インデックスではなく個別株に投資している理由
私は個別株メインに投資しています。確定拠出年金、つみたてNISA、クレカ積立といったインデックスファンドを選ばないといけないもの以外はアメリカ中心に個別株オンリーで投資をしています。
その理由は
1.企業に投資したかったから
2.もらえる配当の安定性
3.手数料
この3つです。順に説明します。
1.企業に投資したかったから
厳密にはETFや投資信託も企業に投資しています。S&P500インデックスならS&P500に含まれる500企業に分散投資しますし、オールカントリーなら8000
企業に分散投資することになります。
個別株は1つ1つ企業をピックアップして投資をするのですが、「投資している企業が手にとって見える状態」にしたかったというのが個別株を嗜好している理由です。
言い方を変えると「投資先企業の活躍が分かる状態」にしたかったということです。
例えばマクドナルドに投資していれば近所のマックに行列ができているのを見て嬉しくなりますし、スーパーやドラックストアでP&G商品が多数陳列しているのを見たり、手にとって買っているのを見て売上につながっていることを実感できます。クレジットカード決済をしている人を見てVISAやマスターカードの業績に思いを馳せたりとかそういった感じです。
日本株に投資するとよりその感触が実感できます。身近なもの日常にあるものが実は投資に繋がっているんだと感じ取ることで「投資のモチベーション」に自分の中では繋がっています。
私は売ったり買ったりトレードするよりも、業績などを頼りに企業に投資して長い期間支える(実際には株を買う=企業を支えることにはならないのですが、感覚として持っておくことが大事)方が楽しいので、その楽しみをリアルに感じ取れることを第一にしています。
ETFや投資信託だとパッケージ越しに間接的に感じることになります。これはこれで大事なのですが、自分の好みと合わないところがある。そう言った話です。
2.もらえる配当の安定性
ここからは実利的な話です。ETFや投資信託の場合、配当は出ますがいくら配当として拠出するかは「運用会社の判断」に委ねられます。
↑はVT(全世界株式のETF)の配当金です。2019年→2021年にかけて一時的に減少していることが確認できます。コロナショックで株式が低迷したことが原因です。
各企業ごとの配当を見るとコロナショックがあっても増配している企業はそれなりにあったのですが、ファンドとしては均されてしまうため、配当だけで評価すると安定性は個別株に軍配が上がります(ただし、連続増配株など優良企業に限る)。
3.手数料
これは長期間ホールドした場合に限定されますが、個別株は「保有手数料」がかかりません。将来口座維持手数料が取られるのであれば別ですが、個別株はどれだけ持っても売らない限りは手数料は購入時にかかる分のみで済みます。
一方ETFや投資信託は「信託報酬」という維持手数料のようなものが毎年取られるため、差はそれほど莫大なものではないですが長期的にはバカにできない差として現れてくるものとなります。
理論上は自分でファンドを運営するイメージで個別株を購入し、ホールドした方が良いということになります(ホールドするのは言うほど簡単ではないですが)。
<インデックス投資の大家も個別株投資に言及している>
山崎元さんといえばメディアや著書でインデックスファンド運用を激推ししており、イメージとしては「インデックスファンドの人」という感じですが、実は投資に関して奥の深い考察をしており、↑の記事にあるように「個別株にチャレンジして欲しい」と言うスタンスの方でもあります。
「趣味として」奥の深いと仰っているので、誰にでも勧められる素晴らしいものではないという前提がつきますが、選択肢として個別株がある点は見逃せません。
<個別株を長期間継続的に楽しむには?>
奥が深い、味わい深い趣味として投資と長く付き合うことが大事だと思っています。個人的には長期間投資をすることでブレが少なくなり、投資の成果が得られるものだと理解しているので、「長期間継続して投資をすること」を大事にしています。
でも大半の方が個別株投資を避けている理由である「価格に一喜一憂してしまう」「企業の業績や決算をフォローしないといけないから大変」といったデメリットが長期継続を阻害するのも然りです。
私は以下に挙げるやり方で上記のデメリットを軽減させています。
A.なるべく分散させる(ポートフォリオ全体で評価する癖をつける)
B.インデックスのパフォーマンスと比較する
C.自分が理解できる企業にだけ投資をする
D.その上で個々の企業の取り組みを見ながら満足度を高める
E.配当金を楽しみにする
A.なるべく分散させる(ポートフォリオ全体で評価する癖をつける)
個別株投資をする方は集中投資、あるいは複数株投資するにも「管理できる銘柄数」を意識している方が多いと思います。
この場合上手くいけば資産をどんどん増やせるのですが、失敗すると大きなマイナスになってしまいます。それでも現物を買う限りはどれだけ失敗しても買った分だけマイナスになるだけなのですが、長期的に継続するモチベーションは損ねてしまいます。
山崎元さんも「ポートフォリオ全体で見る癖をつけなさい」と言っているように個々の銘柄の株価を追いかけるのではなく、組み合わせて作ったポートフォリオがどうなっているのかに着目し、構成している銘柄の上下動は気にしないことが長く続ける上でまず大事なことだと思います。
それゆえ「分散」が鍵を握ります。なるべく多くの企業に分散させて個々の企業のパフォーマンスの影響を減らすことで楽しむことと安定的に資産形成することを両立させ、長期的に投資することに繋げるという考え方です。
この考え方で投資している人は案外少ないと思いますが、巷に出てくる「成功した投資家」の方は結構複数銘柄に分散している人が多い印象です。優待生活でお馴染み桐谷さんも非常に多数の銘柄を所有して成功を収めています。
B.インデックスのパフォーマンスと比較する
とはいえ自分の選択が誤った方向に向かっていたら元も子もないので、ポートフォリオのチェックは必要です。
この時役に立つのがインデックスです。
例えばダウ平均やS&P500と比べてパフォーマンスが極端に悪くなっていたら、自分の選択にどこかおかしなところがあると気づきます。
逆にいえばそうでないことが確認できている限りは、自分の選択は間違っていない・仮に全額インデックスに突っ込んでいたとしても同じ結果かむしろ悪い結果になっていると思えば安心できます。上述の「ポートフォリオ全体で評価する」話にも繋がりますが、パフォーマンスに関しては個々よりも全体を見る方が長期投資には適しています。
C.自分が理解できる企業にだけ投資をする
ここからは個々の話になりますが、まず自分が理解している範囲に絞ることを挙げました。投資先の企業がどういったことをやっていてそれを簡単に人に説明できるくらい理解していれば目先の変動を気にしなくても良くなりますし、大きな変化にも気づきやすくなります(それが問題あることかどうかの判断含めて)。
知らない・理解できないものはちょっとした変動でも気になりやすくなるので心理的な安心感を得る意味でも「理解できる範囲を知り、そこに留めておくこと」は非常に大事なことだと思います。
D.その上で個々の企業の取り組みを見ながら満足度を高める
理解できる企業に投資した上で、個別株投資の最大の醍醐味?である「個々の企業の取り組みをウォッチして楽しむ」ことを全力で味わっていきます。
と言っても先に触れた通り、日常の中で投資した企業の製品やサービスが頑張っていることを確認したり、見えないところで貢献していることをそっと楽しむとかそういったものです。
私は「見えない小人が、自分が起きている時も寝ている時も頑張って稼いでいる」姿をイメージしています。ここまで書くとスピリチュアルの世界に足を突っ込んでしまう笑い話になってしまいますが、趣味としての楽しみでもあるので長く取り組めることとしてこういった楽しみ方もありますよということが伝われば幸いです。
E.配当金を楽しみにする
個別株投資の楽しみはもう1つ。配当金が定期的にもらえると言う点です。
これも心理的効果になりますが、ETFに集約すると年4回に限定されますが、米国株を25銘柄保有すると例外はありますが、年4回配当がもらえるので×25銘柄=100回配当が貰えることになります。約3.5日に1回配当が得られるペースです。
毎月の給料・ボーナス以外にお小遣いが定期的に貰えると思うと人間現金なので嬉しいと思うはずです。
この心理を長期投資のモチベーションに繋げようという話です。
無論、配当はお小遣いにするよりも再投資した方が資産拡大のペースアップに繋がるので再投資資金が提供されたと思ってどんどん再投資していった方が良いです。
※配当金を受け取るということは企業の利益の一部を払い出すことになりますし、貰う都度税金が取られて、再投資するごとに手数料がかかるので、厳密には喜ばしいことではないのですが、ここでは理論よりも長期投資に繋がるモチベーション維持・向上を優先した考えを述べています。
メンタルに踏み込んだ部分が多々ある点もあるので、個別株投資は「誰にでも勧められるものではありません」
相応に事前調査や投資判断が必要となるので慣れた人向けの話でもあります。
ただ、趣味として楽しめる良い部分もあるという話なので投資といえばインデックス積み立て一択とは限らないという点が、読んでいて伝わったら嬉しい限りです。
ご賛同いただけたらぜひ試してみてください。見え方・普段の生活が変わってきますよ。
よろしければサポートをお願いします。 頂いたサポートはより良い記事の執筆に活用します。