作家 鏡月 玖璃子 夜の窓の光
狭き牢獄の窓から光はさす
光はそれぞれの心の奥底を照らす
彼女ほど一冊を何度もよみかえして
見える光景が違う小説をかける人は
いないと思う
人は一人それぞれが部屋に閉じ込められ
窓を見つめるようなものだと思う
夜の窓の景色は、人それぞれで
その外にてを伸ばすことは簡単には
出来ない
いやほとんどの人は出来ない。窓を見つめることしか、出来ない。
しかし、それは漆黒ではない。
じっと窓を、そして自らを見つめると
月の明かりが降りてくる。その降りてくる位置もそれぞれの場所に降りてきて、その照らす様も異なる。
パウロは、閉じ込められた牢獄でペンを走らせた。窓を眺めつつ、一人を見つめたとき、一人ではない、漆黒を見つめたとき、
漆黒でない
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?