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お絵かき:お話物理:場の量子論

前回は完全には解けない,相互作用のある場の量子論からなんとか情報を引き出すために,摂動論を使おうと言ったところで終わったのだった.

それで摂動論の定式化を真面目に話そうかと思ったのだが,なんだか物理を見失いそうなので,"ファインマンルール"という摂動論の計算すべきものを簡単に決められる方法論を話そうと思う.

物理屋は粒子の反応を計算するために,なんとお絵かきするのだ.各反応ごとに絵を描いて,それに対応した計算をファインマンルールによって対応させるのだ.

φ^4理論のファインマンルールはラグランジアンが

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と与えられた時

外に繋がった線には"1"をおく
内にはプロパゲータ因子をおく
線が交わる場所には頂点因子をおく
内線を対称性の数で割る
内線のループには運動量積分を実行する

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だけでいい.

たとえば二つの粒子が散乱する反応を書きたいなら

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こんな感じになっていく.

一個目の絵は,摂動展開の最低次だ.二個目の絵が二次になる.これは相互作用を表す頂点"λ"の次数と対応している.

二個目の絵はループがあるのでそこで運動量積分がある.

次回はこのファインマン則の物理的解釈について話して行こうと思う.

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