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【投機の流儀】「正しく恐れる」について――直感・論理・哲学、及び蛻変(ぜいへん)

第1部 当面の市況―正しく恐れる。適切に対峙する

(1)当面の市況
仮称「コロナ相場」の始動以来、約86%上昇を見た大相場の、いわば初押しが先週まで続き、昨年3月19日を始動点とする約1万4000円幅の上げに対する約3000円幅の下げであった。心理的節目の2万7000円を週末は一旦割り込んだが、先週末のCME日経先物は27255円で週末現物値より240円程度高い。週明けは穏やかに始まろう。

先週末の米国市場では、NYダウは225ドル高。ハイテク株主導の上昇だが、直近売られていた一部景気敏感株にも押し目買いが入った。

先週末の国内市場はトヨタの減産報道による「トヨタショック」で、単日で6902デンソー(▲8.8%)、9101日本郵船(▲8.4%)、7201日産(▲7.2%)など、自動車関連中心に景気敏感株は売られた。
更に、日経平均株価への価格寄与度の高いソフトバンクは中国のネット企業への規制強化の影響で下げ止まりの動きは見られず、安値更新で3月高値(10695円)からの調整は▲42%に達している。日経平均は昨年12月29日以来の27000円割れとなり、2月16日高値(30714円)からの調整は▲12%となった。

ただ、これまで先行して調整していたマザーズ指数は昨年10月が高値でその調整率は▲27%に達しているが、8月18日の1000ポイントの大台割れから自立反発の動きを見せている。
また市場全体を示すTOPIXの週末値は1880ポイントで、200日移動平均線水準(1880、8/20時点)で踏みとどまっている。市場全体が総崩れとなっているわけでもなく、市場の底堅さも見られた。

日銀ETF買いが実施されない今、市場本来のダイナミズムは復活してきており、寧ろこれからは突っ込み買いの好機は何度も訪れると前向きに捉えたい。
先週末の騰落レシオは76%に低下してきている。「正しく恐れ、適切に対処」し、市場と対峙するところであろう。
昔から「初押しは買え」と言う相場格言も想起されるところだから、2万3700まで下がれば半値押しで且つPBR1.0倍のレベルだが、「押し目待ちに押し目なし」の相場格言もある。

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