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がんになったら自分の立ち位置が変わった話

2019年にがん宣告をうけてからというもの、
世界が変わってしまった。

私の足もとを囲うように、
細くて深い地割れができてしまった。
どこに行こうとも、
地割れはいつでもついて回ってくる。
私は地割れに囲まれて生きている。
この地割れは絶対に元通りにはならない。
二度と周りの地面とくっつくことは無い。

地割れをまたいでそちら側に行きたいけど、
万が一、地割れに落ちたら
更に酷いことになりそう!と思い、
無茶はしない。

全ての向こう側の人々もまた
好きこのんでこちらに来ることは
絶対にない。

家族もそう。
朝起きてから夜寝るまで
同じ屋根の下で自由に過ごしている。
見た目はいつもと変わらないのだけど、
とても「遠い」存在になってしまった。

また別の言い方をするなら、
自分の周りだけ、
うすいバリアが張っている感じ。
ATフィールドか。。。。
周りの人には見えないバリア

つまり、自分だけ
違う世界の人になってしまった。

自分が立っている。
向き合うすべての人と地割れで分断されている。
私のうしろには川が流れている。
(そよそよと緩い流れであって
強くごうごう言っているわけではない)
あとずさりできるのは2,3歩ほど。
(※↑ここ大事)
それ以上下がったら、
ジャボッと川に落ちちゃう
(絵に描けたらいいんだけどな。)

そんなこんなで、
他の人と時間の流れ方が違う。
余裕がないの。

勘違いして一緒のつもりで生活をしていると、
立ち位置を忘れてしまう。
どこも痛くもないけれど、
常に自分は人とは違うと覚悟している。

半年毎の検診日には、
告知された日のことを思い出す。

さて、楽しく生きるよ!

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