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どこかに行くと

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森をでたらひとになる

このあいだの休み、 バスに運ばれてともだちの住む益子へ。 森の学校に通っていた時に ヒーターのうえではじめましてをしてから すこしずつ友だちになりました。 お寺の子で鬼ごっこもかくれんぼも 大縄もできるくらいおうちがとにかく広い。 わたしは二階の奥から二番目にある その友だちの部屋が心底すき。 手をかけて塗られた漆喰の壁。 天井を抜いて作られた部屋は 現像をするためのとくべつな場所。 ひしめく本たちとたくさんの花。 時には映画館にもライブハウスにも かわります。すごい。

日本の北欧

ひとつまえの ながい、ながい旅の話も 書き終えぬままにしていたら あっという間にふた月もたち 喜ばしいけれどまた次の旅に でかけることとなってしまいました。 このまえの帰り道は まるいちにちだったけど 今度は新幹線で2時間です。 ついたらまるいちにち仕事です。 きょうは何時に帰れるのかしら、 と思いながら お酒くさくないといいな、 と思っているところです。 今度の旅は このところいろんな話を 打ち明けることの多いふたりと一緒に。 目的はとくべつなくてひとまずは ともだちを

日本の北欧 3

会話じゃなくて 対話ができるひとだから と言われたのあれは本当かしら。 そんなこと考えながら それをいった本人の背中を おいかけて灯台まで散歩をした明け方。 その日は 3回くらいお別れをやってから 輪島をあとにして金沢へむかいました。 美術館をひとしきりめぐって クレープをまわし食べしたあとで 魔女のいる喫茶店にいきました。 道中はさむくて、さむくてたまらなくて ふたりの間にできるだけはさまって 歩きました。 (ずるいでしょう) 魔女のいる喫茶店。 見たらわかるといわ

Denmark 1 ~出国編~

ちょっと明日あそびに行ってもいいかな? そのぐらいふわりとした気持ちで 友人を頼って翌週には航空券だけを決めた。 トランジット、失敗? せっかくいくのだからと 途中のトランジットでタイ料理を たべつくすツアーをひとりで敢行すべく 30度近くある国にセーターとコートを はおったままで降りたった。 結論だけ先に述べると Wi-Fiがうまく繋がらず 目当てのごはん屋さんには たどりつくことができなかった。 空港のラウンジでようやく タイ料理に出会えたのである。 ちなみに

Denmark 2 ~学校編~

前回はこちら あたらしいルームメイトと朝ごはんのこと ここに来て3日目の朝。 わたしはシャイな日本人から おしゃべりな日本人になった。 昨日の午後から まやちゃんがルームメイトになったからだ。 「プラムをみがき続けるとさぁ つるつるになってきもちがいいって知ってる...?」 窓の向こうを眺めつつ シリアルをくちに運んでいたまやちゃんが言う。 どれどれ... と試しに手にしていたプラムをみがくと 食品サンプルみたいに輝くではないか。 これがたまらなくおかしくな

旅のこと

さて… なにから書こうか。 焦らずとも今の私はまるっと1日分くらい 空の上から動けないし、 ここにくるまでのことを忘れないうちに 書き終えて新作の映画を3本ほど見て うとうとしていれば残り20646キロの帰路を やり過ごせるだろう。  そもそもの旅のはじまりについては まめに見てくださってる方は ご存知かも…(ありがとうございます) 西の魔女になりたいうちのおばあちゃんが ちょっと散歩に出かけない?というのと 同じニュアンスでちょっと行かない?と 誘ってくれたからなのであ

日本の北欧 2

2日目は昼過ぎまで ごろごろしたりぐだぐだしたり 料理番組をみて過ごしました。 途中でニュース番組もやっていて、 そこでながされる外国の情勢のこと 自分の国のこと… ただみているだけなら それはそれで楽だけど。 だれが言い出すでもなく こうだよねああだよねとなって 豊かな時間だと感じました。 授業さぼってるじかんも 学びだから無駄じゃないよって いうのとちょっと似ていると思います。 昼過ぎからは石拾いに。 とくべつ楽しむためのなにか、が なくても音楽と自然ととなりの人が

ことばをかりる

どこか遠くへいくとき、 わたしは人から借りた本をお供にしている。 自分で本屋さんや図書館にいって 選ぶのもいいけれど だれかに行き先にあわせて本を 見繕ってもらうというのは見知らぬところへ 出向くときにはしっくりくるように思うから。 それに、"本"という かたちではあるものの そのなかにある無数の言葉たちは 借主によく似ているので知らない場所で 思い出してちょっとほっとすることでもある。 同時に返す、という目的があることで 帰るべき場所を見失わずにすむことでもある。