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【投機の流儀 セレクション】こういう状態の時の賢明な過ごし方

先週末の米国市場では、NYダウは終値3万1261ドル、小幅(僅か+8ドル)だが3営業日ぶりの反発となった。日中安値は3万0635ドルと一時600ドル安からの大引けにかけての戻しとなった。尚、CME日経先物は週末値とほぼ同水準で取引を終えている。

週間ベースでは、NYダウは8週連続の下落で、これは情報会社の記録によってことなるが、リフィニティブによると1932年以来90年ぶり、ファクトセットによると1923年以来99年ぶりの連続下落記録となる。世界恐慌の引き金となった暴落時以来となる。めったにないことだ。

1923年時の米国市場では、その後のNYダウは1929年の世界恐慌を迎えるまでの大きな上昇局面に入っていった。
一方で1932年時は、1929年9月頃から始まった米国株の崩壊、そして1929年10月24日の「暗黒の木曜日」の株価大暴落を起点とした長期下落相場の最終局面にあった。翌年の1933年には第32代大統領フランクリン・ルーズヴェルトによるニューディール政策によって米国市場は大きく上昇していった。

1923年・1932年の両局面とも、その後株価は上昇してったが、現在の局面に当てはめて期待することは時期尚早であろう。
依然として、2009年を起点とした約13年間の長期上昇トレンドに対する終焉としての大きな調整の可能性もあるという危機感を心の中に持ち、その危機の時こそ大胆な行動をできるように、緊張感をもった市場対峙を堅持したい。こういう時の過ごし方が、いざ好機を迎えた時に適切に動けるか否かを決める。
2020年3月19日の「コロナショック1万6500円」を想起しよう。あれから11カ月で平均株価は86%上がった。あの時に自分はどうしたか、機敏にうまく安値を拾いまくったか、もしそうでなかったら、どこに原因があったか、学習しようと呼びかけたい。

【今週号の目次】
第1部 当面の市況

(1)こういう状態の時の賢明な過ごし方-Ⅰ
(2)当面の市況:こういう状態の時の賢明な過ごし方-Ⅱ
(3)当面の市況:各市場で「恐怖指数」が上昇
(4)NYでは有力ヘッジファンドがハイテク株で1兆円の損失
(5)ND倍率が6ヶ月ぶりの水準に下がった
(6)明るい話と先行き不透明感――東証プライム市場、4年ぶり最高益、36%増
(7)PBRから見れば日本株は割安
(8)当面の市況はグロース株とバリュー株との交互の一進一退
(9)FX投資家が4ヶ月ぶりのドル買い比率高水準
(10)NYガソリン先物が最高値
第2部 中長期の見方
(1)W・バフェット氏、「一世一代の大勝負に出た」
(2)FRBのソフトランディングは可能か?
(3)FRBは利上げを急ぐだろう
(4)米長期金利の上昇一服
(5)「クリーピング・インフレ」
(6)「ロシア弱体化を狙うバイデンの危険な賭け」
(7)プーチンの見え透いた「ハイブリット作戦」
(8)ウクライナ侵攻について
(9)トルコリラが年初来安値
第3部 円安問題
(1)円の実力は「ニクソンショック以来」の低水準
(2)円安問題を考える
(3)日本と海外の金利差の比較(10年国債の金利)
(4)日本の国力低下を売られる円安
(5)再び円安を考える
(6)日本の経済的国力
第4部 問題を先送りして日本を衰弱させた政権


【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi

【著書】
『賢者の投資、愚者の投資』
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