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【投機の流儀 セレクション】日銀に試されている市場

2月15日日経平均が3万円達成後日銀がETFを買うのを止めてしまった。前場でTOPIXが0.5%下がれば後場で日銀が必ず株を買うという長年続いた動きが止まった。市場は出口戦略を織り込み始めたのかもしれない。但し、週末の大幅下げには日銀は買い向かった。また、日銀が株を買うことから10年を経過した異常な金融政策は「正常化」に向けた一つのターニングポイントに差し掛かったと見るべきか迷わせる日銀だ。日銀に試されているのだ。「正常化」と言うからには「今はとにかく異常だ」という意味だ。
確かに中央銀行が国債を買うことはどこの国でもやるが、株そのものを買うのは日本だけだと思う。この異常状態が10年続いた。アベノミクスの産物である。効果の大きかったものは副作用も大きい。日銀はもちろんそれを意識している。購入額の減額(出口戦略・テーパリング)を日銀が意識し始めたと見えるのは3万円に乗せてからだ。日銀は3月の政策決定会合で政策運営の点検結果を公表するはずだ。今までは前場でTOPIXが0.5%下がれば後場で買うことになっていたが、これからは買い入れを抑えて相場が大きく下がった時に買うということに切り替えるのではなかろうか。市場は日銀離れを意識し始めたのかもしれない。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況
はじめに
(1)週足罫線から観れば陰陽包み足であって良くない。だが、10線転換法では陰転してない。週明けは大幅崩れはない。
(2)日銀を試した市場、慌てず焦らず諦めず、の場面
(3)日銀に試されている市場
(4)日経平均は「日本経済の平均株価」ではない。「日経新聞社の株価指標」だ
(5)誰でも「出口戦略」を気にする
(6)日銀黒田総裁の慎重論
(7)最近は値が吹いた銘柄が直近の値上がり分をすぐ消す傾向にあった
(8)上値は重かった相場はやはり崩れた
第2部 中長期の見方
(1)バイデンの経済政策は本気だ――「バイデン大統領は、民主党が上下両院を制している今のうちに、充分すぎる大きな経済政策で一気に景気を回復に持って行くべくだという発想」
(2)バイデン政権の景気対策が成功すれば最も困るのはFRBだ
(3)バイデンの真価はどこで問われるか
(5)「NY株の一部分に仕手騒動」の続き
(6)ワクチン普及で景気回復が進む期待
(7)株価3万円の意味
(8)「景気が良くなれば株価は下がる」
(9)米は年内に国債購入の縮小(出口戦略の一つ)に着手するかもしれない
(10)今の株式市場はバブルだったか?
(11)1月のNY市場の一部分での出来事は根底に根深い問題をはらむ
(12)NY市場でテスラ株のバブルが崩壊しても大きな事件にはならない。リーマンブラザーズの破綻とは意味が違う
(13)長期金利の上昇、これは株価下落の引き金になる
(14)20年を経て制度疲労が露骨に現れた官邸主導政治。「平均的人物」では務まらない官邸主導
(15)米で空箱上場が400社
(16)「日経平均3万円 私はこう見る」
(17)勝機の見方:コロナ禍が済めば環境問題、ましてやバイデンがパリ協定に復帰する――東電の話しはここから始まる


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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