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地平線が見える:一般相対論/重力レンズ

今日は画像の紹介.そして一般相対論はここで区切りにしようと思う.

2019年の4月,このような画像が公開された.

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Credit: EHT Collaboration

これが人類が初めて"見た"ブラックホールである.この黒い影が事象の地平線が作る影なのだ.



なぜこのように黒い影(と周りにもや)が見えるかと言えば,これが重力レンズによる効果だ.

重力レンズとは文字通り,質量(エネルギー)の集中した領域の近くを通る光が時空の曲がりによってあたかもレンズを通ったように曲げられる効果なのだ.

画像2

Credit: Nicolle R. Fuller/NSF

上の画像を見ると,なんとなく曲がっていることがわかるだろう.ただし事象の地平線を超えてしまえば光が出てこないからぽっかりと黒く穴が開くのだ.


この重力レンズはブラックホールだけでなく,質量がある全ての構造に対して起こる.どれだけの空間的な大きさにどれだけの質量が集中しているかがレンズの強さを決めてしまうので,質量が何からもたらされているかに全く依らない.例えば,ダークマターがどこにどれだけあるかを知るための重要な手段になっている.

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