順行と逆行,二種類の方向がある.

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特殊相対論的には,二つは同一視されるものなのだが,人間は時間の向きを感じる.時間とスピンの向きが一致しているかどうかを,人間んは区別してしまうのだ.

この時間を逆行する粒子のことを"反粒子"と呼ぶ.

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