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傷口にそっと手をかざし、優しく包んであげてください。そしてもし涙が流れてきたら、その温かさを感じてください。

すごく傷ついているのに、
その痛みを何かで紛らわせて、元気なふりをする。
自分も元気になった気でいる。

そういう人たちって案外多いようです。

でもまだそこには癒えていない傷があります。

ずっと、ずっと抱えているのに、
見ようとしない、思い出したくもない、
そして、そうしているうちに時間が治癒して、
いつの間にか傷が消えていたということはあります。

でも、哀しいのはまだ癒えていないのに、
治ったと勘違いして、元気だと思い込んでしまうこと。
だからまるでなかったことのような振る舞いや
もう乗り越えたかのような言動をしていること。
何かのきっかけで傷口が開き、また新しい血が流れ始めます。

贅沢な時間や優しい人たちが、
少しばかり忘れさせてくれたとしても、
それはいっときのもの。
ときが過ぎれば、また傷が疼きはじめます。

でも心の痛みを抱えているからこそ、強くなれるのです。
ですから、目を背けたり、ねじ伏せなければなんて思わないでください。
その傷口にそっと手をかざし、優しく包んであげてください。
そしてもし涙が流れてきたら、その温かさを感じてください。
心が悲鳴を上げたら、声に出して泣いてください。

そしていつか思い出話として、笑顔で語ることが出来たとき、
ああ、なんとか乗り越えられたんだと感じて
そんな自分を優しく労ってあげてください。

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