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[事例集]食物アレルギーひやりはっと2022

最終更新2023年5月28日

食物アレルギー事例集@2022年版から、
ツアーでも起こりうる事例をピックアップ+ツアーナース目線で薄いコメントを残すだけの内容です。

防げるもの、防ぎようがないもの、様々あります。そんな中でも活路を見出し、業務の参考になったら。

ピックアップ内容がほんと最低限なので
余裕があったら、リンク先の原本から全部に目を通すことをお勧めします。

[参照]本編の目次

食物アレルギー事例

◇ジュースのノズルから牛乳混入

14p

このタイプの飲料自販機。
宿舎でのビュッフェや、サービスエリアでの自販機(小学生は利用不可の場合多く、中高生以上)などで利用することもあり、起こり得ることですね。特にもSAで買って飲んで、高速道路移動中に...など恐ろしいで。


◇卵のついたトングを触って

19p

ビュッフェでトング使い回しはあるある。

ただ、ツアーの場合
アレルギーのある子は、最初に選んで使い回しによるアレルゲン付着を防いだり、ビュフェ不可でセットメニューだったり配慮はされています。方法は宿舎・食事会場によって対応は様々ですが、団体によっては「中高生だから自己防衛できるし大丈夫」と雑に管理するところもあり、注意が必要かも。
いくら偏差値高くても、普段しっかりしていても、思わぬことが起こるのが旅行という非日常ですからねぇ。

◇アイプチにもアレルゲンあり

19p

これ知りませんでした。
基本、メイクは不可ですが修旅となるとこっそりやる子も多いです。友達同士でアイプチ貸し借りとかも充分ありうるので、ちょっと怖いですね。

◇他人の食べカスが舞って発症

21p

これ、一番怖いのは担任の対応ですよね。
呼吸器症状出ているのに、単独で保健室に行かせるとか。非医療者にここまでの判断を求めるのは酷なのかもしれませんが、保健室に辿り着けずに途中で倒れていたら…生命に直結する恐ろしい事例です。

◇エピペン拒否

24p

過去受講した、アナフィラキシー対応の実務研修。
本人が断固拒否とか、暴れて全然打たせてくれないなど、お作法通りじゃないパターンを経験させてもらい、アナフィラキシーについてはかなり勉強して基礎知識はあると自負しているので、拒否っても打つ(ように介助)できる自信はありますね。でもこれ、アナフィラキシーもわからず、エピペンを初めてみるレベルの看護師だって同行しているのがツアーの現実なわけで。
ありとあらゆる想定をして、トレーニングを積み重ねていきたいですね。

◇食物依存性運動誘発アナフィラキシー

25p

ツアーでも、食後に運動しがち。
昼食後にハイキングとか。夕食後にスポーツ大会、キャンプファイヤーなど。
よって、各食後はすぐ連絡がつく場所に待機するのは心がけています。

というのは、小学生の林間学校で、食後の夜間キャンプファイヤー中に入浴で抜けるツアーナースさんが多いこと。
看護師2名以上体制で、どちらか残っているのはいいとして、ソロ添乗でも抜けちゃうので怖いなと思っています。私、細かすぎかしら。
もちろん、そんなのいちいち指摘したらウザがられるから胸の内に秘めているけれど。

◇おかず交換

28p

本人が断れないや、ちょっとくらいならいいやと食べちゃうのは、割と修学旅行あるあると思っていますがどうでしょう。
食べちゃったのが先生にバレて、2時間は運動厳禁・保健室or看護師の目の届く範囲で活動など、経過観察になったこ何人か対応しています。
中高生に多いかな。

◇たこ焼きの加熱が甘い

32p

中高生の自主研修の食べ歩きで起こり得るのかもしれませんね。こればっかりはね、もう運要素も強いような。

◇目薬に鶏卵のアレルゲン含有

35p

これについては、8年前(H27)に厚労省から下記のようなおふれが出ているのでもう存在しないのかも。

おそらく、該当商品は
スマイル40メディクリア(ロート製薬)だったんですが、DXに生まれ変わりリゾチーム非配合になっているし。

いずれにせよ、市販薬といえども看護師から薬を渡すことは無く。ただ、海外添乗とか状況に応じては保護者許可の上で内服してもらう場合もあるので、その際の成分確認と説明には気をつけたいですね。

◇ナッツ類要注意

これもねー。
保護者の指示で、他のナッツは大丈夫ですので!と食してOKと言われていても、正直看護師としてはリスクのあるものは食べないで頂きたいと思っております。

旅行中なんて、リスク高いですからね。

アナフィラキシーガイドライン2022 16p引用
クリックでリンク飛びます

運動・ストレス・非日常的な行動のトリプルパンチじゃないですか。修学旅行なんて。こわいこわい。

シチュエーション別事例

◇くしゃみでアレルゲン飛んできた

52p

似たようなことありますね。
京都修旅での、恒例すき焼き。隣の生徒の卵が飛んでしまった、卵アレルギーっ子が、触れちまいましたー!と焦って申告してきました。
急いで洗い流しつつ、念の為経過観察。私はすき焼き食べられませんでした。いや、そんなことはいいんですが、うっかり浴びちまった系は起こり得ることですね。

◇原料に含まれていたダニで発症

53p

そんなマニアックなこと起こるかよ!と思いますでしょ。
過去に同ケースでアナフィラキシー起こしたって生徒、2人ほど見たことがありますね(※既往として)。
それにより、広島添乗でお好み焼き食べるから気をつけてくださいと言われましても。
そこは、旅行会社からお好み焼き屋への確認になるので、看護師としてはなんとも。とりあえず、こんなこともあるんですよという情報としてピックアップ。

◇おかわりで、アレルゲン摂取

55p

おかわりでのアナフィラキシーといえば、調布の事例を思い出して胸が痛みますね。
この事例の記載で着目したいのは“4月の慣れていないバタバタしている時期“で情報共有が薄いこと。
春の添乗って、アレルギー情報に限らず学校としてもイマイチその子のことを把握していない(仕方ない)こともあったり、微妙にクラスがまとまっていなかったりとで、秋に同行するより若干大変かなと思うのですがいかがでしょ。
もちろん、全学年単学級で持ち上がりなので新年度であろうが児童のことよくわかっていますだったり、中高一貫なので情報共有取れていますって場合も多いので、一概には言えないんですが。

◇カルピスは牛乳原料

55p

これは私が単純に知らなかったのでピックアップ。
カルピス、乳製品だったのか!そりゃそうだよな。一般常識か。

◇味へこだわり勝手に牛乳投入

55p

ある意味テロだよなー。
プロ意識が高いっていう見方もできるかもしれんが、今の時代アレルギー含めてあらゆることに配慮しての食ですからね。これやられたら、もう何もできないよね。

◇ベーコンは卵含有している場合あり

57p

これも私が知らなかった系。
ベーコンやハムには、結着材料として卵配合と。まぁ、この事例のように成分表確認を怠らなければ防げた事案なので、いいんですがへー!と思いました。

これまでの事例でも共通していますが
とにかく思い込みは厳禁、とにかく成分確認ですね。

◇牛乳パックの工作で蕁麻疹

65p

自宅から牛乳パック持ってきて工作系の添乗、ちょいちょいありませんか。私は毎年同行している学校でありますね。
かといって、ツアーナースの立場でそこまで事前にお話しはできないので、そういった事例もあるので牛乳アレルギーの子は気にかけて見守ろうということに留めるしかないかなー。

◇運動場の白線に卵殻成分あり

65p

スポーツ系の添乗とかで起こり得るのでしょうか。
そもそもラインパウダー自体、使うような添乗に…と思ったらあったわ!高校生の林間学校の某イベントでめっちゃゴリゴリ使ってたわ!
といっても、結局ツアナスとしては前ケースの牛乳パックと一緒。
ただ、知識としてラインパウダーに卵アレルゲン配合というのは覚えておいた方がいいかしら。

◇ジーマミー豆腐はピーナッツだよ!

67p

沖縄そばに蕎麦粉入っていないよと一緒ですよね。
これにしたって、成分確認したら防げる話ですし。流石に、沖縄修旅って学校で毎年行ってるでしょうから、ジーマミー=ピーナツという事実が抜け落ちることはないかと思います。
ただ、本人が知らずに自主研修で食べる可能性はあるかも。


ヒヤリハット事例集から学ぶこと、ツアーでの傷病予防に活かせることは多いです。下記書籍もおすすめ。

こちらは、各養護教諭さんからのレポートを読みやすくアレンジせずそのまま載せているだけの本でして。
レポートによっては、マジで文章力なさすぎて意味わからん、読みにくいものもありますので注意。

↑こちらのレビューも書いています。
めっちゃ途中になっていますが、続きは書く気満々。ただアクセスが異様に少ないので、優先順位下位になっているだけ。

服装や持ち物、救急バッグやビギナーズ系など
ライト層向けの記事しかアクセス増えないっすねー。己の力不足に尽きるんですが、本来このnoteはツアナス専中堅以上のマニアックな内容を綴るなので、得たい読者層にヒットしてないのが無念。
(まだ5月だが)今年は忙しいので、来年あたりからそういったことも配慮して構成や内容を整えたいですね。

と、大幅に脱線しておしまい。