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最愛のあなたへ

早朝午前3時
ふと目を覚まして
寝ぼけ眼(まなこ)で腕の中にいる貴女の寝顔を見る
シパシパとまばたきをして
ぐっすりと夢の世界にいる貴女の寝顔を眺める
この時間がとても好きだ
 
サイドボードのロックグラス
溶けてなくなった氷と
年代物のBOWMORE(ボウモア)の
スモーキーで甘いシェリーの香り
サラミソーセージのスパイシーな香り
仄かなボディーソープの香りの中に
ひときわ輝く貴女の芳(かぐわ)しい香り

首筋に顔を埋めて思い切り息を吸い込む
 
情事の残り香が混じった
脳髄を焼き切るようなそれに
どうしようもないほどに くらくらする
 
 
バーボンを口に含んだまま交わした口づけ
唾液と強い酒精が混じり合う甘いひととき
喉の奥から溢れる嗚咽と深い愉悦
絡み合う舌と甘い唾液に
滴り落ちる汗と深い快楽
 
 
嵐のように過ぎ去ったその時を思い出し
腕枕をした手で細い肩を抱き
腰に腕を回して体をぴったりと寄せ
ぬくもりと柔らかさと繊細さを全身で味わう
 
「愛してるよ」
 
低く囁やけば
身動(みじろ)ぎしてかすかな嗚咽を漏らすその声に
甘すぎるその声に
どうしようもないほどに欲情する
 
何かを言っているのだろう貴女の声は
吐息混じりで耳に届くまでに掠れて消えてしまう
 
「大好きだよ。」
 
耳元でささやく
貴方が好きだといった低い声で
貴女の魂に刻み込むよう囁く
 
「愛してるよ。」
 
途端、陶酔するような嗚咽を漏らし
耳まで真っ赤になる貴女の頬
そして緩やかな微笑み
 
起きているのかと思いきや、起きる様子はなく…
ささやかな寝息が静かに聞こえてくる
無性に苛立ちが募り 
「愛しています。心から。」
言葉を変え耳元で囁く
 
抱きしめる腕に力を込めて
「世界中の誰よりも愛してます。」
 
きっともう、起きているだろう薄紅の耳元に
気付かないふりをして囁く
「愛しています。貴女だけを。」
 
頬に
額に
瞼に
首筋に
 
そっと唇を押し付ける
 
小さなリップ音とともに
刻み込む
 
『このまま深いところにまで僕を刻み込めたらいいのに。』
ほの暗い独占欲を表す鬱血痕をなぞる
 
どうしようもないほど貴女に溺れている僕を
貴女は笑って受け入れてくれる
 
「あなたには、敵わないな。」
独り言ち、貴女を抱きしめて
またうとうととする
 
 
あと少しでまた会えない日々が続く
それでもなお、この幸福な時間をまどろみの中で過ごしたい
 
耳元で囁かれた言葉は
夢か幻か
掠れた声に、幸せが満ちていく

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某イコネからの移行作品。多少改変しています。
写真はCanvaから。
そのうち女性視点ver、サイドストーリーverも気が向いたら移行を考えます。

BOWMOREの12年。美味しいですよね。
筆者がよく飲むのはバーボンのMaker's Markです。
ロックで飲むことが多いです。
肴はサラミソーセージやビーフジャーキー、ナッツやドライフルーツ、チーズなど。何でも食べますねw
皆さんのオススメのおつまみはなんですか?

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