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福満しげゆきエッセイのコミカルな自虐

趣味でダラダラと書いているだけの素人エッセイとは言え、書きたい雰囲気とか作品の方向性とか、目指したい物はやはりそれなりにあるという物でして。元々エッセイ自体は結構好きなので憧れも含まれると思います。憧れは理解から最も遠い感情だなんて突き刺すようなことを言い出した奴が許せなくなりそうですね。

最近はTwitterで福満しげゆき先生が漫画を投稿されていて、懐かしさと技術の高さに釘付けになりました。漫画と文章では形態の違いこそあっても、自分の書いたそれとはもう引き込まれ方が全然違う。言葉選びの一つ一つが、文章のテンポ感が、自虐の温度感が、とにかく不快に感じさせない。

劣等感や自分の驕りをセキララに書く、というスタイルは思えば福満先生のようなエッセイを目指したかったのかも知れません。先生がファミ通に連載されていたゲームエッセイが気に入って、「僕の小規模な生活」を高校生の時初めて読んだ時は衝撃的だった。暗い自責や、後ろめたい感情をここまで作品にして良いものなのかと。
が、自ら筆を取った今になって改めて読み直すとその衝撃はほんの上澄みであったことを痛感させられます。痛々しさも、不快感も、ギャグにならないギリギリの所までコミカルに描画するバランス感覚が凄まじいのです。人が共感できて、かつ苦しくはならない絶妙な日常の描き方。これがプロのエッセイなのだなと、思い知らされた感じがしました。

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