見出し画像

小規模事業者におけるブランディングの課題

こんにちは。不定期投稿です。今回は、かなりラフに書きます。当社もブランディング、というのをメインにうたうようになってから、様々なところからブランディング依頼のお声がけをいただくようになりました。わたしたちの拠点があるのが秋田の田舎なもんで、必然的に顧客も小規模のところが多くなります。たくさんご相談いただいている中で課題と感じるところがあったのでご紹介します。


ブランディングについての理解

まず、田舎のおっちゃん社長ってブランディングってことに理解あるの?という話なんですが、思った以上に理解をしてしてくれています。ブランディングの本質については理解はしていないにしても、デザインを活用していくことって大事だよね、という感覚は多くの社長が理解してくれます。デザインなんて関係ないよね、という方はほぼいない。デザインやブランディングの重要さは一昔前より浸透している感覚があります。

ただし、ブランディング=デザイン整える、という理解の仕方がほとんどなので、その裏側であるコンセプトや思いなどを掘り下げて考えていくというところまでは理解していません。したがって、ブランディングの費用=デザインの費用と思われています。

はじめてお話するクライアントさんに対しては、なるべくブランディングの本質的なところを理解していただけるよう話をするようにしています。そうすると「そうだよね。コンセプト大事だよね。」という感じでここでも理解してもらえます。私の説明の仕方がうまいんですかね!ははは!

しかし!ここからが大きな問題です。ブランディングとは裏側も考えること、というのは理解してくれるのですが、そこに費用をかけるという感覚までたどり着けない方が多くいます。ブランディングって数ヶ月に渡ってじっくり話をして、思いや立ち位置、強みや弱みなどいろんなことを考えます。わたしたちもたくさん時間をかけるのでそれなりの費用になってしまうのですが、そこはなかなか払いたくないんですね。形に残らないと思うんでしょう。

これは大きな課題です。啓蒙が必要です。

ブランドの運用の課題

企業ブランディングにしても、商品ブランディングにしても、見た目をデザインすることが最終視点と思われがちなんですが、本来は決定した事項やデザインをいかに運用するかがメインです。運用の内容の殆どはお客様とのコミュニケーションです。店舗などを持っていて、そもそもお客さんとのタッチポイントが整っている場合、その接遇方法を変える等の運用の仕方になるのでスムースなブランド運用に繋げやすいです。

しかし、小規模事業者では、新たにブランドを立ち上げてECで販売する場合などは、そもそもブランド構築の話し合いをしているのは社長本人で「だれが担当者になってコミュニケーションの運用をするの?」ということがほとんど。こうした場合は、コンセプトを作ってデザイン整えて、ということをしても、結局運用ができずに、ブランディングのプロセスが水の泡になってしまいます。これはとても問題です。誰も得をしません。

きっと大企業などではブランディングのチームが組まれ、問題なくブランディングプロジェクトは進むと思いますが、小さい会社は人的リソースも限られているので、運用は大きな課題です。

手段の目的化問題

ブランディングに積極的に取り組んでくれるところもあります。運用とも大きく関連するのですが、ブランドを作り上げるところまでが目的になり、結果的に運用がなされないこともあります。わたしたちの担当した案件でも、デザインを作ったにも関わらず、店頭で並んでいる姿をみたことがない商品もいくつかあります。どんなところでどんなふうに販売されるか想定して、一生懸命作るのですが、販路開拓等取り組んでいただかないと、ブランディングしても何も意味をなしません。

このような場合は、ブランディングについての説明が不足しているなどわたしたちの側にも少なからず責任はあると思います。作っただけでは売れないですよ、ということを始めに説明しておくべきなのです。そこを理解いただけない場合は、お仕事を引き受けないほうがいいのかなと思っています。

補助金を活用したケースではこの傾向が高いように感じます。

まとめ

以上、地方の小規模事業者のブランディングにおける課題、というか懸念すべき点をまとめました。どなたかの参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?