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【投機の流儀 セレクション】日最大の成長の余地を残す産業は農業だ

この言い分は10年ほど前から本稿で言い続けてきたことであったが、数年前の野村證券のOB会で農林水産省副大臣をやっていた小里泰弘氏(野村を退職してから父の労働大臣就任に伴い大臣秘書官に就任。2005年9月11日の第44回衆議院議員総選挙では父の引退に伴い、鹿児島4区から自由民主党公認で出馬)が「この数年で2倍になった」と言っていたが、当時は1兆円だった。本稿でも時折書いてきたが、オランダは日本の四国よりも小さい面積なのに 7兆を輸出している。10年前までの日本の農産物の輸出は年に5000億円だった。5000億円は「道の駅」の全国の売り上げの総計でしかない。ところが、円安で農産高級品が伸びて1月~9月は前年同期比で過去最高になったという(11月4日農林水産省発表)。歴史的な円安が高価な日本の産物の輸出を後押しした。
日本の農産物はブドウ・メロン・イチゴ・スイカ・米などは世界に通用するブランドを持っている。農産物の輸出額は1月~9月を見ると過去最高になったというが、まだまだオランダの比ではない。
農業部門の色々な規制を撤廃すること、大企業が農産物の成長性を意識して農地を所有して農産物を工場で作ること、これお推進せねばならない。オランダは多くの農産物を工場で作る。24時間中光を当てているから植物は24時間中昼間だと錯覚してどんどん伸びる。 三毛作、四毛作が可能になる。これを大企業が乗り出す兆候はあるがまだまだ少ない。
こういうことを言うと関係者に嫌われるかもしれないが、農協という 独占事業体を独占禁止法で拘束して自由な農家の自由な発想で企業化して工業製品化して、農産物を伸ばす方法はいくらでもあると思う(これは筆者の友人が北大を出てイリノイ大学に留学して帰国してから日本有数の豪雪地帯をタダ同然で買って和牛の生産に成功して巨富を成して12年間市長をやったりした。もう一人の友人は米麦の生産を一切やめて花に専念して大いに利益を上げた。こういう身近な例を見ていて筆者は10年以上前から日本の最大成長産業は農業ではないだろうかと本稿で述べてきた。今、1月~9月の輸出が過去最高だという記事を日経で読んで、「成長と分配の好循環」はまずは賃金を上げることが先決であると別項で述べたが、産業別に規制を排除していくことも「成長」のために重要である。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)市況コメント
(2)大型中間反騰か
(3)先導株比率が2ヶ月半ぶりの高さ
(4)海外勢の日本株買い越し拡大―11月第1週
(5)米中間選挙終わり、株高の季節に入ったか?
(6)好決算相場の日本市場
(7)米議会の「ねじれ」は買いか
(8)当面の日本の政局
(9)法務大臣は国家権力で人を殺す最高責任者だ
第2部 中長期の見方
(1)岸田政権に期待する。よって「官邸崩壊前夜の状態」を早く脱するべきだ
(2)再来年の大統領選挙に再び出馬するつもりのトランプ
(3)半導体、日本勢復活の10年計画
(4)原発、60年超運転の制度改正、年末までに結論を出す(経産省)
(5)東芝買収2.2兆円
(6)日本最大の成長の余地を残す産業は農業だ
(7)我が恩師も今もし在ればプーチンに暗殺されたかもしれない
(8)景気循環消滅論が登場することがあるから幻惑されないようにしよう
第3部 読者との交信蘭

【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
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