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Denmark 1 ~出国編~

ちょっと明日あそびに行ってもいいかな?

そのぐらいふわりとした気持ちで
友人を頼って翌週には航空券だけを決めた。

トランジット、失敗?

せっかくいくのだからと
途中のトランジットでタイ料理を
たべつくすツアーをひとりで敢行すべく
30度近くある国にセーターとコートを
はおったままで降りたった。

結論だけ先に述べると
Wi-Fiがうまく繋がらず
目当てのごはん屋さんには
たどりつくことができなかった。
空港のラウンジでようやく
タイ料理に出会えたのである。

ちなみにいちばん美味しかったのは
セブンイレブンのホットサンド。
(もしタイに行くことがあれば
ぜひ食べて見てほしい。こころから美味しい)

おかげさまでさっさと空港に
逆戻りしたので乗り継ぎに失敗することはなく
無事、タイからコペンハーゲンへ。

Copenhagen から Vejle

出発からほぼまるいちにち。
ようやくコペンハーゲン空港へ。
つめたい空気がほおをなでた。
ひさしぶりの新鮮な空気におもわず
深呼吸をしたくなるけれど
ここは異国、まだ気をぬくわけにはいかない。

無事に切符を手に入れて
空港から都市部へとむかう。
朝の7時過ぎでもまだ街はくらい。
車窓のむこうに想いをはせながら
目を凝らしてみたけどなにもみえなかった。

コペンハーゲン中央駅。
つぎにのる電車まで2時間ほど、
駅のカフェで借りた本を読む。
ひとから借りた本を読むのは
その人を思い出せるので心底ほっとした。
見知らぬ国ならなおのこと。

ひとまずの目的地は
コペンハーゲンから電車で2時間半の
Vejle(バイレと読む)という街。
駅のスーパーで買ったヨーグルトと豆サラダを食べながらながれる景色を見て過ごした。

いちばんに感じたことは
むらさき!
日本でみるそらやくうきはどこか
みどりがかっていて濃淡がはっきりと
しているけれどこちらはむらさきがかっていて
境界線がとてもあいまいだ。

見慣れないものばかりにわくわくして
写真を撮っていたらこわもてな車掌さんが
はなしかけてきた。
もしかしてカメラはだめ、、?

ー 切符ならあります!

と思わず半泣きになってしまう。
だってこれくださいしか話せないから…

ー いやいや、写真撮ってあげようかと
おもって!ちなみに切符もみせてね〜

きゅうにいい笑顔のおじさんになって
すごくほっとした。よかった。

こうしてどうにか、こうにか、
ともだちの暮らす遠い国の田舎町Vejleに
ほんとうにほんとうに来てしまった。

Engelsholm Hojskole

駅からの道中タクシーのおじさん
にどこから来たのと訪ねられる。

ー日本からきたよ

ーわぉ!素晴らしい国だよね。
キョウトとナラにいったことがあるけど
ほんとうに美しいところだったよ。

ーそっか〜いいよね。わたしもすきだよ。

お世辞かどうか。
見分けられるほどの英語は話せないので
会話はこんなかんじでフェードアウト
してしまったのだけど、
じぶんへむけて言われるたことのようで
なんだか面映ゆい気持ちになる。
この国の人に日本はどう映っているんだろう...

そうしているうちに
町をとおりすぎ、森をとおりぬけ、
うつくしい湖にかこまれたお城が現れた。

ついに子供の頃あこがれていた
プリンセスになれるかもしれない…
乗ってきたのは馬車じゃないけど…

やっほ〜〜
ひさしぶりの日本語。

むかえてくれたのは
写真家であり学生であり友人の
さゆりちゃんだ。
髪の短さと内面のいさぎよさが
とてもしっくりくる女の子だとおもう。

ひととおりの事務手続きをすませ
荷物をおいたあとで学校を案内してもらう。

ここは築500年のふるいお城で
校長先生自らが音楽家の芸術系の学校。
常に80人ほどの国籍も言語も年齢も様々な
生徒たちが暮らしの中で学んでいるところ。

工房は24時間あいているのですごい。
みんなじぶんの心地いいときに作業できて
いいなぁとおもう。

あとたしかに階段は傾いているし
隙間風もとおりぬけるけど
ふるい、というのは
あまりに惜しい。趣のある建物だ。
それにまわりに息づく自然の美しいこと。

友人のさゆりちゃんは
そんな場所でVRを学んでいるんだって。
湖や城壁がスクリーンがわりになるなんて…
すごいなぁ、もいいなぁ、もとまらない。

いちにちめはここにいるひとたちや
日の沈む時間、夜の寒さ、食堂のつかいかた、
そういうものに慣れることで精一杯のまま
おわってしまった。

2日目。朝。

朝8時でもまだうすぐらいくらい。
食堂にたちよってりんごと熱いお茶をもらう。

美しい夜明けを見つめた。
いつもなら写真は横向きに
撮る方がしっくりくるのだけど
この国はあんまりに空がひろくて
ついつい縦でとりたくなっちゃったんだよね

陽がはんぶんのぼったころ
こんどは森をめざす。

昨晩さゆりちゃんと小1時間ほどの
散歩をして木々の背の高いことや
鳥の声につつまれることにうれしくなって
朝になったらまた散歩に行こうと
決めていたの。

ただ、
自然の中に身をおく。

ただ、それだけのことが
どうしてこんなにも素晴らしいんだろう。

よい旅のはじまりに。
またつづきをかくね。

#百花の旅のはなし #旅とわたし

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