ジキハイ2023観劇しました!

 ミュージカル ジキル&ハイド 柿澤ジキル回を観て参りました!
 ジキハイ観劇は本公演が初です。最高すぎました。皆様の歌声が良すぎて耳が潤う。
 以下「二重人格多重人格大好き、別人格は心の栄養」なオタクの、新鮮な悲鳴をお聞きください。
 公演内容のネタバレを含みます。


 ギャップ萌え!!!
 わたしもあんなふうに華麗に豹変できたら萌えの自家発電できるのに……
 左向いてジキル、右向いてハイド。好きすぎる。切り替えが凄い。技術の圧勝。永遠にリピートしていたい。
 人格交替ってものすごくエネルギー使うんだなと思いました。美味しいもの食べてくださいの気持ち。
 ジキル右利きでハイド左利きなのたまらん!
 ジキルの優しいけど融通がきかない真面目くんな甘めの声、対するハイドの声はちょっとやんちゃさがある若さある声でたまらん! 自由にしてくれの声がハイド混じりでたまらん!
 苦悩を抱えた役ってどうしてこんなに美味しいんでしょう。苦しんでるって愛おしい。ジキル苦しそうだしハイドも苦しそうだし。真面目なタイプが自身のコントロール失うの大好き。そんな自分に絶望するの大好き。


 ねえ、皆、実は二重人格多重人格大好きでしょ? 好きすぎるでしょ??? だから別人格が登場する作品は途絶えることがない。忘れた頃に新たな作品が来る。もう認めちゃいなよ、皆も好きなんだろ! ジキルとハイドから続くこの系譜を絶やしてはならぬ。別人格からしか得られない栄養が確かに存在する。二重人格多重人格作品が未来永劫連なりますように。

 自身の「善と悪」を切り離した結果、「勧善懲悪」が形となり暴走するって、寓話っぽい。悪だと思ってるものは、別の形をとった正義だったりするのだ。根本的な善悪の判断基準は実はジキルもハイドも同じなのでは、と感じた。制裁してしまいたい、と願う思いを形にするかどうか、ブレーキがあるかないかだけの違いでは。
 ……ってなると、考えようによっては、ジキルとハイドは「別人格」ではない、のかもしれない。
 わたし、DSM-IV-TRのDID診断基準の文が美しくて大好きなんですが、

2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される同一性 (identity) または人格状態 (personality states) の存在 (その各々はそれぞれ固有の比較的持続する様式をもち、環境および自我を知覚し、かかわり、思考する)。

DSM-IV-TR

 この表現。美しすぎて好きすぎて、ビラ印刷して飛行船からばら撒きたいし、自分の墓をたてるなら墓碑に刻みたいんですけど!
 ジキルとハイド、物事を赦せる赦せないの判断基準自体は変わらないので、実験でできた薬は、人格を分離させるものにはならなかったんじゃ? という。大きなひとつの意思の上に、両者の行動が成り立っているのを感じた。自分が抱いた正しさに対しての融通のきかなさは同じなような。
 善悪とは何なのか。制裁行動に移すブレーキの有無自体が善悪なのか。


 自分で人体実験するマッドサイエンティストっぷりも最高すぎる。向精神薬ってロマンに溢れてるんですよね……。感情も知性も結局は化学物質と電気信号。そのメカニズムを知りたくて理系に進み、薬剤情報全部印刷して構造式と血中濃度推移グラフを眺めてニコニコしていたタイプのオタクなので……自分の体で実験したいのわかりますすごく……。感覚的なものが化学物質に左右されるのを悟る瞬間が大好き。知的好奇心は美しい。のめり込む人を見るのが好きなんだ。

 円盤をください……柿澤ジキルのブルーレイください……無理ならCDでも……再演もお待ちしてます!!!