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ダンディ・ホワイト・ライオンはリメイク失敗カードではない。

ダンディ・ホワイト・ライオンというカードがあります。いや正確にはこれから出ます。あのイカレクソゴミバカカードの名を関した、旧パワカリメイクシリーズの1枚です。こんな場末の記事を読んでいる方は効果は当然ご存知のことだとは思いますが、一応効果をおさらいすると

・ステータスはほぼダンディ・ライオン。レベル3植物族地属性、攻守300
・手札かフィールドから墓地に送られた時に「白綿毛トークン」(レベル1植物族風属性、攻守0)を3体特殊召喚。このターンEXからの召喚ができない

となっております。そしてこのカード、効果発表時に多くのデュエリストからこう言われました。
「弱くなりすぎじゃね?」
血肉の代償が禁止カードのポテンシャルとなる効果の大部分を引き継いでいた為に大きく期待されていたこともあるだろうが、永久禁止と呼ばれるカードにしては控えめであることは誰が見ても明らかでしょう。それについて落胆する人も多かったようです。
主に、リメイク前からの弱化は以下の2点です。

・デッキからの墓地落としに対応していない。これにより「おろかな埋葬」等の墓地肥やしから展開できない。
・出したターンにEXに強烈な縛りがつく。「その後」では無く「効果を発動するターン」なので例えばHEROデッキでデスフェニを立ててからD-END等の動きに使用できない。

特に後者はかなり致命的で、エクストラが絡むデッキの先行1ターン目の展開とは絶望的に噛み合わない。そして現代遊戯王はそういったデッキが大半を締めている以上、その評価はかなり落ちると言わざるを得ません。
とはいえ、そこまで悲観するような性能でもないような気が僕はしています。そもそも、永続罠カード故の遅さや不安定さがリメイク前から問題である「血の代償」と、現代においてはもはやデメリットが気にならず墓地に落とす手段も豊富な「ダンディ・ライオン」では危険性に雲泥の差があるので、縛りが緩かったら絶対何処かでやらかすのは間違いないカードですし…
さて、僕の評価ですがこのカードを語る上でむしろ比較対象になるのは「スケープゴート」でしょう。

強力な縛りと引き換えに大量のトークンを生成する能力を持つ点はかなり似通っていると言えます。このカードは昨年までの約2年間準制限であったことも考えれば、比較相手としては中々高水準であると言えるのでは無いでしょうか?
そんな「スケープゴート」と「ダンディ・ホワイト
・ライオン」の比較ですが、

・トークン生成数が1体少ない
・縛りがいくらか緩い
・スケープゴートは自身の発動で生成、ダンディ・ホワイト・ライオンは墓地送りで生成
・カードの種類差

などが挙げられます。
1つ目は一見弱い点に見えますが、場の空きを考えると単純な比較は難しいです。メインモンスターゾーンにモンスターが2体はいる状況というのは多い為、そういった場面ではスケープゴートが発動できずやきもきするという事がままあるからです。
2つ目の点は明確にメリットでしょう。散々言われていますがアドバイス召喚やメインデッキの特殊召喚モンスターには何の影響もないため、それらを使用するデッキでは強力な効果を存分に奮うことができます。タイムラグの発生はスケープゴート程多くありません。
3つ目はこのカードを発動するためのギミックを別途用意する必要があるため、やや不利がつきます。どうあがいてもこのカードでの展開が召喚先も含め3枚になってしまう点は致命的と言わざるを得ません。
この手の下級展開要因で大変有用な「転生炎獣アルミラージ」が使えない点も厳しいです。但し、手札コストとして使用する場合は別でしょう。この場合、このカードは莫大なアドバンテージを稼ぐカードになります。
4つ目は一概には言えませんが、一般的にはモンスターの方がサーチしやすいと言われています。特に地属性植物族はかなり恵まれたステータス故にアクセスし易いため、実際にはこの点でも軍配が上がります。
総じてEXが絡まない場合はアクセスも展開もし易い為、全体としては「スケープゴート」よりも優秀な点は多いです。但し展開に別途ギミックを用意する関係上、漠然とデッキに採用できるタイプのカードでは無いです。また、「スケープゴート」は速攻魔法であるがゆえにバック除去に弱い傾向に有りますが、一方でカウンター性能も高い点は留意したいです。これらを考慮して採用を考えて行くと良いかと思います。

雑にぶっ壊れたカードと名高い元カードの反省を踏まえたかなり慎重な調整が成された「ダンディ・ホワイト・ライオン」ですが、比較対象が異次元であるだけで本人のポテンシャルは意外と悪くありません。このレベルであればカジュアル環境で使用することは難しいことでは無く、環境によっては競技シーンでの活躍も十分有り得るでしょう。是非、改めて採用を検討してみては如何でしょうか?


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