【投機の流儀 セレクション】日本株の相対的優位性
諸先進国に比べて、日本株の相対的な優位性が浮かび上がっている。これが業績そのものであろう。株価というのは売り手と買い手との相対的な力学で決まるが、その根本は業績である。
日本は、その業績が足元で鈍っている欧米とは対照的に伸びている。主要企業の業績見通しは上昇している。
日経平均を構成する225社の通期計画を積み上げると、純利益合計は9月末の36.8兆円から11月10日時点では38.9兆円というように2兆円増えた。下方修正よりも、上方修正が圧倒的に多い。日米欧の株価指数の1株当たり利益を見ると、日本は足元で鈍る欧米とは対照的に伸びの勢いを保つ。
故に「株価の調整局面は安値を拾うチャンスである」(米運用大手の日本株担当者、日本経済新聞11月11日号「スクランブル」欄より)
筆者もそう思う。色々なリスクにさらされる中で、日本株の相対的な優位性がはっきりとしているからである。
【今週号の目次】
第1部;当面の市況
(1)市況コメント
(2)日銀の金融政策、次はマイナス金利解除との見方が多いが、時期は見方が分かれる。
(3)年内衆院解散説
第2部;中長期の見方
(1)政府が言う「資産運用立国」の中身が、具体的に少しずつ進み始めた。
(2)「成長と分配」の「分配」について
(3)景気循環学会は不偏不党の学術学会だが、筆者の株価の長期的な見方に味方するようなことを言い始めた。
(4)アメリカの日本叩きは、結果的に日本にとって有利になった。
(5)米中対立と中国経済衰退は、日本に有利に働いた。
(6)何と言っても、米は強いことと円安の効果
(7)金利上昇不安が市場を不安にするが、アメリカはエネルギー大国であり、イノベーションの母国であるから、金利高による悲観論には要注意
(8)筆者がかねがね言ってきた「地殻変動」の可能性
(9)地政学から見て、日本の重要性が急激に高まっている
(10)木佐森吉太郎氏の言葉で言えば「壮年期相場」(業績相場)の機運
(11)日本株の相対的優位性
(12)「バブルの浮沈象徴、野村證券元社長の田淵義久氏死去」
【プロフィール】
山崎和邦(やまざき・かずくに)
1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年、同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院教授、同大学名誉教授。大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴57年、前半は野村証券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。
趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。
著書『投機学入門』『投資詐欺』(講談社)など多数。
ツイッター https://twitter.com/toukinoryugi
【著書】
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