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物件探し3:物件の外回りのチェックポイントや条件:家の購入記10

今回は物件のインフラから、物件の外側のチェックポイントや、その基準や条件について書いていきたい。


インフラ

土地を買って家を建てる・・・というのでない限り、おそらく、大丈夫だとは思うけど、インフラが整っているか?そして、それぞれ、種類は何か?は確認しておく必要がある。

電気は問題ないけれど、その他は意外と落とし穴があったりする。

これらは物件情報に書いてあるから、別に行かなくても分かるのだけど、ごくごく稀に、物件情報に載っていなかったり間違っていることもあるので、要確認。

ガス

都市ガスか、プロパンガスか?
これは都市ガス一択。

プロパンガスはガス代が高い。
これはプロパンガス・スキームを利用している賃貸アパートとかだけなのかもしれないけど、他の面を考えても、プロパンガスはやめておきたい。

※ プロパンガス・スキーム:「うちのガスを利用してくれたら、内装設備やリフォームをタダにしますよ」と大家に売り込み、その分を月々のガス代に乗っけて、入居者に月々払ってもらい、回収するという仕組み。入居者からすると、月々のガス代高いな〜という印象になる。

補足

災害時などはプロパンガスの方が有利という声もあるけど、そもそもプロパンガスを採用している地域というのは、「都市ガスが通っていない」地域ということでもある。

そこはどういうところなのだろう?と考えると、立地上も上級者向けと考えるべきだろうと思ったので、避けた。

上下水道

上水道は井戸、下水道は浄化槽の場合がある。

井戸は水道代が掛からないし、浄化槽は汲み取りのお金はかかるが、下水道代は掛からない、ということで、物件も安いし、いいじゃんとも思った。

だけど、井戸は消毒の義務+検査があったり、浄化槽もメンテナンスを定期的にしなくてはいけなくて、それで価格差はほぼ消えてしまうらしい。

浄化槽は、もし、メンテナンスを怠ったり、ミスしたりして、汚水が土壌に漏れ出してしまうと、土壌汚染とみなされ、浄化にかなり費用も労力も大変だと聞いた。

さらに井戸も浄化槽も、「やっぱり、上下水道にしてもらおう」としても、引込や撤去の価格が結構かかってしまう。

というわけで、公共上下水道一択。

水道加入金が必要な物件がある場合もあるので、それも一応チェック。
普通の住宅の場合はほぼないけど、必要な場合は30万〜50万とかになる。

給湯器

コロナ後の半導体不足のときに、世の中が給湯器給湯器と騒いでいて、ナンノコッチャと思っていたけど、この給湯器、持ち家の人にとっては、「いつか必ず来る、壊れたら高いぞ」設備のようだ。

築10年あたりから怪しくなり、15年くらいになると、ほぼ来そうな感じになるらしく、しかも結構高額。だいたい20万くらいらしい。

だから、そのあたりの物件の場合は、給湯器がちゃんと動くか?交換の履歴はあるか?は聞いておいた方がいい。

個人相手の売買なら、設備の契約不適合責任は引き渡しから3週間が一般的。
だから、その間に必ずチェックしなくてはいけないけれど、ガスを通さないとチェックできないし、意外と忙しくて見逃したりする。

境界

その物件の境界がちゃんとはっきりしているか?をチェックしないといけない。

境界杭・境界標

こういうのって、トラブルもよく聞くし、もういい加減、気をつけているし、みんな解決しているだろうと、いい加減な気持ちで勉強していたけれど、実際には、境界標や境界杭がない物件が意外とあって、びっくり。

僕が見た築15年の物件でも、「築浅だから、まあ、見なくてもいいかな。けど、一応、チェックポイントだから」と探してみたら、なんと境界標の一部がない。

「あれっ、境界標がないけど、見つからないだけですかね?」と仲介業者に聞くと、「売買までに復元をしておく予定です」とか言われ、おいおい、信じられるかよと思った記憶がある。

もちろん、無くても図面があれば大丈夫なのだから、ない=ダメというわけではない。

2005年以降なら図面登録義務化

2005年以降なら境界の図面登録が義務化になっているらしい。
だから、一安心ともいえる。

ただ、上の築15年の物件も2009年築だから、「ああ、でも、図面があるんですよね。じゃあ、境界標が無くても、トラブルにはなりませんよね」と聞くと、「えっ、ええ、まあ」とお茶を濁すような回答だった。

その担当者が知らなかったのか、それとも、図面登録をしていないとか、図面登録をしていてもトラブルになるとか、何かあるのかもしれないと、その時感じたけど、その物件は買わなかったので、それきりだった。

越境していないか?されていないか?

境界の確認と同時に、その物件の何かが越境していないか?
逆に、越境されていないか?もチェックする。

「木の枝が越境されているのに、勝手に切れない」とかが一時ニュースで話題になっていたので、賃貸だった僕でも知っている問題。

だから、いい加減、解決しているだろうと思っていたら、これも物件によっては、かなりあった。

実際に越境されていて嫌だという問題だけではなく、「隣人がそういう人」という証にもなる。

ルーズな隣人の方が付き合いやすいという面もあるけれど、実害が伴うようなケースになった場合、例えば、隣家の木の枝が伸びて自分の窓ガラスが傷ついたとかになっても、対応してくれないことも考えられる。

ごく稀に電線などが空中越境しているケースもあったりするので、そういう特殊なケースは面倒なので避けるようにした。

メンテナンス履歴

これから基礎や外壁などを見ていくけれど、その前に物件情報欄にメンテナンス履歴があるか?見ておきたい。

メンテナンスをしている場合、価値を上げる要因だから、絶対に書いてあるはず。
ない場合は、まったくしていないと考えていいだろう。

その上で現地を見ていく。

基礎

境界の確認といっしょに、基礎部分も見ておく。

基礎にクラックがないか?

3ミリ以上+深さ4ミリ以上のクラックが入っている場合、要注意。
というか、この場合、ここで僕はやめた。

このくらいのクラックが入っている場合、修繕するのが大変だし、建物に大きな力が掛かっているケースもあるし、場合によっては傾いている可能性すらある。

それらが大丈夫かどうか?チェックするよりも、「売り主はこれを放っておいた」ということも考慮して、「管理状態が悪い物件」と判断し、避けるようにした。

実際に雨の日なんかはこれ以下のクラックでも、水が入って膨らんでいたりしていたので、やっぱり、基準以上のクラックが入っている場合はやめたほうが無難だと判断した。

あとクラックは全般的にタテよりもヨコの方が危ないらしいので、ヨコを見つけたら、より詳しくチェックするか、専門家に見てもらう。

基礎の高さをチェック

基礎高が300ミリ以上、できれば400ミリ以上

基礎が低いと、雨が入りやすく、湿気が溜まりやすかったり、シロアリが入ってきやすかったり、浸水しやすかったり、色々とデメリットがある。
そして、今の基準は上のものが基準なので、それに達していない場合は、売却時に不利になる可能性があるから、その観点からも避けた方が無難。

小さいクラック(ヘアクラック)は基礎までいっておらず、表面だけのクラックだから、大丈夫だそう。

床下通風孔をチェック

ある程度、築浅だったり、最近の物件はあまりないけれど、基礎に穴が空いている物件がある。

その場合は、

  • 金網があるか?・・・ない場合はネズミなどの害獣や害虫が入りやすくなる。

  • 高低差があるか?・・・地面よりも中の方が低ければ、水が入って、湿気もこもるし、シロアリリスクも高まる。

  • 周りにクラックがないか?・・・ここはクラックが入りやすいので、要チェック。

  • これをふさぐように荷物があったりしないか?・・・ある場合は換気ができないので、建物の状態が悪くなっている可能性がある。

をチェック。

木造の場合、湿気が大敵。
だから、床下に湿気が溜まれば、そして、換気ができなければ、基礎から腐っていったりする。
さらに湿気はシロアリなども呼ぶことになるから、さらにリスクは高まる。

床下通風孔がない場合は、どのように床下の換気をしているのか?一応、聞いておこう。

外壁

境界、基礎と同時に、外壁も一緒に見ておく。

ヒビやクラックが外壁に入っていないか?

外壁にヒビやクラックが入っていないかチェックする。
入っている場合は大きさや長さをチェック。

また、タテよりも横のクラックの方が雨の侵入が増えることもあり、要注意らしい。

それらがあるか、ないか?
修繕の跡があるかないか?
をチェックする。

ヒビやクラックは、もし重大なものだったら、大問題になるから、ある程度、大きなモノを見つけたり、ヨコに入っているものを見つけたら、専門家に見てもらうことにする。

チョーキングの有無

楽待のYoutubeなどでよくやっている、壁を少しこすってみて、「手に白い粉がつくかどうか?」というチェック。

ついている=チョーキングがある場合は、外壁の塗装をそろそろしなくてはいけないという合図。

ただ、これは、窯業系サイディング材の場合。

害虫の有無

ハチや鳥が巣を作っていたり、蜘蛛の巣が張っていたりしていないか?をチェックする。

それらがいるということは、毎回そこに作るということでもあるので、対処が必要になったりする。

素材の種類

外壁にも色々種類があって、慣れてくると、すぐに見分けることができる。

  • モルタル・・・小学校とかでよく見たようなヤツだったり、コテで塗ったようなおしゃれなヤツ。

  • サイディング・・・サイディングだけいうと、窯業系サイディング材を指すらしい。一番多い。

  • ガルバリウム・・・金属サイディングの代表。かっこいいし、長持ちするけど、金属だから錆びたりうるさかったりする。

  • ALC・・・燃えにくいこともあって、今、推しが増えている。

  • タイル・・・最強だけど、なにしろ高価。マンションとかに多い。

などが主なもので、それぞれによって、メンテナンスの方法もチェックの仕方も期間も違う。

上のチョーキングチェックは多分、サイディングだけだと思う。

とあいまいに書いてしまったけど、仲介業者さんも知らなかったり、素材を間違っていたりしたので、その素材と出会ったら調べるという感じでいいと思う。

中古住宅の場合は、だいたいのサイディングかガルバかモルタル。
新築の場合は、サイディングかガルバかALC。
だけど、どちらもほとんどの場合がサイディング。

形状(デザイン)による強度とメンテナンス費用

外壁、というか、家のデザインになるけれども、それが複雑な場合は、建築費、メンテナンス費用が、単純なものよりも、高額になる。

サイコロみたいな家が一番安くて、ここから離れるごとに高くなる。

強度も同じで、サイコロから離れれば離れるほど、弱くなる。

屋根

切妻、陸屋根、片流れなど、様々な形状がある。
デザインや隣家との距離感によっては、屋根が見えないこともあるので、その場合は担当者に聞く。

屋根の種類(形状)

色々あるけど、外壁と同じで、「普通のモノから離れれば離れるほど弱くなる」という感じ。

一番強いのが、切妻とか寄棟造とかの「よく見る、一般的な屋根」。
それに軒が大きければ、最強だとのこと。

この「弱い」というのは、「水に」ということで、雨漏りというのは天井から起きると思っていたけど、実際は「屋根と外壁のつなぎ目」「外壁」から起きることが多いという。

だから、この外壁や屋根と外壁のつなぎ目がさらされていると弱いということらしい。

そうすると、よく見るカッコいいデザインの屋根の

  • 片流れ・・・10:0のような髪型の、切妻の片方しかない屋根。軒のない方の屋根と外壁のつなぎ目がさらされる。

  • 陸屋根・・・真っ平らの屋上があるような屋根。全部さらされてしまうし、屋上部分の防水処理も必要になる。加えて、屋根が雨を流さないから、雨仕舞い(雨水の排出)も難しいし、排水溝の掃除も必須。だから「陸屋根は雨漏りする」と断言する人もいる。

これらは普通の屋根より弱いことになる。

もちろん、こういうカッコいい屋根にするのは、デザインだけの理由ではなくて、「せまい土地に軒の大きな屋根をつけると、家自体が小さくなってしまうから」という理由もある。

隣家から◯センチ離さなくてはいけないというのが法律的に決まっていて、住宅密集地では、軒を大きくしてしまえば、家も小さくなってしまう。

それにやっぱり工夫がされていて、陸屋根や片流れでも、ちゃんと対策をしていれば、それなりに強いらしいから、該当する物件の場合は、聞くことにする。

メンテナンス費用

複雑な形状であればあるほど、弱ければ弱いほど、メンテナンス費用も掛かるし、その期間も短くなる。

この観点からも、一般的な屋根の方が安心。

屋根の素材

スレート、ガルバ、瓦、アスファルトシングルなどがある。

  • スレート・・・一般的な屋根。外壁と同じようなタイミングで塗装メンテナンスが必要。

  • ガルバ(ガルバリウム)・・・金属屋根。スレートよりも長くもつし、メンテナンス費用は少なめで済む。けど、雨が当たるとうるさかったり、初期費用が高い。

  • アスファルトシングル・・・最近増えてきたらしい、アメリカなどではよく見るらしい屋根。軽い、安いなどのメリットがあるけど、砂粒が落ちてきたりなどするらしい。メンテ時期はスレートと同じくらい。

  • ・・・耐震性以外、色々最強。メンテ時期も長く、メンテ自体もラクだけど、重いし、飛ぶ。重いということは、耐震性に劣るということでもある。昔の瓦とは変わってきたところもあるので、昔から言われていることがそのまま通じるか?は要確認。

屋根の劣化度合い

上で素材ごとのメンテ時期を書いたけど、中古の場合、ちゃんとやっていない場合がある。・・・というか、多い。

上から見ることは困難だけど、一度、隣にマンションがあって、その戸建てを上から見ることが出来たことがあった。
すると、「2年前に外壁・屋根塗装済み」と書いてあったけど、どう見ても劣化が進んでいて、「うーん、ホントかな?」と思ったこともあった。
だから、メンテのやり方、その家固有の問題(海に近かったりすれば当然劣化は早まるなど)などによっても違うんだと思う。

だから、できるだけ、見えない場合も聞いたりして、チェックしたい。
もうドローンを飛ばしたいくらい。

フラット35S

以上のことを見てきたけれども、ちょっと面倒だなと感じた場合、裏技もある。

フラット35には亜種があって、35Sがある。
35Sの中にAとBがある。

それで、このフラット35S、「これは良い住宅だね。なら、金利を安くしてあげるよ」というもので、ちゃんと外部の人がチェックしてお墨付きを与えているらしい。

例えば、フラット35で基礎高が300ミリの条件だったものが、フラット35Sだと400ミリになっていたりする。

だから、中古ではあまり多くないけれど、住宅ローンを使わなくても、フラット35Sが適用になる物件かどうか?は気にした方がいいかもしれない。

色々なチェックをある程度、省略できるし、自分以外の人のチェックも入っているし、売却時にも有利だから。

駐車場

駐車場については前回に書いてしまったので、ここでは詳しくは省略するけど、現地にいかないと分からないこともあるので、追加で書いておきたい。

  • 停めやすいか?・・・これについては、Googleマップのストリートビューで見たとしても、現地の方がより分かりやすいので、改めて、チェックしておく。前面道路の形や交通量、幅員などによって、全然変わるので、そこもチェック。

  • 出入りのたびに気まずくないか?・・・これは仕方ない部分もあるけど、隣家と駐車場や玄関が被っていたりすると、車を使うたびに顔を合わせたりして、気まずい思いをする可能性がある。別に平気だと思っても、どうしても他人と顔を合わせたくない時だってあるだろうから、ストレスに感じる時もあると思う。

  • 物件情報のとおりか?・・・2台駐車可と書いてあっても、実際はとても2台は無理だったりということもあるので、確認しておく。

二台駐車可でも、縦列と横列は全く違うし、物件の人気も変わってくる。
でも、だいたいは「停めやすいか?」と自分で考えてみれば、車を運転する人なら分かると思うので、「うわー、停めづらそう」と思ったら、不人気になる・・・という感じで判断すればいいと思う。

こういったことは「このくらいいいか・・・」と思うと、後で後悔しそうなので、本当にいいかどうか、色々な条件の兼ね合いから考えたい。

まとめ

外観だけだとこんな感じだと思う。

最初に物件についたときに、まずはぐるっと一周して、これらを見て歩く。
慣れれば、普通に一周するだけで大体のことが分かる。

物件探しをしていると、普通に歩いているだけで、単純に家に過ぎなかった各お宅の外壁などの種類が分かるようになって、「おお、これはガルバかー」とか「サイディングだけどタイルっぽいデザインにしたんだな」とか、楽しくなってくる。

さて、次はいよいよ物件の中に入っていきたいと思う。




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