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住宅購入時の値下げ交渉とその実際:家の購入記6

僕が学んできた値下げテクニックと、その実際はかなり違っていた。
今回は、そこら辺について書いていきたい。


家を売りたい側から見てみると・・・

値下げ交渉を調べてみると、様々な手法や論理が出てくる。
だけど、そういう枝葉のテクニックの前に、まずは、交渉相手のことを知ることが第一歩だと思ったので、「家を売却したい人向けの情報」を色々見て、事情を知ることにした。

売却側にかかる費用

売却時に売り主が負担する費用は、売った価格の4~6%程度と言われていて、3000万くらいなら120万〜180万くらいになる。
(買う方は10%くらいだと言われている。)

主な項目としては、

  • 仲介手数料

  • 税金

  • その他:登記費用とか印紙税とか

とかで、税金はマイホームの売却なら3000万円までは掛からないようなので、ほとんどが仲介手数料ということになるだろう。

なら、例えば、3000万円が欲しい場合は、最低でも3120万くらいで売りたいと思っているはずだ。

売却側の統計データ

レインズは宅建業者しか見られないし、今から記載するデータはあくまで僕の又聞きメモだから、本当に正確かどうかは分からないので、留意してください。

これは2022年のデータらしいけど、レインズのデータで、

  1. マンションは、売り出した数と実際に成約した数を割ると、約7%=100軒のうち7軒が成約した。

  2. 戸建ては、約6.3%

  3. つまり、90%以上は売れ残っている。

らしい。

「いざとなれば売ればいい」という考えは意外と甘いということがこれで分かり、身の引き締まる思い。

売却側が売るためにできること

この中で、売り主側ができることは限られている。
今から、周辺環境やエリア、道路付け、階数などを変えることはできないのだから、やれることは、掃除リフォームか、そして、値下げだけとなる。

それで、売り主は知らなくても、不動産仲介会社は以下の情報を知っていて、売り主にこういったペースで値下げを進めるらしい。

データによる値下げの時期と金額は、

  1. 最初の値付け・・・これが高すぎると、値下げしても売れないから、スタートの価格は大事

    1. 高すぎるとそもそも見てくれない。

    2. 値下げしても、「この物件、ずっとあるから見なくていいや」or 「ああ、こんなに値下げしたのか」→「最初の値付けを見ると、売り主が強欲そうだから、やめとこう」「こんなに下げるなんて何かあるのかな?」等で、ダメらしい。

  2. 最初の売出しの時に検討した買い主の検討が終わった時=約1ヶ月後(売り出し〜45日まで)に最初に値下げを検討する。

    1. なぜこの時期か?

      1. この時に買い主が現れないと、95%の確率でその後も売れない。

      2. 売れる時は短期間(14日〜21日以内)に買い主が現れる。

      3. だから、最初の値段で放置しても、99%売れない。

      4. そうなると、不動産仲介会社も「この物件はダメだ」と紹介しなくなることもあり、まったく売れなくなる。

    2. いくら値下げするか?=4〜5%くらい

      1. 購入希望者の希望価格が最初の売出価格よりも3%以内にいるとしたら、指値(値引き条件付き)で買付申込みが入っているはず。

      2. 入っていないということは、3%以内の金額に購入希望者がいないということ。

      3. ならば、第一回目の値下げ幅は4〜5%となる。

  3. 値下げしても購入希望者が14日〜21日以内に出てこないとしたら、さらに4から5%下げる

  4. この繰り返し

らしい。

だから、この事情と統計を買い手側で知っておけば、効率的に値下げ交渉ができるというわけだ。

ただ、これらは「そうすると売れそうだ」というだけで、実際には、90%以上が売れ残っているのだから、そうしない売り主が多い、ということでもある。

実際に、僕も物件を見ていると、そんなふうには動いていないなと感じた。
半年以上、同じ価格で粘っている物件もある。

気持ちは分かる。
値下げしても売れそうだというだけで、売れるかどうかも分からないし、売れても手取りは減るわけだし、「マイホームを値下げしろ」と言われるだけで悔しいのも分かる。
まあ、そういうのは言っても仕方ないことなのだけど。

築年数ごとの売却側の事情や値付けの印象

前にも書いた通り、耐震基準やアスベストのことを考えて、「中古なら2006年以降」を探そうとしていた。

つまり、築18年以内ということになるけれど、このくらいの築年数はなかなか難しかった。
ここでは、築年数による売主側の事情や価格付けについて、あくまで印象にはなるけれど、記載しておきたい。

正直、仲介業者さんに売り主がなぜ売りたいのか?と聞いて、嘘は言わないにしても、本当のことを言うかは分からない。
「引っ越し」と聞いていたけど、「あら、なぜ、賃貸に出さないんですかね?」と聞いていたら、「どうも離婚っぽい」ということが分かったりもした。
だけど、売る事情については、当然の疑問だし、それによって、値下げ交渉の行方は変わるのだから、売り主の事情を聞くことはマストだと思うし、向こうも分かっていて、ちゃんと教えてくれる。

その事情により、値付けや交渉の行方は様々だし、また、築年数によって、だいたいの予想がついたりする。

築15年以内まで

そもそもあまり物件がない。
考えてみれば、「よし夢のマイホームを手に入れるぞ」ってなってから、築5年とか10年とかで売却を考える人は少ないだろう。
ライフステージも5年10年じゃ、さほど大きくは変わらないし、金銭的な面でも苦しくても粘れる年数。
それなのに売るということは、なにか「思ってもみなかったこと」が起きたに違いない。

だから、売却には「特別な事情」があることが多い。
その中で、意外に多いのが「離婚」
離婚もしくは婚約破棄などは売却理由として多いらしい。
離婚の場合は財産分与のため、早く売りたい人が多く、値引きが通りやすいと聞いたが、実際の印象だと僕の場合はそんなことは感じなかった。
おそらく、名義とか関係性とか、つまり、個人の状況によるのだろう。

あとは転職とか、親子で同居することになったとか、そういう理由の人にも出会った。

離婚の理由までは聞けないけど、「間取りが悪くて、不仲になりやすい家」とかそういったこともあるらしいし、ちょっと怖い。
それに不幸な理由よりも幸せな理由の方が、心情としては買いやすくはある。

でも、このくらいまでで本当に怖いのは、「ご近所トラブル」とか「欠陥住宅」とか、そういったこと。
買ってしまうと、自分がそれを味わうことになる。

欠陥住宅については、契約不適合責任でカバーされるけれども、本当にそれを請求できるか?短い期間で見抜けるか(相手が個人の場合は特に3ヶ月と短い)は別問題だし、できれば、そういう物件をつかみたくはない。
特段の理由がない場合は、分かるまで聞くか、欠陥が疑われるならホームインスペクションを入れた方がいいかもしれない。

いずれにしても、トラブルは自分が法的に有利な立場だとしても、解決までの労力は大変なものだ。
だから、特に気をつけたい。

値付けの印象
「自分はこのくらいで建てた」とかの記憶がまだ生々しく残っていたり、「築浅の物件」という希少価値や、

「まだローンの残債が多く残っている」という理由などがあるのかもしれないけど、やたら強気の値付けであることが多い。

もう結構な割合で、同じエリアの新築よりも高いか、同じくらいの価格で、「何を考えているのだろうか?」と思うほどだ。

「高い理由があるのかな?」と物件情報を見てみても、特にないことがほとんど。

「一度、ここがこうなので、これくらいの値引き」という打診を、不動産仲介会社も「イケると思います」というので、築10年くらいの物件でしてみたことがあるけれど、「ローンの残債は残したくないから」と断られてしまった。

市場価格とか、壊れたところのリフォームとの兼ね合いとか、周りとの比較とか、そういった理屈も通じないようで、「これだけの価格で建てたのだから、この価格で売れるはず。それにローン残債は残したくない」という気持ちで突っ張っている、ということだった。

半年以上経ったが、いまだにその家は売れていない。だから、ずっとローンを払っているのだろう。
あの時、僕がした値引き額で売っていれば、もう今頃は、きれいに残債の返済は終わっていたはずだ。

同じように、築年数が若くて値付けが強気な家は売れ残っていることが多い。
その一方、強気じゃない家は、もうすぐに、秒速ではないか?と思うくらい、すぐに売れてしまうので、逆の意味で買うのが難しい。

うーん、物件数と価格付けと売却理由を考えると、築15年以内だと買うのは難易度が高めかな・・・と思った。

築15年〜20年台:

このあたりになると、値付けは落ち着いてきて、「ああ、相場に近いな」という感じになっていく。
(マンションは別。やたら強気。今だけかもしれないけど)
物件数は相変わらず少なめ。

ローンの残債ももうかなり減っているのだろうし、自分でも建物が老朽化していることは知っているから、人にはよるけど、値付けも穏やかだし、値下げ交渉もしやすそうだった。

売却理由も、年をとったので、マンションに「住替え」だったりと穏やかなものが増えてくる。

だが、気をつけなくてはいけないのが、リフォーム費用。
築10年頃から15年、そして、20年になると、確実に一度は外壁塗装などの大規模な修繕が必要となる。
これはマンションも戸建ても一緒。

だから、これをやっていない場合は、「ああ、修繕をする前に売り逃げたいんだな」ということが分かる。

15年くらいならいいけど、20年くらいになると、もうリフォームの適正時期は過ぎているから、普通にやるよりも、リフォームが高額になる可能性がある。

その場合は、ちゃんと住めるようにするにはいくら掛かるか調べないといけないし、リフォーム分はいくらかでも値下げ交渉を試みたい。

築20年以上

ここまでくると、相続なども理由の中に入ってくる。
相続の場合は、「早くお金にしたい」という場合も出てくるらしく、土地値以下の破格で買える可能性があるようだ。

それに一番物件が多い築年数。
15とか18とか19とかの10年台はあまり見ないが、20年台はよく出てくる。
このくらいになると、子供が育って・・・とか、ライフステージによる変化も出てくる頃だろう。

でも、物件自体の造りがやっぱり古い。
どんなにキレイでも、というのは汚れがないということだけど、家自体が古いから、「ここに住むのか」「夜、怖そうだな」という感情になる。
他人に貸すならいいけど、自分で住むというのは、ちょっとテンションが下がる。賃貸なら、自分で住むのもOKなのだけど、買うとなると・・・。
「新築・築浅のピカピカ物件を買うのは馬鹿だ」と言われても、それを分かっていても、ここに住んだら、テンションが下がり、無表情のまま暮らしてしまいそうだ。

築がもっと古くなり、30年40年となると、「タダでもらってくれ」案件も出てきたりして、そういうのは「空き家バンク」などでも探せたりする。
こういう家はもう記憶の中の「おじいちゃん家」という感じだ。

このくらいになると、競争相手は一般個人ではなく、不動産投資家になっていたりする。

残存価値も減って、価格も安定し、将来も値下がりづらい、一番お買い得と推奨されているのも、20年超え、 このくらいだ。
資産価値、金銭的にお得、それは分かっている。
だけど、実際に見ると、やっぱり、食指は動かなくなってしまう。

自分の武器

相手の大体の事情が分かったら、次は自分が提供できる武器を整理していく。

でも、買い手側にできることは少ない。
例えば、

  1. 一括で買える資金があること

    1. 融資が引けない物件でも買える

    2. 引き渡しに融通がきく

ということだって、たいしたメリットにはならないようだ。

住宅ローンを使って買付を入れると、融資特約(融資がつかなかったらナシにして)というのがついていることがほぼ全部なので、これがないということは、売り手が「うん」といったら確実に買う、ということだ。

だけど、この「現金一括購入」については、「有利になります」という人と、「有利にはなりません」という人の両方がいた。

まあ、ローンを使うにしろ、使わないにしろ、入ってくる金額は一緒なのだから、どちらでもいいし、値段が高い方を選ぼうというのも分かる。

でも、「融資特約つきの買付」が入って、安心していたら、数週間後にダメになった・・・というのも売り主側からするとツラくないか?と思う。
そこからまた販売を再開し、買い手を探すのだから。

それと、もうひとつ、

  1. 契約不適合責任免責をつけるから値引きして

というのもあり得る。

もし、僕が売り手だったら、せっかく家が売れたのに、3ヶ月間、「不具合があったら、賠償請求が来る」というのは、ちょっとイヤだし、ドキドキしてしまう。
だから、「契約不適合責任免責」をつけてくれたら、少々の割引をしてもいいかなという気持ちになるだろうと思った。

だけど、あくまで感触だけど、ほとんどの売り手はこのことについて「知らない」ような印象だった。
では、なおさら、どうせ責任追及をするにしても、揉めるんだろうなということで、なら、最初からつけずに、その分を値引きしてもらうという考え。

というようにできることは少ない。
だから、その売り主の事情をよく聞いて、条件があれば、それにできるだけ応じようと思っていた。

値下げ交渉の実際の印象

ということで、上のことを踏まえて、色々、物件の値引き交渉をしてみたのだけど、実際のところはネットで言われていたり、不動産投資で勉強したのとは、普通の中古住宅だからかもしれないけど、ちょっと違っていた。

  • 値下げ直後は売り主が弱気だからチャンス」・・・やってみると、「値下げしたばかりだから、ちょっと様子をみたい」と逆に強気だったりした。

  • 同じエリアの新築と同じ価格だから、少し値下げをできないか?」・・・いや確かにそうなんですけど、ローンの残債があるので、それ以下にはできないんですよ、とちょっと意味がわからない。

  • 契約不適合責任免責をつけて値下げをお願いする」・・・「なにそれ?よく分からない」という印象だった。

  • ここが壊れているので、この修理代は引いてほしい(もしくは折半にしてほしい)」・・・修理代30万か、じゃあ、10万値引きでどう?とか訳が分からないことを言われたりする。

これでその物件があとで売れたなら、「ああ、僕が相手にされなかったんだな」という解釈になるのだけど、今も売れていないのだから、意味が分からない。

値下げ交渉は、一歩間違えれば、売り主にはもちろん、不動産仲介会社にも相手にされなくなる。
だから、僕は「こういうのは理不尽でしょうか?」とか、いちいち担当者に聞きながら、行っていた。

でも、こういう結果で、あとで担当者と、「私もチャンスだと言ったんですよ」とか「妥当な金額だと思ったんですけどね。」とか話し合いながら、残念会をしていた。

色々話してみると、あくまで僕が接した範囲だけど、要するに、僕が勉強してきた不動産投資での値下げ方法は、「プロとプロ」だから成立する話で、一般の住宅ではあまりそうではないらしいということで、

  • 売り主さんの中には、あまり「モノを売っている」意識がない人がいる。・・・だから、掃除もしてなければ、目立つところが壊れていたりなどしている物件もあって、それが値下げ要因だとは思ってもいないらしい。メルカリでさえ、それらは値下げ要因なのに。高く売りたいなら、掃除くらいはしておくべきだと思うけど。

  • 相場や市況を見ていないようだ・・・物件を確保したいために高値を提示する業者も多いためか、それが適正価格だと思ってしまうらしい。周りと比較して高いとか安いとかも見ていないようだ。また、調べれば、こだわりポイントは価格を下げはしても上げはしないことがすぐに分かるのに、アピールポイントとして書いてあったりする。

  • とにかく損はしたくない・・・株などだと損切りは当たり前だし、同じ運用商品である不動産もそう考えているのかなと思ったら、全然違った。

あまり合理的ではないというか、人間的というか、だからこそ、一番効果的な値下げ手段は「お手紙」と言われるのかもしれない。

この家が気に入りました。でも、どうしても予算が足りないんです。」というようなことを買付といっしょに提出すると、非常に効果的だという。

ただ、上記のことには僕の思い違いもあったようだ。

仲介業者さんに聞いた話

あまりに話と違うので、仲良くなった仲介業者さんに話を聞いてみた。

「実際に売り出し価格を決めるときに、ある程度の値引き幅を考えて、値付けすると聞いたのですが、そうなんですよね?」

「うーん、というか、うちの場合は、端数については無くなることは覚悟してくださいと伝える感じですね。」

とのことだった。

要するに、それだと、そもそも、最初からあまり値下げの余地がない値付けということになる。せめて80万とか90万くらい。

僕が調べたところだと、10%くらいは乗せて売り出すので、5%はまずいけそうだと聞き、10%は頑張れそうな印象だったのだけど、そうじゃない物件もあるということだ。

これは不動産業者にもよるらしい。
上にも上げた通り、高い金額を提示して契約を取りたい業者さんもいるらしいけど、「うちはそう」という話だった。

あと僕が話を聞いて意外だったのは、「みんなポンポン買う」らしいこと。

「契約不適合責任」とか「二項道路」とか、知っている方が珍しいですよと言われるくらいで、買う人は、気にするのは住環境くらいで、あとは、あまり何も気にせず、値引き交渉もせずに、みんな買っていくらしい。

何人かの不動産仲介会社の人と話していて、ずっと違和感を覚えていたのが、「なんかみんなポンポン買うような感じで話しているけど、そんなはずないだろ」ということ。

だけど、本当にみんな割合、ポンポン買っていくらしい。
なら、あまり値引き交渉は出来ないよなと思う。

仲介手数料について

仲介手数料は不動産仲介会社の唯一の収入源なのだから、値下げ交渉するな!」と教わった。

だから、僕も値下げ交渉をしなかったけど、実際には、向こうから値下げ交渉をしてくることがあり、結局、僕の場合はほぼ実質無料といっていいほどの金額となった。

ある業者さんに物件案内をしてもらうと、絶対に「他の物件も紹介できますので、何か気になる物件がありましたら、声をかけてくださいね。」と言われた。

僕は「元付けに当たったらいいな」というのと「広告を出している(物件情報を載せている)ところに行くのがフェアだろう」ということから、必ず、物件情報を載せている会社に連絡をしていた。

すると、何社かの担当者と出会うことになるけど、その人達から「物件探しの方は、どうですか?」と連絡が来るようになる。
だから、「今、他の業者さんで気になっている物件を検討しています。すみません」と言うと、「うちに任せてもらえませんか?手数料を半額にするので」というような感じで勝手に下げていってくれた。

値下げ交渉は同時に一箇所一度だけ

基本的に値下げ交渉は一度しかできないと思った方がいい。
それと、同時にできるのは、ひとつの物件だけ。

買う側からすると、「いくらまで下がるんだろう?」とアタリをつけたくなるけど、売る側からすれば、それと全く逆のことを考えているはず。

だから、値下げ交渉を買う側が仕掛ければ、「この値下げをのめば、絶対に買うんですね?」という念押しをされる。
念押しというのは、もちろん、文書のことで、「価格交渉をするなら、買付申し込みを出してください」と言われるのが普通だ。

要するに、値下げ交渉をするなら、買付申し込みを出さないといけない
出さないと、そもそも相手にしてくれないのが普通だ。
(一度だけ、売り主に電話で聞いてくれた人がいたけど、その場合も念押しはされた。)

買付申し込みは法的な拘束力はない。
だけど、レインズに「申込みあり」と記載されるらしいし、もし、希望価格まで値下げしてくれたのに買わなければ、今後、その仲介業者さんとは関係が終わると考えていい。二度と相手にされないだろう。

ということで、「一応、値下げをお願いしてみるか」ということがやりづらいのが不動産。
ダメ元で大きな値下げを試みて、アタリをつけようとしたら、そもそも相手にされないし、少しの値下げなら買えてしまう。

だから、「その金額で買う!」と本気でないと値下げ交渉はできない。
OKが出てしまえば、買わなければいけないのだから、同時に一箇所しか出来ない。

もちろん、ずっと後になって、「やっぱり、あの金額でいいから買いませんか?」と言われることもあるだろう。
その場合はもう一度、値下げ交渉ができるけれど、レアケースだと思った方がいいし、その物件が不人気だったということでもあるから、購入自体を考え直した方がいいかもしれない。

結局は売り主に主導権がある。

どんなに「おかしいよ」と言ったって、住宅の売買では、結局は売り主に主導権がある。

生鮮食品と違い、こっちのスーパーとあっちのスーパーで同じものが売っているわけではない。
その物件は、必ず、その売り主から買わないといけないから、売り主が「うん」と言わなければ、どんな金額でも売ってはくれないということになる。

特に住宅ローンの残債は、売り主にとっては、「絶対に残債を下回りたくない」という気持が強いようだ。
実際には、これに売買手数料などの諸費用が乗ってくるのだから、「ローン残債+仲介手数料など諸費用」は下回りたくないと思うだろう。

でも、だいたい、築年数の浅い物件は、計算してみると、「ローン残債+仲介手数料など諸費用」の方が、相場だと思う価格よりも高いことが多い。
諸費用っていったって、100万以上なのだから、相場+100万ってだけで、高いなと思われてしまうだろう。

買う側のこっちだって、100万高い金額で買いたくはない。

そんなこんなで、90%くらいが売れ残るということなのだろう。

値下げしないと売れない物件=自分が売るときにも売れない物件

難しいのは、自分が値下げ交渉をして成功したり、もしくは、売れずにどんどん値下げしている物件を、「やった。お買い得だ!」と思った買った場合、自分が売るときには同じ状態に陥るということ。

これは悩ましい問題で、これを解決するには、
「自分だけがその物件の本当の価値を分かっていて、売るときは高く売れる」
という状況になるしかない。

なかなか、そんなことを僕のような素人が付け焼き刃でできるわけがない。
そう考えると、自分がやろうとしていたの方向性が間違っているかもなと思い始めた。

ここまでくると、新築も視野に入ってきた

築浅物件と新築で値段がそんなに変わらないというか、築15年の物件が新築よりも高いという事例も目撃し、他の方向性も模索していた僕は、「あれっ、新築もいいんじゃないの?」と思い始めた。

それに新築ならば、相手はプロだし、交渉もラクそうだ。
一度、新築も見に行ってみようか。

「新築プレミアム」という言葉に怯え、新築を検討してこなかった僕が、こうして、新築にも触手を伸ばすことになった。

次は、「中古か新築か?」ということを書きたいと思う。


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