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高揚感なき株高 上昇は続くか

日経平均株価、TOPIX共に連日の史上最高値更新。

ETF分配金捻出売りの影響が警戒されるなか、日経平均株価は一気に42000円台に乗せてきました。TOPIXも連日で史上最高値更新。

株価、非常に強いです。

・・・ただ、高揚感のようなものは全く感じられません。

7月8日に発表された6月景気ウォッチャー調査は

現状判断DI(季節調整値)が、前月差 1.3 ポイント上昇の 47.0
先行き判断DI(季節調整値)は、前月差 1.6 ポイント上昇の 47.9


5月から改善していましたが、好不況の分かれ目とされる50は下回っています。
5月まで3ヶ月連続で現状判断DI、先行き判断DI共に低下していました。
景況感は良くありません。

日銀短観も大企業製造業は円安効果で上振れましたが、非製造業がいまひとつ。

先月出た1〜3月期の国内総生産(GDP)改定値も冴えませんでした。

・・・しかし、これだけ冴えない指標が並ぶ一方で株価は非常に強いです。

こうなってくると「株高はおかしい」と考えがちですが、そこは切り離して考えないといけません。

この先の改善を織り込む形で先行して上昇しているケースもあれば、不況でも株高が続くケースもあります。

今年1月以降の株高もそうですがコロナショック以降は、株価指数が高値更新すると上昇が加速する傾向があるだけに固定観念は持てませんね💦

「高揚感なき株高」と書きましたが、市場のセンチメントは可視化出来ません。

それを測る指標としてVIX指数や日経VI(恐怖指数)があります。

ただ、VIXやVIは極度の悲観状態を判定するのには使えますが、極度の楽観状態はVIXやVIから判定出来ません。

私が悲観状態と楽観状態を判断するに当たって参考にしている1つの指標が松井証券が発表している信用取引指標。

松井証券 信用評価損益率

きのう7月10日の時点で信用取引の売り方評価損益率が-18.158%。
当然ですが、売り方は大きな含み損を抱えています。

一方、これだけ株価が騰がると信用取引の買い方はさぞ儲かっているだろうと考えがちですが買い方の信用評価損益率は-5.22%。
買い方も損失を抱えています。

面白いのは先週の7月4日(日経平均株価終値40604円15銭)、
この日の買い方の信用評価損益率は-4.139%だったのですが、そこから1800円も日経平均株価が上昇したにも関わらず10日時点で-5.22%と損失が増えている点です。

最近は個人投資家に人気の新興銘柄や低迷が続いているセクターの銘柄はさっぱり、
時価総額の大きい日経寄与度上位やTOPIXコア30銘柄の一方的な上昇が続いていますが、その影響が出ている様です。

ちなみに、この買い方の信用評価損益率が今年プラスになる場面がありました。
3月5日(+0.074%)、3月6日(+0.531%)です。
そこからはマイナスが続いていますが、日経平均株価は3月22日に高値を付けています。

この買い方の信用評価損益率、最近本当にプラスになることが少ないのですが、今から11年前の2013年は1月から5月までプラスの期間が目立ちました。

2013年の5月14日には+9.49%まで上昇しています。
バーナンキショック直前ですが、アベノミクス期待に満ち溢れていた頃です。

もし、この買い方の信用評価損益率が10%近くまで上昇した場合は、目先の天井を警戒した方が良いかも知れません。

・・・この先、そんな時代が来るのかどうかは分かりませんが(笑)

とにかく、日経平均株価が史上最高値でも、いまの日本の投資家のセンチメントは熱狂とは程遠い状態といえます。

テクニカル的な過熱感はありますが、行き過ぎるのも相場。
先入観は禁物ですね。

このサイクルがどこまで続くのか分かりませんが、分析を絶やさず自分なりに仮説を立てていきたいと思います。





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