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【投機の流儀 セレクション】三菱UFJ銀行株と野村證券株

三菱UFJ銀行株は、将来金利が上がれば最も利益が上がるビジネスモデルをとっているから「金利高=三菱UFJ銀行株上昇」というかたちになるのが理屈さ上当然であった。しかし、第1ラウンドは終わった。
罫線上で言うところの新値三段足(三線転換法とも言い、ザラ場を無視して引け値だけで見ると、三本前のロウソク足の引け値を下回った時に「陰転」、上回った時に「陽転」とする)で言えば650円をもって完全に天井を突いて三線転換法では陰転した。野村證券株ももちろん陰転した。ところが、もっと長期的に趨勢を占う「十線転換法」がある。これは半年単位ぐらいの趨勢を占う。野村證券株は十線転換法も陰転した。したがって、当面の「買い場探し」はまだまだ先のことだ。三菱UFJ銀行株は三線転換法では陰転したから当面は相場は終わったが、十線転換法では540円を切らなければ陰転したことにならない。したがって、買い場探しには違いないが十線転換があるのかどうかを見極めたいところだ。もし、三菱UFJ銀行株が十線転換法で陰転したら銀行株は全て相場は終わったとしたいところだ。そして金利上昇すれば最も儲かるはずのビジネスモデルが銀行株だが、銀行株がしばらく相場がないということは金利上昇は日本では起こらないということを「相場は相場に訊け」が語っていることになる。三菱UFJ銀行株の行方は長期金利の行方を示す540円を切るかどうかは十線転換法の一つの境目となる。ちなみに、東京電力は1月29日の444円でもってひと相場は終わった。しかし、十線転換法で陽転してからこれは陰転はまだしていない。だから1月4日の270円と1月29日の444円の間の約半値押しのところでもみ合っているのだ。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)週明けはとりあえず買い先行から小高く始まろうがレンジ相場の域をでない
(2)「森より樹を見る時代」か?
(3)三菱UFJ銀行株と野村證券株
(4)当面の市況と中勢的な見方;「森よりも樹を見よ」という風潮で、その方がよさそうだが、やはり「森」が大事だ
(5)3月28日号の(4)で述べたことであるが確認する。
(6)中長期の見方;世界景気、今年は6.0%成長へ (IMF発表)
(7)中国はあと7年後にGDPでは完全に米国を抜く―→米国は単独では中国に対抗できないから日本をその防波堤としたい―→日本経済を強くさせたい―→∴米は日本に円安をもたらせたい
(8)東電・関電・東京ガス・大阪ガス・ニコン・いすゞ等々が意味するところ
(9)投資家の半数は日銀の買い支えに反対
(10)中長期の見方;ウォーレン・バフェットが日本株を買う意向と筆者には見える
(11)中長期の見方;バイデン大統領は世界の首脳の中で一番先に会談する相手に菅首相を指名した
(12)米中関係の嵐
(13)バイデン財政政策の真意=円安の日本経済
(14)米中冷戦の中での日本のビジネスの進め方
(15)米長期金利は1.75%まで上昇(市場は織り込み済み)、米3月の製造業景況感指数は37年ぶりの高水準(市場は織り込み済み)
(16)金属商品が軒並み上昇、銅の相場は株価の先行指標または一致指標として正確に株価全体像を示している
(17)最も気になるリスク=米長期金利の上昇→FRBの出方
(18)日銀はREIT市場は全体的に安定していると見ていると推測できる
(19)米金利上昇は世界景気回復を再読みしている=良い金利上昇という見方
(20)中央銀行の難題は迫った
(21)日銀の独立性の難しさ‐「試練と苦悩の四半世紀」
(22)トルコリラの激変について
第2部 せっかくの好相場に「水を差すようなこと」を言うが……
(1)3月28日号の(4)で述べたことであるが確認する
(2)「水を差す」その2――この相場を終焉に導く真因は何か


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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