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投資において為替は気にしないほうが良い理由

予想・予測に頼らない投資シリーズの続編です。

為替は予想・予測のネタとしてよく用いられます。

こういった為替を専門で扱う方々が足元の為替相場の予想をしたり、

こうした尖った意見を述べることで存在感を発揮する方もいます。

1ドル50円の超円高から1ドル500円の超円安まで肩書きのある方がそれなりに理由をつけて予想を述べるだけでポジションを得ている状況こそ、為替の予想・予測が常に需要があることの傍証でもあります。

為替の予想・予測は「情報を売るためのネタ」としては格好の材料でもあります。なので身もふたもない話を最初にすると為替の勉強をして、そこで学んだことを情報発信することでお金を稼ぐことができるようになるはずです。良心が痛まなければですが。

本題の投資の話に戻すと、為替は投資においてよく扱われるテーマです。
その理由は
・投資のパフォーマンスに影響するから
・投資先、投資判断に影響するから
・為替を理解することでFXを始め、為替を使った投資で稼ぐことができるから
など挙げられますが、もう1つの要素として為替は「その通貨自体の価値の上下動+相対する通貨の価値の上下動」の2つが関連してくるため「予想が難しい」点が関心を集める理由です。

なので為替を勉強して上下動のメカニズムを理解すれば投資を制することができると一見思ってしまいますが、それはです。

為替は<為替取引をしない限りは、投資パフォーマンスに影響を及しません>

日本株に投資していると株価が上下する要因に円高・円安が挙げられることが多いため、株式投資を理解するには為替を知っておいた方が良いと思いがちですがこれは日本が経済の仕組み上為替の影響を受けやすいからです。

日本円で投資をした場合、額面上1円のものは未来も変わらず1円ですし、米ドルで投資をした場合、額面上1ドルは未来も変わらず1ドルで変わりはありません。日本円↔︎米ドルの為替取引を行うことで今の1ドルは将来100円になるかもしれないし、200円になるかもしれないブレが初めて生じます。

海外投資を行う場合、最初と最後で為替の影響を受けることになりますがここでも「投資をした商品のパフォーマンス」こそ重要であり、為替は本来気にしなくて良いものです。

例えば
1ドル:100円で100万円の米国株を購入した場合→1万ドル分の株式を購入

10年後この株式が2倍になった場合(銘柄によってはこれぐらいの時間をかけてこれぐらいのパフォーマンスを発揮することは普通に想定されるかと思います)、1万ドル分の株式は2万ドルになります。

仮に2万ドルの株式を日本円で売却した場合
1ドル:100円の場合:100万円→200万円(以下、税金は考慮せず)
1ドル:75円の場合:100万円→150万円
1ドル:50円の場合:100万円→100万円
となるため、1ドル50円といった超円高シナリオにならない限りは円でもドルでもどちらでもリターンは確保できることが分かります。

この例はスポットで1回取引しただけですが、実際は様々な為替相場の変動がありますし、積立投資をしていた場合、投資回数を重ねると平均購入価格が平準化されるように、為替の影響も平準化されます。

また売却時の通貨は自分で選択することができるので
(といっても大抵の場合、円かドルの2択ですが)
・国内(円建)投資した商品は為替を気にしなくて良い
・海外(外貨建)投資した商品は「自分に有利な通貨を選択をすれば良い」

と整理できます。つまり投資において為替の上下動に一々一喜一憂する必要はないということです。

さらにFXのような為替取引によって収益を得る投資商品は性質上、ゼロサムゲームであるためその投資でリターンを得るのは難しく投資先の選択肢としては不適切であることを踏まえると投資において為替の予想・予測はそもそも気にする必要がないものと結論付けることができます。

為替の予想・予測をするぐらいなら株式・債券・不動産・コモディティなど投資先の勉強をした方がまだマシだと思います。

整理すると為替の予想・予測は
・自国内で完結する投資においては考慮不要
・海外投資の場合、自分に有利に働く選択肢を採用すれば良いので考慮不要
・為替の上下動を使った投資は手を出さない方が良いので、考慮不要
・為替の予想・予測を情報として販売するのは収入を増やすという観点で有効

ということです。



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